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(画像=testing / Shutterstock.com)

米中間で、関税を巡る貿易摩擦が続いています。両国ともに解決の方向性を模索しているものの、まだ井手口は見えていません。2019年2月の中国の輸出が20%以上減少するなど、実態経済にも大きな影響が出つつあります。

この問題の発端の1つとなったのが、「ファーウェイ」を巡る騒動です。CFO(最高財務責任者)が逮捕されたり、各国が同社製品の使用を制限したりなど、欧米各国でファーウェイバッシングが始まっています。このファーウェイ問題の経緯と今後への影響について解説します。

ファーウェイってどういう企業?

まず、ファーウェイという企業について簡単に整理しておきましょう。

ファーウェイは、中国の通信機器メーカーです。主には、BtoC向けに、携帯電話やPC、タブレットなどを製造・販売していることに加え、企業向けにサーバやクラウドサービスを提供するビジネスも展開しています。2018年の第2四半期には、アップルよりも多くのスマートフォンを販売するなど、今、世界の中でも勢いのある企業といっていいでしょう。

ファーウェイ問題の全貌を解説

では、このファーウェイが、現在、どのような騒動になっているのでしょうか。全貌を見てみましょう。

ファーウェイ問題の発端は、2018年8月に、アメリカが政府内で、ファーウェイやZTEの製品の仕様を禁じる法案が可決されたことです。これまでも禁止しようとする動きはありましたが、正式に法律で可決されたことで、ファーウェイ締め出しの動きが加速されました。

そして2018年12月、ファーウェイ創業者の娘で副会長の孟氏が逮捕されると、この問題はさらに表面化します。容疑としては、「米国が経済制裁を科すイランに違法に製品を輸出した」とのことでした。もちろんファーウェイ側は抗議しており、現在は保釈されているものの、これでファーウェイ問題が表沙汰になったのです。

現在もファーウェイと米国の対立は続いています。この問題は、アメリカにとどまらなくなっているのです。例えば、日本でも、総務大臣が、ネットワークの安全性を求める声明を出し、大手キャリアは、ファーウェイ製品を基地局には採用しない方向で動いています。また、ニュージーランドやオーストラリアではすでに5Gの技術にファーウェイ製品を使用しないという結論を出しているほか、ヨーロッパ各国でも、ファーウェイの導入を巡り、様々な思惑が駆け巡っています。もはや、ファーウェイ問題は、世界的な問題になっていると言えるでしょう。

そもそも、ファーウェイは、もともと創業者が人民解放軍の出身であり、中国政府との関係が深い企業になります。そのため、アメリカは、2000年代にはソースコード流出の問題で訴訟したりなど、10年以上前からファーウェイを警戒していました。米中貿易戦争はきっかけの1つに過ぎず、ファーウェイ問題は今後も続いていくかもしれません。

今後、ファーウェイ問題によって起こり得る未来とは?

では、今後、ファーウェイ問題で、どのようなことが起こるのでしょうか。

最も恐れるべきは、情報の流出です。アメリカ政府が言うように、ファーウェイの製品を通じて情報が流出しているのであれば、サイバーセキュリティの観点からは非常にリスクが高くなります。これをきっかけに、サイバーセキュリティ関連の法案が整備される一方、サイバーテロなどにも注意する必要があります。

もう1つは、この貿易戦争を発端に、通信が分断される可能性もあります。今、ネットワークの基準は全世界で統一されています。しかし、このファーウェイ問題が進展すると、最悪のケースとして、ファーウェイを使っている国では、通信機器にアクセスできないというような可能性もあるのです。もちろん、これは、最悪のケースを想像したにすぎませんが、全くありえない、という話ではないのです。

ファーウェイ問題は、サイバー戦争の始まりかもしれない。

ファーウェイ問題の本質的な論点は、米中の貿易戦争というより、「情報社会におけるデータの守り方」にあります。現在は各国でファーウェイを締め出す動きがありますが、ファーウェイが報復措置を取らないとも限りません。これをきっかけに、新しいサイバー戦争や、サイバーセキュリティの在り方が見直される可能性もあります。その観点で、ファーウェイ問題は、引きつづき注目しておきたいですね。

文・J PRIME編集部

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