個人投資,不動産クラウドファンディング
(画像=faula/stock.adobe.com)

近年、クラウドファンディングでも不動産投資ができるようになってきました。個人投資家の新しいチャンス「不動産クラウドファンディング」は、手軽さや安定性などで注目されています。いったいどのようなものなのでしょうか。

不特法の改正で小規模不動産投資がネットで行えるように

不動産クラウドファンディング登場の背景には、人口減少社会を迎え、経営資源としての不動産を、観光や物流などの成長分野に振り向けるための政策が求められている日本の事情があります。そうした中、2017年に「不動産特定共同事業法」(不特法)が改正されました。

不動産特定共同事業の資本金要件が緩和され、不動産特定共同事業に伴うすべての手続(契約書面の交付など)がインターネットでできるようになりました。また、小規模不動産特定共同事業も創設されて、小規模の不動産に対する投資もできるようになったのです。

こうしていま、不動産型クラウドファンディングを実施する事業者が次々と現れて、注目を集めつつあります。

不動産クラウドファンディングのメリット

不動産クラウドファンディングのメリットには次のようなものがあります。

少額からできる

インターネットで不動産クラウドファンディングを行っているほとんどの事業者では、最低投資額を1万円としています。誰でも気軽に参加できます。

損失が出ても、ある程度までは保全される

損失が出たとしても、取り決めてある一定の額までは運営会社が負担する仕組みがあります。例えば、投資した不動産の価値が10%ほど下がったとします。あらかじめ損失負担10%の取り決めがあれば、価値が減少したこの10%部分の損失は運営会社が優先して負担する仕組みとなっているのです。

投資物件が見える

ソーシャルレンディングといった他の共同出資形式の商品と違い、投資物件の情報が詳細にわかるようになっています。建物であれば築年数とか、住所によって資産価値を推測できます。自分で投資すべきかどうかの判断材料になります。

手続きが少ない

普通の不動産投資と比べるまでもないのですが、手続きが非常に少なくて済みます。不動産の取得から、売却、運営などを自分の手で行うことを考えれば、インターネットで本人確認し、会員登録をするだけの手続きで済むのですから、格段に手軽です。

複利で運用できる

不動産クラウドファンディングは、元金と分配金が合計されて振り込まれてきます。この元金と分配金の合計をまた新たな案件に再投資すれば、複利で増やせるというわけです。

REIT(リート)との違い

不動産クラウドファンディングとよく似た形式のスキームでREIT(リート)があります。リートは「不動産投資信託」とも呼ばれ、不動産運用会社が販売する投資信託の証券を投資家が購入する形式です。

これは複数の不動産に対する投資が証券化されているものです。株式と同様に価額が変動するため、売却益や売却損が出ますが、売却すれば現金化できるという点がクラウドファンディングとは違います。

不動産クラウドファンディングは容易に現金化できない代わりに、安定して配当金が得られます。

2017年の法改正でできた「小規模特定不動産特定共同事業者」制度とは

空き店舗や空き家の再生、古いアパートの立て直しなどを行うにあたって出資を募って配当する事業を行う行為は、「不動産特定共同事業」に該当するため許可制です。実行できる事業者は限られていました。そのままでは、古い建物が多くなった地域のリノベーションの進展が進みにくくなります。

そこで、民間の小口の投資資金をこうした地域の不動産利活用に使えるよう法律が改正されたのです。2017年12月、「小規模不動産特定共同事業」が創設、資本金要件等の参入要件が緩和され、許可制から登録事業となり、地域の不動産業者をはじめとする多くの事業者が参入できることになりました。

この出資を募る方法として最も適当であると想定されていたのが、クラウドファンディングだったのです。今般の法改正には、投資の経験のない一般の人にも参加してもらうため、投資家保護の観点も盛り込まれ、これから一層こうした不動産クラウドファンディングが進展することが予想されます。

手軽でかつ、安定性のある手法として注目

不動産クラウドファンディングは、空き店舗や空き家、古くなった賃貸住宅の再生など、これから衰退しつつある地域社会を再生するために必要な手段として位置づけられ、社会的な意義もあります。インターネットで会員登録して1万円から出資できるなど手軽な点も注目に値します。

元本保証もなく、大きなリターンがない代わりに、値動きなどがなく、安定している点も魅力です。ある一定のレベルまで運用会社が損失を負担する仕組み、対象となる不動産の情報が明らかになっていることも安心材料と言えるでしょう。これからの手軽な投資として注目されそうです。

文・J PRIME編集部

>>会員登録して限定記事を読む

【関連記事】
いま世界的に「ブランドロイヤルティ」が低下しているわけ
トヨタが遂に30兆円超え!日本企業の最新売上高ランキング
衰えない「高級食パン」ブーム、人気の理由は?
エルメス、ルイヴィトン、グッチ…バッグじゃなく株を買うのはいかが?
ラグビーW杯、東京五輪に向けて上がりそうな銘柄4選
令和時代のメインストリーム?「トキ消費」最前線