オフィス不要論
(画像=kateryna/stock.adobe.com)

「withコロナ」の時代を迎えているなかで、いまオフィス不要論が巻き起こっています。実際に、富士通はこの7月、3年後をめどにオフィスを半分に減らすと発表しています。一方で、今後のオフィスの在り方は、課題がまだ指摘されており、最適な方法を模索中というのが現状です。既存のオフィスから街のオフィス化、自宅のオフィス化が進むなか、膨らむ需要を捉えた投資機会という側面からも、オフィス不要論を観察していく必要があるでしょう。

新型コロナウイルス感染症により飛び出したオフィス不要論

新型コロナウイルス感染症が引き起こしたパンデミックにより、世界各国の都市において都市封鎖が行われ、日本においても緊急事態宣言によって外出制限が実施されました。多くの企業は、新型コロナウイルス感染症の影響下において、テレワークを採用しました。

緊急事態宣言が解除された後も収束の兆しがつかめない中で、オフィスに出勤しなくても業務を実施できるとし、企業の新たな経営手法として、オフィス解約による固定費圧縮策を進める動きが強まっています。

スタートアップのなかには、本社オフィスをなくし、テレワークによる業務フローを確立していこうとする企業も出てきています。

「テレワークうつ」や無気力などのデメリット

テレワークを中心にすることで、オフィスの賃料を圧縮でき、メリットがあるといえます。一方で、2つの課題が表面化しました。

1つめは、「テレワークうつ」など社員の心身の健康とモチベーション管理の問題です。テレワークは、オフィスに出社して仕事をする業務体制と異なり、オンとオフの切り替えが難しくなります。企業はテレワークでの社員の管理とコミュニケーションについて、十分にサポートしていかなくてはなりません。

2つめは、テレワークで新たに発生するコストの問題です。たとえば、備品や消耗品、水道光熱費、PC・エアコン・照明などにかかる電気代などのコストは、オフィスでの業務では企業負担のコストとして明確化されていました。ですが、テレワークになることにより、これらのコストをどのように負担していくのかという点です。

街がオフィスになるという発想の転換も

JR東日本が展開する個室型のシェアオフィス「Station Booth」は、街自体をオフィス化するという取り組みです。Station Boothは、駅構内に設置されたシェアオフィスのことで、移動の合間に駅構内で仕事ができます。

Station Boothを利用することで、ビジネスマンは移動の際に生まれる隙間時間に、整った環境で仕事に打ち込めます。こうしたサービスが充実していくことによって、オフィスを持たないことのデメリットが1つ1つ解消されていくかもしれません。

職住融合の時代に突入、投資銘柄にも注目

テレワークの増加は、住居や駅など公共の場にオフィス機能を組み込む需要を拡大させると考えられます。リクルートが発表した2020年のトレンド予測では、テレワークを前提とした家選びや街選びをする傾向が強まり、職住融合が進むと予測されています。

こうした影響を考えると、たとえば都心のオフィス需要を見込んでいた飲食店よりも、住宅街を中心に店舗展開してきたような飲食店の方が強いのではないか、などさまざまな仮説が成り立つでしょう。投資銘柄を検討する際にも、職住融合の流れが各業界にどのような影響を及ぼすのか、じっくり考えておきたいところです。

文・J PRIME編集部

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