須田二郎,ウッドボウル

うつわはおもに料理のためのものですが、作家が作るそれには暮らし方や社会の捉え方まで変えてくれるほどの思想があります。それを知ることはアートに心動かされる感覚ともよく似ていて、かかわることで自分の中の何かが変わるような体験。そんなうつわの「名作」をたどる連載の第4話は、須田二郎さんのウッドボウル。

日本の森林と食卓をつなぐ木工家

作家もののうつわを使うことは、産直の野菜を食すことに似ていると感じることがあります。作り手の顔が見え、素材や製法に信頼がおけるからですが、須田二郎さんのウッドボウルは、それに加えて採れたての野菜のごとく、森から切り出して間もない生木(なまき)のうちにうつわ型に削られることもあり、農作物のようにみずみずしい。ではなぜこの製法をとるのか。