世界成長,予測
(画像=funtap/stock.adobe.com)

4月14日、IMFの経済成長予測が発表され、リーマンショックをしのぐ経済減速の見通しとなりました。このコロナショックでの経済の停滞は、今後の世界市場を一変させる引き金になってしまう可能性もあります。IMFの発表を読み解き、企業の対応なども見た上で、今後を展望します。

IMFが発表した経済成長予測

IMF(国際通貨基金)は、新型コロナウイルスが引き起こした世界的なパンデミックの影響を踏まえた、2020年度の経済成長予測を前年度と比較してマイナス3.0%になると発表しました。新型コロナウイルスによる予期せぬマイナス要因が発生する前の1月予測が3.3%成長である事を考えると、非常に大きなマイナス予測になったことが分かります。

新型コロナウイルスによる経済成長の停滞は、グローバル化が進む現代社会が、はじめて経験するパターンです。ヨーロッパ諸国でみられた都市封鎖や、日本で実施されている緊急事態宣言に伴う外出自粛は、経済活動を大きくストップさせました。過去の経済マイナス要因では、企業活動を国や都市レベルで鈍化させる事態に発展したことはありませんでした。

さらに、新型コロナウイルスによる経済成長の停滞は、これからの予測が立てにくく不確実性が非常に高いことも特徴です。今回のIMFの発表では、新型コロナウイルスは2020年後半に収束に向かい、経済はV字回復を達成し、経済成長率は5.8%に上ると予測しています。前回1月時点の2021年予測が3.4%であることから考えれば、新型コロナウイルス終息後の経済成長を大きく期待していることがうかがえます。しかしながら、2021年の予測はコロナウイルスが収束することが大前提であることには注意が必要です。

IMFの国とエリア別の2020年度の経済成長予測は、米国がマイナス5.9%、ユーロ圏がマイナス7.5%、英国がマイナス6.5%、中国はかろうじて1.2%のプラス成長となっています。いずれの国と地域も前回1月予測と比べると大幅な下方修正を余儀なくされています。

リーマンショックを超える深刻さ

世界規模での経済活動の落ち込みは、感染規模が甚大な欧米に大きくみられます。米国は近年では類を見ないほどの景気拡大を達成してきましたが、コロナウイルスの予期せぬ出現により、3月に成長の見込みを絶たれてしまいました。

雇用の面でも事態は深刻で、失業保険の申請件数は3月半ばからの3週間で1,600万件を大きく上回り、雇用を失う人の数はリーマンショックを超える事態となっています。

グッチ、インターコンチネンタルホテルなども収益悪化の見通し

グローバルで展開する企業でも売上高の減少は深刻化しています。新型コロナウイルスの世界的な流行で、ホテルやレストランは休業を余儀なくされています。世界各国の主要都市でホテル経営を展開するインターコンチネンタルホテルズ・グループでは、客室あたりの収益が60%低下すると見込んでいます。欧州の高級ブランドであるグッチも前年同期比の売上高が15%減少すると予測しています。

復活のけん引役不在の中、期待されること

新型コロナウイルスによる経済成長の停滞の問題点の1つに、経済回復のけん引役が不在である点があげられます。大きな感染拡大を起こした欧米はもとより、感染の発生地であるとされる中国も、けん引役になるとはいえない状況です。

そんな中でも、各国は今考えられる手法として、景気下支えのために財政出動を行っています。総額は8兆ドル(約860兆円)に上ります。米国ではFRB(米連邦準備制度理事会)が事実上のゼロ金利政策を復活させるなどの金融緩和策を実行しています。

日本では政府がコロナ収束後に、観光の一大キャンペーンを実施するとし、宿泊や交通機関、商店街などで利用できるクーポンやポイントを発行すると話しています。八方ふさがりとも言える状況の中で、景気を「V字回復させたい」とする安倍首相のかじ取りに素直に期待したいと考える人も多いでしょう。

文・J PRIME編集部

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