高級老人ホーム
(画像=tsuneomp/stock.adobe.com)

家族に当事者がいない場合、老人ホームについて考えることはあまりないかもしれません。しかし、世界でも類を見ない早さで高齢化が進む日本において、自分自身の老後の生活に漠然とした不安を持つ人も増えているのではないでしょうか。

老人ホームのイメージはそれぞれ異なると思いますが、実のところ、特に高級老人ホームの中には、ホテルのように豪華で快適な住み心地を体験できるところがあります。

今回は、老後生活の選択肢の1つとして、将来、高級老人ホームの利用を検討している人向けに情報を集めました。

費用もサービスも別世界。「高級」老人ホームの特徴

老人ホームを検討する際、できれば高級老人ホームに入りたいと思うかもしれません。施設にはランクがありますが、ランク付けの明確な基準の1つはやはり料金です。

ランク付けの基準として代表的なのは、入居一時金と月額費用です。特に差が出るのが入居一時金です。老人ホームの入居一時金の相場は約520万円で、最高級の老人ホームの中には1億円を超える施設もあります。一般的に「高級」老人ホームといわれるのは、入居一時金が1,000万円以上と設定されている施設が多いようです。

この入居一時金の違いは、主に後述する建物やサービス内容によって生じます。また風景などの立地条件にも左右されます。

高級老人ホームの多くは、買い物がしやすいといった利便性だけでなく、周りの建築物と距離を保つことで光と風を感じられるなど、快適な生活をイメージできる地域に建てられています。

具体的には、東京の成城や目黒洗足、久我山など閑静な住宅街がイメージできるエリアや、六本木や横浜のみなとみらいなど都会的なイメージが漂うエリア、神奈川県の葉山や滋賀県の琵琶湖といったリゾートエリアなど、入居者が望む老後時間を過ごせる場所に施設があります。

たとえば、パークウェルステイト浜田山は、東京・杉並の閑静な住宅街にたたずみ、緑豊かな中庭を持つ低層邸宅です。窓辺に滝を見ながら、ダイニングでは専属シェフの食事を好みに合わせて選ぶことができ、ダイニングでの食事は予約なしで楽しめます。入居時費用は最高で1億4,900万円となっており、まさに高級老人ホームといえるでしょう。

また、琵琶湖を望むロケーションを持つ「アクティバ琵琶レジデンス」は、入居時費用が1,621万円から9,622万円となっています。月額利用料は13万6,400円から32万1,600円です。サークル活動が活発で、敷地内に24時間医師が常駐しているという安心感をアピールポイントとしています。

全体として1,000万円以上が高級ホームの基準となる一方で、100万円以下の老人ホームの割合も高く、老人ホームの入居一時金の価格帯は二極化がみられます。

一方、月額費用の基本料金については、日々の生活にかかる人件費などの管理費用や食事代、光熱費をベースにしているため、どの老人ホームも大きくは差がないようです。ただし月額費用の中でも、入居者が理想とするライフスタイルに合わせたオプションを用意している場合、その料金の幅は大きくなっています。

食事、お風呂、エンターテインメント……。高級老人ホームにおける生活とは

老人ホームでどのような生活を送るのかは、入居者の健康状態によっても異なります。日常生活を自分でこなすことができる人と、要介護の状態で入る人では、設備も生活パターンも大きく変わります。さらに、要介護の入居者の中でも、介護のランクや疾病の有無によっても異なってきます。

ここでは、一般的な観点から、高級老人ホームに見られる景観、食事、お風呂、エンターテインメント、そして医療と介護の確認事項について、考えていきます。

高級老人ホームでの生活1:景観

立地によって異なりますが、窓から見える心地よい風景や高級感あふれる建築仕様は、高級老人ホームの共通点といえるでしょう。入居者の満足度が左右されるため、景観に力を入れている施設がほとんどです。ただし、人によって価値観は異なるので、高級老人ホームはさまざまな角度から景観を演出しています。

窓の外にオーシャンビューが広がる部屋もあれば、避暑地の別荘のような林の中にある施設もあります。自然の中ではなく、都会の中の風景が好きな人は、都心のセレブなエリアに建てられ、街並みや夜景を楽しめるようにしているところもあります。

高級老人ホームでの生活2:食事

食事も毎日の楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。そんなグルメのニーズを満たすために魅力的なプランを提供しています。もちろん、健康管理も大切にしていて、栄養面への配慮は十分です。食材だけでなく、食器などにも細かい気配りがされており、「今日のお肉の産地はどこ?」などと会話を楽しむこともできそうです。

