モノ,新富裕層,ニューラグジュアリー
(画像=loreanto/stock.adobe.com)

ミレニアル世代を中心とした新たな富裕層「ニューラグジュアリー」が出現し、新たなライフスタイルを作り出そうとしているとして注目されています。今回は、ニューラグジュアリーの横顔を紹介し、これからの新たなライフスタイルや価値観を展望します。

年収1,000万円、2,000万円の「新富裕層」が増えている

国税庁が発表する「民間給与実態調査」によると、給与所得者のうち年間給与所得が1,000万円を超えた人は近年増加してきており2014年に約183万人であった人数が、2018年には約248万人まで増え、5年で約35%増加しています。

さらに、2,000万円を超えた人数を見てみると2014年に約18万人であったのが、2018年には、約26万人に増え、5年で約44%増加しています。高所得者の急激な増加が、新たな富裕層であるニューラグジュアリーを生み出すことになったと考えられています。

ニューラグジュアリー市場をけん引するのはミレニアル世代

新たな富裕層であるニューラグジュアリー市場をけん引しているのはミレニアル世代です。ミレニアル世代とは、1980年から1995年ぐらいのいわゆる平成初期に生まれた世代の総称です。2020年度には35歳から40歳にあたる年齢層の人たちです。

この年齢層は、共働きによって世帯年収が多くなっていることが特徴です。背景には「働き方改革」や「子ども・子育て支援法」の改正などを受けて、女性が結婚や出産後も就業を継続するケースが増えていることがあります。

では、ニューラグジュアリーはどんなことを考える人々なのでしょうか。ニューラグジュアリーをけん引するミレニアル世代は、インターネットの発展とともに育ったデジタルネイティブです。デジタル社会の中で思考を組み立て、SNSによるつながりと共感を重視し、シェアリングエコノミーの感覚を理解する点などが挙げられます。

海外のメディアでは、ミレニアル世代が「旅行産業を殺し、美容産業、スーツ、シチュエーションコメディ、セックス、石油産業を殺した。両親が親しんだ文化を滅ぼした」などと報じることもあります。変化が世界規模であることが見えてきます。

鍵を握るのはダブルインカムの使い道

前の世代の贅沢は、たとえばがんばった時のご褒美であり、ステータスを求め、優越感に浸るといったものでした。一方、ミレニアル世代の贅沢は、特別なものではなく、周りの視線もあまり気にせず、あくまでも自分の視点とセンスを価値として考え、自由と開放感に浸ることだと言われています。

ブランドコンサルティングのリスキーブランドは、15~74歳の日本人男女を対象に実施した調査結果から、ミレニアル世代がそれ以前の世代と最も異なるのは「モノに執着しないこと」であるとしています。高価なモノや非日常の特別体験などにあこがれるような感覚が、比較的少ないといいます。

背景には、失われた30年ともいわれる日本経済の停滞があるとも言われています。生まれた時から好景気を体験したことがないため、物欲を満たすという感覚自体があまりないといわれているのです。

そんな価値観を持った世代ですが、共働きによるダブルインカムという制度的な変化の影響を受けて、世帯として高収入になってきているのです。では、そのお金をどう使うのか、ということがテーマになってくるわけです。

ニューラグジュアリーの価値観をつかめ

ニューラグジュアリーの考え方は、今後の新しい市場を定義することになるでしょう。ここまでの話から、それは自分らしく生きる人にあこがれ、社会貢献などのよい行動を取るといった心理が見えてきます。

具体的には、キャリアアップや自己啓発に関わる市場、SDGs(持続可能な開発目標)、社会貢献につながる商品やサービスの関連市場などが現在注目を集めています。業界の動向と、ニューラグジュアリーに対するネットを中心としたマーケティング手法に注目していきましょう。

文・J PRIME編集部

>>会員登録して限定記事を読む

【関連記事】
「借金だらけのお金持ち」と「本物のお金持ち」 こんなに違う住宅の選び方
欧米の富裕層にとっては当たり前!ノブレス・オブリージュとは?
世界中の大富豪が集まる国、モナコへ移住するにはいくら必要?
富裕層入門!富裕層とは?割合や年収について解説
経営者がなぜ忙しい中で「美術館」に行く時間を作るのか
東京は圏外、億万長者(ビリオネア)が世界一多い都市はどこ?