アクアパッツァ,リゾット

本当のラグジュアリーな食事とは何だろう。 四季折々に旬の食材がとれる日本において、その時に一番おいしいものを食す。それを、自分の手で料理して、大切な人に食べてもらう。食材にこだわり、道具にこだわり、みんなを楽しい気持ちにさせる飯。毎日じゃなく週末だからできる、ちょっとわがままかもしれない“ラグメシ”。

Vol.4は、イタリアンの定番、アクアパッツァ。魚を一尾まるまる使ったこの料理は、自宅で作るのが難しい印象を抱く人も多いはず。しかし実は、身近な食材にひと手間を足すだけで、たちまちプロの味に! その煮汁を利用して米から炊く本格リゾットのレシピや、こだわりのTOOL情報もあわせてご紹介。大好評・タロアウトによるDL可能なレシピPDFもあります。

1. あさりが決め手、鯛のアクアパッツァ
2. 魚介のうまみたっぷりリゾット

「あさりのだしって、こんなに味わいが 深いんですね!」

アクアパッツァ,YOSHIKI,TAROUT

TAROUT(以下T)アクアパッツァは大好きですが、家で魚を丸ごと一尾使って作るのは、なかなかハードルが高いイメージです。
YOSHIKI(以下Y)そういう方が多いのですが、そもそもアクアパッツァは調味料をほとんど使わずに魚介の風味を生かす料理なので、それほど難しくないんです。魚も、鱗や内臓を取り除く下処理をお店でやってもらえば、そのまま調理するだけ。さらに、今回のレシピは、鍋ひとつで完成します。

T まず、材料の少なさに驚きました。水を一切、使わないんですね。
Y 水分は主に、ワインとトマト。余計な水分を加えずに、魚介のうまみをギュッと凝縮させます。
T 鯛とあさりだけで、十分なだしが取れるの ですか?
Y 特にあさりをたっぷり使うことが、最大のポイントです。貝の口が開いたらいったん鍋から取り出して、半量みじん切りにして鍋に戻す。そうすると、よりコクのあるだしになるんです。
Tそれだけで、この深みが出るとは。あさりのだしって、すごく優秀なんですね。
Y 鯛の目玉やエラから出るコラーゲンも、煮汁にうまみをプラスしてくれます。
T まるごと一尾を使うから、とびきり華やかですね。鯛が手に入らない場合は、どんな魚 で代用できますか?
Y スズキやイサキ、ホウボウ、カサゴ、タラなどの白身魚がおすすめです。
T あっさりとした白身魚と、濃厚な煮汁の相 性が抜群ですね。夏バテで食欲がない時も、これなら、いくらでも食べられそうです。

アクアパッツッ,鯛

Y ですよね! しかし、食べ切ってしまいたくなる気持ちをグッとこらえて。リゾットに使用する煮汁を残しておいてくださいね。
T このスープで作れば、美味しくない訳がないですね。米から作れたらかっこいいけど、難しいのでは?
Y リゾットを美味しく作るコツは、お米にオ イルをまとわせるひと手間。お米の吸水が抑えられ、理想的な食感を残せますよ。また、お湯を加えたあとは、必要以上に混ぜないことも重要。 混ぜるとお米が割れて、断面から吸水してしまい、雑炊のようにドロッとしてしまうんです。
T とろみのある煮汁がお米にしっかり絡むから、芯まで吸水しなくても、ちゃんとうまみを感じられるんですね。硬さも絶妙です。
Y しかも、想像以上に簡単でしょ?
T まさかこんなに簡単に作れるとは思いませんでした。一品でも十分に豪華ですし、二度、美味しい。アクアパッツァを食べ終わった後に、実はもう一品! なサプライズ感もいいですよね。自宅ではなかなか作らない、リソゾットっていうのも洒落ています。
Y 今回のあさりのように、材料を贅沢に、好きなだけ使えるのも、手作りの醍醐味。 コツさえ覚えれば、レストランにも勝る味に仕上がりますよ!

1. あさりが決め手、鯛のアクアパッツァ

アクアパッツァ

【材料/2名分】
鯛         1尾(約300g)
塩         小さじ1/2
にんにく      1片
オリーブオイル   大さじ5
A
あさり       300g
オリーブ     8個
ケイパー      小さじ2
白ワイン      100ml
ミニトマト    1パック(約150g)
イタリアンパセリ 6枝

【作り方】
1 鯛は、鱗と内臓を取り除いたものを用意。表面に塩をまぶして冷蔵庫に3 0分置き、出てきた水気を拭き取る。あさりは濃度3%の塩水に浸けて砂抜きし、オリーブは種を取り、 ミニトマトはへたを取っておく。
2 鍋にオリーブオイルと潰したニンニク を入れて中強火で加熱し、香りが出てきたら魚を入れる。にんにくは焦げる前に取り出す。スプーンでオイルをすくって魚の皮にかけながら、全体をこんがりと焼く。
3 魚が焼けたら一度火を止め、水分が入ってもはねない程度にオイルの温度を下げる。オイルが冷めたら2にAを入れ、フタをして中強火で加熱する。
4 5分ほどでフタを開け、貝が開いたあさりから順に、すべて取り出す。半分は飾り用に取っておき、もう半分は身を外してみじん切りにし、鍋に戻す。ミニトマトは柔らかくなったら潰す。
5煮汁にとろみがつき、乳白色になるまで中強火で煮詰める。鯛に串を刺し、すっと通ったら、最後に塩で調味する。串が途中で引っ掛かった場合は大さじ2の水を入れて、鯛に火が通るまで煮詰める。
6殻付きのあさりを鍋に戻し、細かくちぎったイタリアンパセリを散らす。

