カラフルなうつわ

うつわはおもに料理のためのものですが、作家が作るそれには暮らし方や社会の捉え方まで変えてくれるほどの思想があります。それを知ることはアートに心動かされる感覚ともよく似ていて、かかわることで自分の中の何かが変わるような体験。そんなうつわの「名作」をたどる連載の第6話は、熊谷峻さんのガラス。


うつわと人の親密な関係

うつわという言葉の語源は何か。諸説ありますが、そのひとつは「空(うつ)」。「空っぽであること」「空虚であること」を意味するといわれています。つまり、うつわとは必ずしも何かを入れることが前提ではない。「空」を何で満たすかは、人それぞれであり、何も入れなくとも、見る人との親密な関係で満たされるうつわもある。熊谷峻さんのガラス器は、そういううつわのひとつです。