インドの混ぜご飯と野菜煮込み

本当のラグジュアリーな食事とは何だろう。
四季折々に旬の食材がとれる日本において、その時に一番おいしいものを食す。それを、自分の手で料理して、大切な人に食べてもらう。食材にこだわり、道具にこだわり、みんなを楽しい気持ちにさせる飯。毎日じゃなく週末だからできる、ちょっとわがままかもしれない“ラグメシ”。
Vol.6は、「インド版混ぜご飯」ことビリヤニと、南インドの煮込み料理クートゥ。スパイスと具材のだしが染み込んだスパイシーなご飯と、ココナッツミルクで煮込んだまろやかな野菜は、相性抜群のコンビです。今回の最大のポイントは、ミックススパイスの活用。「スパイス=難しい」と苦手意識を持っている人も手軽に作れ、身近な食材で本場の味を再現できるアイデア満載です。こだわりのTOOL情報や、タロアウトによるDL可能なレシピPDFもあります。

1. シュリンプ ビリヤニ
2. キャベツとじゃがいものクートゥ


本格インド料理が、3つのスパイスだけで作れるとは!

2人の男性が料理を作っている


YOSHIKI (以下Y)早くも6回目を迎えた「ラグメシ」。夏の終わりを飾るのは、スパイスをたっぷりと使ったインド料理です。
TAROUT (以下T)ついに、カレーですか?
Y 残念。ビリヤニです!
T ビリヤニ!?


Y 簡単に説明すると、米とスパイスを一緒に炊いた「インド版混ぜご飯」です。地域や家庭によって具材は異なり、野菜や肉、魚介類など、さまざまな食材で美味しく作れます。具材のだしと20種類以上のスパイスが染み込んだ米は、とにかく絶品。個人的には、カレー以上に好きです。
T たしかに美味しそう。しかし、20種類ものスパイスをそろえるだけで、途方にくれそうです。
Y ご心配なく。万能ミックススパイスを使った、スペシャルレシピを用意しました。しかも、鍋ひとつで手軽に作れます。
T 早速、教えてください!
Y まず、本場の味を再現するために欠かせないのがバスマティライス。ネットで手軽に買えます。タイ米よりもさらに細長く、さらっとした食感で、ほんのり甘い風味が特長です。

バスマティライス


T 米は炊く前に炒めると、どんな効果があるのですか?
Y 油をまとわせるのが目的で、粒同士がくっつかず、さらっと炊き上がります。ただし、炒めすぎると米が割れたり、食感を損ねたりするので注意が必要です。
T 菜種油を使うのも、珍しいですね。
Y インド料理はマスタードシードオイルやギーと呼ばれるバターに似たオイルなど、コクの深い油を使うのが主流。僕はなるべく国産食材を使いたいので、国産の油のなかでもとくにコク深い菜種油を選びました。さまざまな種類がありますが、色が濃いもののほうがより濃厚で、スパイスとの相性が良いですよ。
T 海老は、やはり頭がついた生のもののほうが美味しく仕上がりますか?
Y 有頭海老は脳みそや内臓の濃厚なだしがとれるのですが、臭みが強く、好き嫌いが分かれます。また、海老の殻自体はそこまでダシが出ませんし、殻をむきながら食べるのも面倒なので、ビリヤニにはむき身がオススメです。また、店で売っている輸入物の生海老はほとんどが解凍したものなんです。海老は足が早いので、冷凍のまま購入して調理する直前に解凍し、殻をむいて調理するのがベストだと思いますよ。
T なるほど。勉強になります。

料理の下ごしらえをしている


Y 今回最大のポイントは3種類のスパイスです。
T えっ、3種類だけでいいんですか?
Y 20種類以上のスパイスをすべてそろえるのは大変なので、今回はカレー粉で代用します。じつはカレー粉は、ターメリック、クローブ、カルダモンなど、20〜30種類ほどのスパイスとハーブをバランス良くブレンドした万能のミックススパイスなんです。粒状のホールスパイスに比べて風味がマイルドで、スパイス初心者の口にもなじみやすいですよ。
T それは便利ですね。
Y 具材を鍋で炒めたら、そのまま残りの材料を加えてフタをして炊けば、ビリヤニの調理は完了です。
T すごい。驚きの簡単さですね!