【POINT 1】あさりは半量みじん切りにしてだしを取る。

あさり,みじん切り
あさりは半分をだし用にみじん切り、半分を飾り&食用に。「あさりは煮込むと身が縮んでしまいます。口が開いたらすぐに鍋から取り出し、食べる直前に飾り付けましょう」(藤井さん)


【POINT 2】ミニトマトは柔らかくなったらポテトマッシャーで潰す。

アクアパッツァ,トマト
トマトの皮がしんなりとしてきたら、ポテトマッシャーで押し潰す。ポテトマッシャーが無い場合は、木ベラかスプーンを代用。「切る手間が省け、時短できます。魚の身を崩さぬように注意してください」(藤田さん)


アクアパッツァ
煮汁がとろりとし、泡が大きくなったら完成の目安。「魚は皮が剥がれやすいので、裏返さずに、そのままの状態で取り分けましょう」(藤田さん)


2. 魚介のうまみたっぷりリゾット

リゾット


【材料/2名分】
米          100g
オリーブオイル    20g
湯          400ml
アクアパッツァの煮汁 適量

【作り方】
1 フライパンに米とオリーブオイルを入れ、中火で加熱。オイルがさらりとしてきたら、フライパンをゆすり米全体にまとわせる。
2 湯を1に加え、フタをする。中火で加熱し、沸いたら弱火にし、16〜18分加熱。
3 米の硬さが好みより少し硬い程度になったら、アクアパッツァの煮汁を加え、 ざっと混ぜる。とろりとするまで中火で加熱し、水っぽさが無くなったら火を止め、よくかき混ぜる。まだ水っぽいようであれば、煮詰めるかオイルを少し加え、フライパンを傾けても動かないくらい濃度がついてしまった場合は、水を少し加える。仕上げに塩(適量)で調味を。

【POINT1】米に油をまとわせ、不必要な吸水を抑える。

米
米が透明になるよう、全体に油をまとわせる。ヘラで混ぜると米が割れてしまうため、フライパンをゆする程度に。「米が白くなるまで炒めるのは厳禁。水を吸いどろりとした餅のような食感になってしまいます」(藤田さん)


【POINT2】とろみの状態はヘラで線を引いて確認。

リゾット
ヘラで引いた線が保たれれば、ベストなとろみの状態。「最初のうちはヘラで混ぜるのは厳禁ですが、最後だけ、乳化させる為にフライパンをあおるか、ヘラで混ぜながら水分を飛ばします」(藤田さん)


【今月のこだわりTOOL:OXOのポテトマッシャー】

マッシャー,oxo
「その名の通り、マッシュドポテト作りに欠かせない器具です。これまで様々なメーカーの物を使ってきましたが、OXOはサイズ感、ハンドルの握りやすさなど、使い勝手が最高なんです。じゃがいもに限らず、今回のトマトなど様々な食材を手軽に、回数や力加減で好きな形に潰せます。煮込み料理で具材を潰す際にも活躍し、日々の料理に欠かせない調理器具のひとつです」(藤田さん)


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ラグメシ
藤田承紀 / FUJITA YOSHIKI
(プロフィール)
福祉レストラン「らんどね空と海」シェフ。イタリア・トスカーナ地方のレストラン「IL PELLICANO」や、ローマの老舗「AL CEPPO」にて修行。帰国後は「食卓に笑顔を」をモットーに、自然農法、有機農法による野菜作りをしながら活動を開始。野菜料理を得意とし、ビーガンや各種アレルギーに対応した料理教室、ケータリング、レシピ開発も行う。 著書に『野菜のスープ』(主婦と生活社)、『揚げる焼く 野菜のチップス 果実のチップス』(文化出版局)がある。
ラグメシ
タロアウト / TAROUT
(プロフィール)
キャラクターアーティスト。ひとつひとつに愛情あふれるストーリーを設定して誕生させる作品が、国内外から絶大な支持を集める。これまでディオールやフェンディ、ポール・スミス、ナイキなど、名だたるブランドとコラボレート。また、現在『VOGUE GIRL』で大人気連載中の「しいたけ占い」のキャラクターデザインを担当。運動を始めてから健康を意識する中で料理に目覚め、藤田氏とフード&デザインユニット「LUNNY’S VEGGIE」を結成。2017年、「未来の笑顔をシェアする」とコンセプトに活動をスタート。

題字デザイン/タロアウト 撮影/野頭尚子 文/中西彩乃 構成/横山直美(cat)

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