グランドセイコー
(画像=arkna/stock.adobe.com)

高級腕時計はスイス製がメジャーな中で、世界的な評価を得ている唯一の国産ブランドといえるのがグランドセイコーです。2020年はグランドセイコーが誕生して60周年。時計にとって60は、針が一周して新しいサイクルが始まることを示しており、グランドセイコーにとって節目の年であるとしています。このグランドセイコーのブランドヒストリーと品質について解説し、記念すべき2020年に発表する注目の新作を紹介します。

高い技術の証である完全マニュファクチュール

マニュファクチュールとは、時計業界の用語で自社一貫生産スタイルのことを指します。中でも、腕時計の心臓部分であるムーブメント内すべてのパーツを自社で開発、生産する完全なマニュファクチュールを名乗れるブランドは、世界でもほんのひと握りです。グランドセイコーは、すべてのパーツを自社で生産する真のマニュファクチュールなのです。

ムーブメント内にある「ヒゲゼンマイ」という重要パーツの製造は難易度が高く、実際に多くの高級腕時計ブランドは、他社のヒゲゼンマイに頼っています。完全なるマニュファクチュールは、技術の高さを証明するものです。

グランドセイコーが開発した3つのムーブメント

グランドセイコーの歴史と共に、開発した3種類のムーブメントを紹介しましょう。自分好みのモデルが見つかるかもしれません。

・機械式ムーブメント
1960年に時計メーカーであるセイコーが、世界に通用する最高級の腕時計を目指し、新ブランド「グランドセイコー」を発表。機械式腕時計「初代グランドセイコー」を発売しました。ゼンマイを動力源とし、針の動きで時刻を知らせる機械式ムーブメントを搭載しています。この機械式ムーブメントの精度は、国産でははじめて、スイス・クロノメーター検査基準優秀級規格に準拠しました。初代グランドセイコーの発表後、国内初の自動巻きモデルや、時刻のずれが月に±1分という高精度の商品も発表しています。

1960年代のグランドセイコーは、スイスの名門ブランドを驚かせるほど機械式腕時計の精度を高めていきました。以降、現代にまで続いており、最新の機械式ムーブメントは「9Sメカニカルシリーズ」です。さまざまな最新技術を盛り込み、パーツの強度を保ちながら、軽量化を図っています。

・クオーツ式ムーブメント
クオーツ式ムーブメントは、水晶(クオーツ)の振動子に電圧をかけると規則正しく振動する性質を利用した針の駆動装置のことです。動力は電池です。実は、世界初のクオーツ式腕時計は1969年にセイコーから誕生しました。それまでは、たんすサイズの構造であったクオーツの小型化に成功したことは、時計業界のスタンダードを変えることになりました。

機械式で世界最高峰に上り詰めたグランドセイコーも、クオーツ式時計の流行により一時は影を潜めていましたが、1988年に初のクオーツ時計を発売しました。耐温度、耐湿度、耐衝撃性能と、すべての耐久性において優れた水晶振動子を採用することで当時における最高レベルの精度を実現、グランドセイコーとしてあらためて名をはせました。4年後には、さらなる小型化に成功し、女性用のモデルもリリース、ペアモデルとしてラインアップされました。

さらに、1993年には、瞬間日付送りカレンダーをはじめとした、従来のクオーツ時計の常識を覆す新機能を搭載した「9Fクオーツ」を発売しました。中でも「9F6シリーズ」は、腕になじむ装着感と細部まで配慮した作りが特徴で、現在のグランドセイコーを代表するモデルとなりました。

・スプリングドライブムーブメント
1977年に機械式時計とクオーツ式時計の技術を組み合わせた新しいムーブメントの構想「スプリングドライブ」ムーブメントが生まれました。電池を使わないゼンマイ式でありながら、クオーツ並みの高精度の実現を目指すものです。しかし、実現まで困難を極め、20年以上を経た2004年に、世界初のスプリングドライブムーブメントである「9R6シリーズ」が誕生しました。

スプリングドライブの特徴の1つは、秒針の動きです。機械式の細かく刻む動きやクオーツ式の一秒ずつ刻む動きではなく、ダイヤルの上を流れるように滑らかに動きます。ブランド初のクロノグラフである「9R8シリーズ」の発表後も、さらに高精度で多機能なメタニカルの数々を開発、「キャリバー9R01」では未知の領域であった最大8日間の連続駆動を可能にしました。

注目の初代グランドセイコーの復刻モデルと60周年記念限定モデル

グランドセイコー誕生60周年である2020年は、年間を通して新作が発表されます。注目は、なんといっても初代グランドセイコーの復刻モデルでしょう。この復刻モデルは、初代モデルを再現するだけでなく、現代のニーズに合うようにサイズや素材を変え、より使いやすく生まれ変わっています。時計の裏側はシースルーとなっており、ムーブメントの繊細な動きを覗くことができるのも魅力の1つです。

また、グランドセイコー誕生60周年記念限定モデルは、日本の伝統色の1つであり、グランドセイコーのブランドカラーでもある紺色のダイヤルが印象的なモデルです。メンズ用モデルの秒針は、紺色のダイヤルに映える鮮やかな赤で、ものづくりへの情熱が表現されています。機械式、クオーツ式と展開しており、記念モデルならではの意匠です。

時計の針が一周回り、新しいサイクルが開始するように、グランドセイコーは新たな60年の出発点を迎えています。原点となった初代モデルは、単なる復元ではなく、最高の技術と進化したデザインによって新しく蘇りました。グランドセイコーの歴史の詰まったモデルを手に取り、60年の重みをかみしめてみてはいかがでしょう。

文・J PRIME編集部

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