明日を変えるうつわの話 Vol.2

うつわはおもに料理のためのものですが、作家が作るそれには暮らし方や社会の捉え方まで変えてくれるほどの思想があります。それを知ることはアートに心動かされる感覚ともよく似ていて、かかわることで自分の中の何かが変わるような体験。そんなうつわの「名作」をたどる連載の第2話は、辻和美さんのグラス。

目の前にあるのは単なるガラス器? それとも……?

いま私たちが直面している今世紀最大のパンデミックは「目に見えない悪しきもの」との戦いですが、この経験を通して世の中にあまたある「目に見えない良きもの」に対して、いままで以上に敏感になり、その存在に感謝することができているように思えてなりません。有り体に言えばそれは、あたりまえの日常の中にある小さな幸せこそが尊いということなのでしょう。ガラス作家の辻和美さんは、こんなことになるずっと前に「目には見えないもの」を作品にそっと込めることを始めました。その作品とは?