炊き上がったビリヤニ


T フタを開けた瞬間の香り、たまらないです!
Y でしょう。さてもう一品はビリヤニにも相性抜群のクートゥを作ります。
T クートゥも、初めて聞きました。
Y 南インド発祥と言われる煮込み料理です。本場ではウラドダルという豆をピューレ状にして使うのですが、今回は食感が似ているじゃがいもで代用。豆のとろみは、米粉を少し足すことで再現できます。
T 野菜たっぷりで、バランスも良くなりますね。レシピのスパイスは、すべてマストですか?
Y コリアンダーパウダー、チリパウダー、ターメリックの代わりに、カレー粉を使ってもOK。マスタードシードも、同量の粒マスタードで代用可能です。
T ビリヤニとほぼ同じスパイスで作れるんですね。
Y しかも、野菜を適当に切ってスパイスとココナッツミルクで煮るだけなので、とっても簡単です。

調理前のクートゥ


T まろやかなココナッツミルクと、唐辛子の刺激のバランスがクセになりそう。ビリヤニにかけて食べてもウマそうですね。
Y ぜひ、おすすめです。ちなみに、ビリヤニは海老の代わりに、鶏肉やひき肉、白身魚などでアレンジ可能ですよ。
T 自家製ビリヤニって響き、しゃれてますね。カレー男子の次は、ビリヤニ男子がくるかも?


1. シュリンプ ビリヤニ

シュリンプビリヤニ


【材料/4名分】
米          300g
A
玉ねぎ        1/2個
人参         100g
菜種油        大さじ1
にんにく       1片
しょうが       1片
B
カレー粉       大さじ1
クミンシード     小さじ2
コリアンダーパウダー 小さじ2
C
冷凍海老       400g
水          350g
塩          小さじ1
白ワイン       大さじ1
ケチャップ      小さじ2
黒こしょう      3~4粒
〈下処理用〉
片栗粉          適量
〈下味用〉
塩、黒こしょう、カレー粉 適量


【作り方】
1 海老は殻をむき、片栗粉でもみ洗いしたら水気をきる。塩、黒こしょう、カレー粉を適量もみこみ、下味をつける。
2 玉ねぎ、人参、にんにく、しょうがはみじん切りにし、菜種油とともに鍋に入れ、玉ねぎが透き通るまで中火で炒める。
3 米を加え、30秒ほど中火のまま炒める。
4 Bを加え、ざっくり混ぜながら1分ほど炒める。
5 Cを加えて混ぜたらフタをし、蒸気が噴くなどして沸騰したら(フタを開けて中身を確認してもOK)、極弱火にして10〜12分加熱(ただし炊いている途中に香ばしい香りがしてきたら、その時点で火を止める)。火を消したらフタをしたまま12分蒸らす。全体を混ぜて皿に盛り完成。
※鍋でご飯を炊くのが難しいと感じる場合は、炊飯器に4とCを加えて混ぜ、通常の炊飯機能で炊けばOK。


【POINT1】海老は片栗粉でもみ洗いすると、汚れと臭みがしっかり取れる

海老をもみ洗いしている
海老の殻をむいたらボウルに入れ、片栗粉を適量まぶし、手でまんべんなくもんだ後、水洗い。「海老の表面についた汚れや臭みを落とすには片栗粉がベスト。小麦粉はベタッとしてしまい、きれいに洗い流すのが大変なので、あまりおすすめしません」(藤田さん)


【POINT2】海老は炒めず生のまま混ぜて炊く

炊き上げる前のビリヤニ
海老は他の具材と炒めず、生の状態で投入して炊くことで、海老のだしが米全体に広がる。「海老の殻はだしがあまり出ません。むいてから調理すれば、食べるときに手間が省けて楽ですよ」(藤田さん)


