(写真=David Biagini/Shutterstock.com)

富裕層の資産の保全や運用を行う、プライベートバンクというサービスをご存知ですか。日本では、主に1億円以上の金融資産を保有する人が顧客の中心となっています。情報の秘匿性や信頼性も高く、海外では王族や貴族も利用しています。世界中の富裕層が利用するプライベートバンクの利点と、IPO(新規公開株)への投資についてご紹介します。

プライベートバンクの利点

プライベートバンクは、金融機関によってそのサービス内容が多少異なるものの、多くの場合は、資産管理や資産運用、事業継承や資産継承といったサービスを行っています。スイスを発祥とするプライベートバンクは、元々王族や貴族の資産を守る役割を担っていました。しかし、アメリカなどにその形態が広まると、富裕層の資産の増強を目指すものが多くなりました。

日本でも、証券会社や大手銀行をはじめ、さまざまな金融機関が富裕層向けのサービスを展開しています。まずは、プライベートバンクの利点について見ていきましょう。

  • 資産に関するあらゆることを相談できる

単に資産を預けて運用してもらうだけでなく、多様なサービスが受けられます。例えば、税金に関することや、財団設立のためのコンサルティング、資金調達に関するアドバイス、さらには子どものライフイベントについても相談可能です。

  • 資産管理のプロに相談できる

プライベートバンクで資産管理を行うのは、プライベートバンカーと呼ばれる担当者です。プライベートバンカーは、金融機関の中でも特に優れた能力を持った、資産管理におけるプロがなるのが普通です。資産管理のスペシャリストが担当となることで、こちらの意向を汲みながら最適な運用方法と管理方法を提案・実施してくれます。

  • 証券会社系ならIPOの優先割り当ても

IPOに投資する際、一般には抽選が行われます。しかし、抽選で割り当てられるIPOは全体の1~2割程度とされています。では残りはどこに割り当てられるのでしょうか。

IPOは上場の主幹事会社を中心に、各証券会社に割り当てられ、証券会社の裁量で配分先が決定します。そこからさらに各支店に割り当てられます。

各支店でどのような顧客にこの株を配布するのかといえば、やはり取引額の多い上得意客へ、となるでしょう。プライベートバンク業務も行っている証券会社なら、プライベートバンクを利用する富裕層へ配分することが考えられます。

IPOへの投資について

IPOは、多くの投資家がこぞって購入しようとします。その理由は「利益が出やすいから」にほかなりません。上場前の販売価格(公募価格)より数倍高い初値が付くことも珍しくなく、大きく利益を上げる場合もあります。

2018年のIPOでは、3月28日に上場したアジャイルメディア・ネットワーク株式会社 <6573> が、公募価格の3,000円に対して初値が1万5,470円、4月30日に上場したHEROZ株式会社 <4382> では、公募価格の4,500円に対し初値が4万9,000円と、それぞれ大きく値を上げました。このように、公募価格を大きく上回る初値を付けることが多くあります。

また、IPOを行う企業は今後の成長が見込まれるものも多く、上場によって資金調達をした後、事業を拡大し、さらに株価を上げる可能性があるというのも魅力です。上場後にすぐ売ってしまわず、長期的に保有することを視野に入れて投資してもよいでしょう。

一般にメリットが大きいとされる未公開株への投資ですが、デメリットにも注意が必要です。一般的な株式投資と同様、中長期的な投資を考えた場合には、値下がりリスクを念頭に入れておく必要があります。また、短期的な視点では、公募価格から大きく値を上げる企業ばかりではないことも覚えておきましょう。数は多くありませんが、初値が公募価格を下回る「公募価格割れ」をすることもあります。

IPOの購入方法

このように、比較的低リスクで大きなリターンが得られるといわれて人気のIPOは、どのようにして購入するのでしょうか。

  • 一般的な購入方法

IPOを購入するためには、証券口座を開設し、ブックビルディングに申し込みます。ブックビルディングとは、仮条件の価格が提示されているIPOに対して、投資家が希望価格を提示し購入を申し込む方法です。

例えば、1,000円~1,500円が仮条件の価格だとすると、その範囲内で希望価格を提示して注文します。販売される株数よりも注文数のほうが上回った場合には、抽選による販売が行われます。この時、抽選の対象となるのは決定された公開価格を上回る金額でブックビルディングを行った投資家のみです。最終的に、この抽選に当選した人がIPOを購入できます。

  • プライベートバンクを利用した場合

上記の通り、一般的な購入方法では、抽選に当選するのか、当選したとしても満足のいく株数を購入できるのか申し込み時点では分かりません。証券会社のプライベートバンク部門の場合、既に多額の取引をしている顧客に対し、優先的にIPOを案内することがあります。

富裕層の中には、このIPOの優先配分を目当てにプライベートバンクを利用する人もいるとされています。とはいえ、プライベートバンクを利用しているすべての人に、優先的にIPOが配布されるわけではありません。プライベートバンクの得意客となるためには、それなりの資産を運用する必要があるでしょう。

人気のIPO投資を始めてみよう

プライベートバンクを利用することで、プライベートバンカーに資産管理や資産運用を安心して任せられるようになるだけでなく、IPOを優先的に配分してもらえる可能性があることが分かりました。今後積極的な資産運用を考えているという人は、プライベートバンクの利用を視野に入れてみましょう。

文・J PRIME編集部

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