2億年後,新大陸,アメイジア
(画像=steve-lovegrove/stock.adobe.com)

現在、地球にはいくつの大陸が存在するかご存じでしょうか。一般的な分類としては、ユーラシア大陸をはじめ、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸の6つが存在しているとされています。

しかし、約2億年前の地球は、これらの6つの大陸が組み合わさった「パンゲア」と呼ばれる巨大な1つの大陸を形成していました。地球は長い年月で見ると、大陸の離散集合がくり返されているのです。

日常を過ごしているとイメージすらできないことですが、大陸をめぐるこんな仕組みを理解することが、ビジネスの新たな展開を仕掛けるアイデアのタネになるかもしれません。

プレートの移動で地球の地図に変化

なぜ大陸は離散し、また集合するのでしょうか。カギを握っているのは地球の表面を覆っている「プレート」と呼ばれる岩盤です。地球の表面はいくつものプレートに覆われており、このプレートは1年あたり数センチメートルといったゆっくりとした速度でそれぞれに動いています。プレートはそれぞれが別々の方向に動いており、プレート同士がすれ違ったり、離れて行ったり、あるいは、あるプレートが別のプレートの下にもぐり込んだりといった活動が世界規模で進行しているのです。

たとえば、太平洋プレートはアメリカ大陸の西側にある海底山脈で作り出されて西に向かって移動し、日本列島の東側にある日本海溝にもぐり込みます。このため太平洋プレートの上にあるハワイ諸島は毎年数センチメートルの速度で日本側に近づいてきています。これを何万年という単位で考えると、はるか未来にはハワイ諸島は日本のすぐ近くに移動してくるということになります。こうしたプレートの動きが地球の地図を塗り替え続けているのです。

6億年前には「ゴンドワナ」、3億年前には「パンゲア」という巨大大陸

大陸が移動してその位置や形状を変えるという考え方は「大陸移動説」と呼ばれています。こうした研究によれば、約6億年前に「ゴンドワナ」と呼ばれる巨大な大陸が存在していました。このゴンドワナがいったん分裂し、その後、約3億年前に再びひとつになって誕生したのがパンゲアです。このパンゲアが約2億年前に再び分裂をはじめ、長い年月を経て、現在の6つの大陸が形成されることになります。

7つめの大陸「ジーランディア」があった!?

しかし、現在、かつて存在していた7つめの大陸について示唆されています。名前は「ジーランディア」で、約490万平方キロの大陸がオーストラリアの東側に、現在のニュージーランドやニューカレドニアと、4つの海台で構成される大陸として存在していたとされています。現在は面積の94%が海に覆われていますが、大陸である証拠とされる花崗岩の層が地殻から見つかっていることから、地質学的に大陸とみなせるという見解が出てきています。最近の研究によれば、ジーランディア大陸は約8,500万年前にゴンドワナ大陸から分裂して誕生しましたが、約5,000万年前の環太平洋火山帯の誕生とともに水没したと考えられているそうです。

海中に沈んだ大陸として有名なのは「アトランティス大陸」でしょうか。古代ギリシャの哲学者プラトンが著書の中で言及している大陸で、大西洋にあったとされています。アトランティス大陸にはアトランティスという名前の帝国が存在して繁栄していましたが、大陸は地震と洪水のために1日で海中に沈んだと伝えられています。ただ、ジーランディアとは違って、海底を捜索しても、地殻的に大陸の存在を示す成分や帝国の痕跡を思わせるような具体的な物証は見つかっていないというのが現状です。

2億5,000万年後に「日本列島」は消滅

プレートの移動などによって、変化する大陸の姿ですが、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者が2016年に行ったシミュレーションによれば、約2億5,000万年後の地球の北半球には新しい大陸「アメイジア」が誕生するそうです。

プレート運動の様子や地質学的な研究から、未来の北半球に新しいアメイジアという大陸が誕生する可能性は1990年代から示唆されてきました。JAMSTECのシミュレーションによれば、約2億5,000万年後までには現在のユーラシア大陸とアフリカ大陸、オーストラリア大陸、北アメリカ大陸を中心として巨大な新大陸が形成される見通しです。

ただ、日本列島はユーラシア大陸と南半球から北上してくるオーストラリア大陸の間に吸収されて新大陸の一部となってしまい、現在のような日本列島としての形状は失われてしまうそうです。

時間軸を大きくすれば、新たな視点が得られる

プレートが移動することで大陸が常に移動していることを紹介しました。2億年後に新大陸ができるという話は、いまを生きる私たちにとっては無関係のように見えます。

しかし、永久に変わらないように見えるものも実は確実に変化があり、時間が経てばまったく違うものへと姿を変えるという真理は見えてきます。大きな時間軸での視点は、いまある事象をまったく違うものとして見せてくれるものです。新たなビジネスアイデアを生み出すヒントになるかもしれません。

文・J PRIME編集部

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