2. キャベツとじゃがいものクートゥ

キャベツとじゃがいものクートゥ


【材料/4名分】
A
菜種油        大さじ2
クミンシード     小さじ1
マスタードシード   小さじ1
赤唐辛子       1本
ローリエ       1枚
B
キャベツ       200g
じゃがいも      100g
ほうれん草      1株(50g)
水          400ml
塩          小さじ1/2
C
ココナッツミルク   200ml
コリアンダーパウダー 小さじ1/2
チリパウダー     小さじ1/8
ターメリック     小さじ1/8
米粉         小さじ1


【作り方】
1 じゃがいもは皮をむき、野菜はすべて適当にざく切りにする。
2 鍋にAを入れてフタをし、スパイスがパチパチと音を立てるまで中火で加熱(スパイスがはねるので要注意)。Bを加えてさらにフタをし、野菜がクタクタになったら、いったん火を止める。
3 Cを加えて混ぜあわせたら、中火で3分煮る。味見をしてもの足りなければ塩で調味をして完成。


【POINT1】野菜はクタクタになるまで煮る

煮込み中のクートゥ
キャベツとほうれん草が全体的にくたっとし、じゃがいもが柔らかくなったら煮込み完了。「このくたくた野菜の食感が、クートゥの魅力のひとつです」(藤田さん)


【POINT2】米粉を加えてとろみをつける

クートゥにとろみをつける
とろみ付けには米粉を使用。小麦粉に比べダマになりにくく、片栗粉よりもさらりと仕上がる。「コリアンダーパウダー、チリパウダー、ターメリックは、小さじ1/2のカレー粉で代用が可能。ただしカレー粉はメーカーによって辛さが異なるので、辛味が苦手な場合は少しずつ加えて調整を」(藤田さん)


【今月のこだわりTOOL:「India Spice&Masala Company」のスパイス】

「India Spice&Masala Company」のスパイス
「僕のスパイスの師匠、シャンカール・ノグチさんが販売しているスパイスシリーズです。香りと風味のクオリティの高さはもちろんのこと、オーガニックなのに価格がリーズナブル。使い勝手のいいサイズや、パッケージのセンス、どれをとっても満点です。スパイス初心者の方におすすめするのは、お手軽に本格的なスパイス料理になるクミンシード。スープに入れたり、白米と混ぜてカレーをかけたり、キャロットラペに混ぜたり。クセも強すぎずさまざまな食材と合うので、いろいろ試しながら自然とスパイス使いのコツを学べます。カレー粉も万能ですが、サラダなどに使う場合は、事前にフライパンで加熱することが重要。粉っぽさが和らぎ、香りが一層引き立ちます」(藤田さん)
スピンフーズのオンラインショップにて購入可能。http://www.spinfoods.net/


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タロアウト作成「ラグメシ・レシピ」
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ラグメシ
藤田承紀 / FUJITA YOSHIKI
(プロフィール)
福祉レストラン「らんどね空と海」シェフ。イタリア・トスカーナ地方のレストラン「IL PELLICANO」や、ローマの老舗「AL CEPPO」にて修行。帰国後は「食卓に笑顔を」をモットーに、自然農法、有機農法による野菜作りをしながら活動を開始。野菜料理を得意とし、ビーガンや各種アレルギーに対応した料理教室、ケータリング、レシピ開発も行う。 著書に『野菜のスープ』(主婦と生活社)、『揚げる焼く 野菜のチップス 果実のチップス』(文化出版局)がある。
ラグメシ
タロアウト / TAROUT
(プロフィール)
キャラクターアーティスト。ひとつひとつに愛情あふれるストーリーを設定して誕生させる作品が、国内外から絶大な支持を集める。これまでディオールやフェンディ、ポール・スミス、ナイキなど、名だたるブランドとコラボレート。また、現在『VOGUE GIRL』で大人気連載中の「しいたけ占い」のキャラクターデザインを担当。運動を始めてから健康を意識する中で料理に目覚め、藤田氏とフード&デザインユニット「LUNNY’S VEGGIE」を結成。2017年、「未来の笑顔をシェアする」とコンセプトに活動をスタート。

題字デザイン/タロアウト 撮影/野頭尚子 文/中西彩乃 構成/横山直美(cat)

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