前述のシェフが食事を振る舞うパークウェルステイト浜田山のほか、入居費用が3億円を超えるプランもあるサクラビア成城では、和洋中30種類以上のメニューを用意するレストランで、季節に応じてさまざまな料理を楽しめます。さらに、週1回、すし店が出張サービスで来訪し、江戸前寿司が楽しめます。

一方で、医師や栄養士が調理師と情報連携し、栄養バランスに気を配るなど、健康面のケアも完備しています。豪華さと健康の両立に気を配っているかは、1つのポイントになりそうです。

高級老人ホームでの生活3:お風呂

日々の疲れを癒しのみならず、美容と健康のためにも入浴は重要なポイントです。そのため高級老人ホームでは、お風呂の設備にも力を入れている施設が多いです。

各部屋には、手すりや吊り具などが付いた介助浴室がついていることも多く、施設としても豪華な大浴場を備え、それをセールスポイントにしている老人ホームもあります。もともと、温泉の出るエリアに建てられた老人ホームも多く存在します。お風呂から外が眺められるような施設や檜風呂などを見ると、入居者でなくても入りたくなってしまうかもしれません。

また、風呂上がりの設備も充実していて、湯上り用のラウンジが隣接し、風呂上がりのリラックスしたひと時を過ごせる施設もあります。

高級老人ホームでの生活4:エンターテインメント

毎日を楽しく過ごすための1つとして、時間を忘れてしまうようなエンターテインメントの存在は不可欠です。高級老人ホームでは、さまざまなエンターテインメントを用意しています。

代表的なのは、共用スペースを利用したさまざまなプログラムです。

カラオケ施設や映画を鑑賞できるシアタールーム、新聞や雑誌をそろえた読書ルームといった設備やスペースを提供している老人ホームもあります。また、体操やヨガ、ダンス、ピラティスなどのプログラムを楽しめるトレーニングルームや、絵画、陶芸、書道、英会話など知識と教養を刺激するバリエーション豊かな講座やサークルが設けられていることもあります。

広いスペースを確保して、高級感のあるゆったりした配置で、落ち着いた雰囲気を演出している点も、高級ホームの特徴です。メインの共用スペースだけでなく、施設内に複数のスペースを設置し、生活で移動する場面で入居者同士がコミュニケーションをとれる環境を作っています。

高級老人ホームでの生活5:健康維持・管理

快適さやエンターテインメントを追求する前提には、毎日の健康を維持、管理できていることがあります。高級老人ホームで最も重要なのは、健康を維持するための仕組みが整っていることかもしれません。

24時間看護、病院併設、ペースメーカーの利用可否、人工呼吸器やリハビリ施設の有無など、医療面での設備のチェック項目は多岐にわたり、また個人によっても異なります。基本的にどの高級老人ホームでも、医療機関との連携はなされており、基本的な要件はそろっていますが、個別の必要なサービスについては、より詳細な確認をする必要がありそうです。

訪ねてきた家族にも快適な生活を体験してもらう

高給老人ホームの快適な暮らしがあれば、充実した日常を過ごしていることを家族に教えてあげたいと思うかもしれません。そんな時に、家族を自分が入居している老人ホームに呼び、おもてなししたいと考える人もいるでしょう。高級老人ホームなら、訪問される家族への対応も万全です。

たとえば、訪ねてきた家族が快適に過ごせるように、ゲストルームに宿泊し、一緒に食事を楽しめるサービスを提供する施設もあります。また、家族一緒に参加できるイベントを企画し、家族の訪問を促しやすい環境を整える施設もあります。

中には家族がゲスト宿泊するうちに「ずっとそばにいて欲しい」「自宅へ帰りたい」と考えてしまうといったケースも見られるそうで、快適過ぎることによって生まれる新たな悩みが存在するかもしれません。

高級老人ホームで人生の最後を楽しく過ごすという選択肢

老後は自分の理想とする景色を見ながら、仕事に追われることなくのんびり暮らしてみたいと考える人にとって、高級老人ホームは、その有力な選択肢の1つとなるでしょう。

いまは現役でどんどん仕事をこなす人も、人生100年時代を見据えて資金計画を練るのもいいですし、自分がどんな終末期を迎えるのかを考えることによって、生き方を見つけるきっかけになったりもするかもしれません。まだ現実感を持てないという方も、一度高級老人ホームへの入居をイメージしてみてはいかがでしょうか。

文・J PRIME編集部

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