ソーシャルディスタンス,ブランディング,現代的効果
(画像=nuthawut/stock.adobe.com)

新型コロナウイルスによるパンデミックに脅かされている現状において、感染拡大を抑えるために1人ひとりができる取り組みとして「ソーシャルディスタンス」への意識が高まってきています。企業もいち早くこれに反応し、ソーシャルディスタンスの考え方を採り入れて企業ロゴのデザインをユニークなものにする動きが世界的に広まってきています。

非常事態におけるコミュニケーションのあり方として注目されるソーシャルディスタンスが、人々の生活からアーティストの表現、企業のブランディングにまで浸透し始めていることを紹介します。大切な人とも距離を保つという動きは、アプリを使ったリモートデートにまで発展しているなど、これからの人々の行動パターンにも変化をもたらすかもしれません。

ソーシャルディスタンスが世界的に普及

世界各国のとくに都心部で注目されるソーシャルディスタンス。国内では、「密室・密接・密閉」の3密を避ける取り組みが広まっています。ソーシャルディスタンスへの注目が世界的に広がる中で、一体どの程度の距離を保つことが望ましいのでしょう。ソーシャルディスタンスの基準として、都内にあるスターバックスコーヒーでは「人間が両手を横に広げて他人に触れない距離」を席と席の間隔としています。現在は休業となっていますが、再開後も、一定期間は、この対策が実施されることが予想されます。米ニューヨークでは、市民へのインタビューに使うマイクが長くなっているなど、人と人との距離に敏感になっている状況が垣間見えます。

アプリで「遠隔リモートデート」など、人々の行動にも変化

海外においては、恋人同士のデートにも大きな変化が出てきています。たとえば、恋人同士がお互いに離れた自宅にいながら、同じ時間にそれぞれのモバイル端末を使って同じアプリで映画鑑賞を楽しむといった方法が話題になっています。

「遠隔リモートデート」となるアプリ内での映画デートは、鑑賞中にアプリ内でテキストチャットを交わすことでお互いの気持ちを確かめ合うことも可能です。このようなアプリでデートする事例からも、ソーシャルディスタンスは遠隔コミュニケーションの可能性を広めていくことでしょう。

企業やアーティストはロゴで表現

感染予防のために人と人との距離を取るという社会的な要請は企業も動かしています。ソーシャルディスタンスをデザインに問い入れた企業ロゴが続々と登場したのです。

たとえば、マクドナルドはおなじみの「M」のアーチを真ん中から左右に切り離すことで、距離を表現しました。ベンツのロゴは外枠よりも離れて小さくなっており、アウディのロゴは通常なら横につながって描かれる4つの輪を離れて並べています。

世界的な人気バンドのアルバムを、ソーシャルディスタンス仕様にするアーティストも登場しています。たとえば、ビートルズのアルバム「アビーロード」のジャケットは、メンバー4人が遠く離れた間隔でアビーロードを横断するように加工されています。このほか、クイーン、U2、KISSなどの有名なジャケットがソーシャルディスタンス仕様になって紹介されています。

日頃から見慣れているロゴデザインに「距離感」を持たせることにより、メッセージが体感的に頭に入ってきます。企業やアーティストが「この非常事態をみんなで一丸となって乗り越えよう」と団結することによるブランディング効果は決して小さくないでしょう。

社会に対するメッセージ媒体として、企業ロゴが新たな価値をもつ

企業にとってロゴは自社を表現する大切な資産です。しかし、見慣れてくると、そのデザインについてあまり深く考えなくなるかもしれません。今回、世界的企業がソーシャルディスタンスをロゴで表現したことは、企業にとってのロゴの重要性をあらためて示すことになりました。

パンデミック後を語れる時が来たときに、ロゴという無形資産の活用方法を根本的に見直す企業も出てくるかもしれません。

文・J PRIME編集部

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