SDGs,Google,日本
(画像=J.Shunsuke/Shutterstock.com)

SDGsは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標ですが、ビジネス面で巨大な市場として注目され、SDGsをターゲットとしたサービスがすでに世界中で動き出しています。今回は先行しているGoogleや日本のスタートアップ企業の事例を紹介しましょう。

SDGsの市場規模は1,000兆円

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年に国連のサミットにて採択された国際社会共通の目標です。「エスディージース」と呼ばれ、「貧困をなくす」「飢餓をゼロにする」「ジェンダー平等を実現する」など17の目標で構成されています。これをビジネスとして考えた場合、それぞれ70~80兆円の経済効果が見込まれ、合計で1,000兆円の市場規模があるといわれています。

また、SDGsは世界規模で考えなければならない重要な目標であり、新聞報道などメディアでも大きく取り上げられています。SDGsをターゲットにした戦略はブランドイメージの向上につながるでしょう。さらに、SDGs関連の事業を行う企業は、世界中の投資家から注目され、企業価値を高めることにもつながります。

慈善事業ではなくビジネスチャンスとしてみるSDGs

SDGsは、貧困、飢餓、生活用水、クリーンエネルギー、環境など、世界を取り巻く重要な課題を解決するために国際連合が定めた「継続可能な開発目標」であると同時に、世界がいま必要としているニーズでもあります。社会インフラの整備がかかわるため、慈善事業のイメージもありますが、それ以上にビジネスとして大きな機会になることが期待されているのです。

そして、これを具体的に実現するのが、AIやIoTなど飛躍的に成長する最新テクノロジーなのです。大企業はもとより、イノベーションと斬新なアイデアをもったスタートアップ企業にとってもSDGsはキーワードになっています。

世界中でさまざまなサービスが開始している

SDGsを視野に入れ世界をまたにかけた多岐にわたるビジネスがすでに進行しています。ここでは事例として、注目の企業4つを紹介しましょう。

スタートアップが水道などのインフラを構築する

SDGsの目標の1つに掲げられている「安全な水とトイレを世界中に」の達成に貢献している事業の1つに、日本のスタートアップ企業「WOTA(ウォータ)」があります。WOTAが開発した「WOTA BOX」は、AIを駆使した水処理システムによって、シャワーなどで使った水の98%以上を再利用できる画期的な装置です。すでに、災害時の避難所などで使用され、限られた水をより多くの人が使用することができています。

WOTA BOXは、水道以外の水の供給手段として活用できる可能性を秘めています。世界の発展途上国にとって衛生的な水の供給は課題です。WOTA BOXは発展途上国の水の問題のソリューションとして注目されています。

AIを使い海洋汚染を防ぎながら養殖魚へのエサやりを管理する

SDGsの目標の1つ「飢餓をゼロに」の実現を目指す日本のスタートアップ企業「ウミトロン」は、AIやIoTなどの最新のテクノロジーを活かした水産養殖を目指しています。

主力製品である「UMITRONCELL」は、養殖場所に設置されたカメラが魚などの状況を撮影して、AIが分析し、養殖場所の状況やエサやりのタイミングをスマートフォンで生産者に知らせるシステムです。

養殖を成功させるためには、とくにエサやりのタイミングが非常に重要で、いままでは水温や天候によって変化する状況を毎日生産者が養殖場所に出向いて、経験と勘に頼りながら調整する必要がありました。UMITRONCELLは、生産者のエサやりのタイミングを支援するシステムなのです。

エサのやりすぎは、コストを高めるだけでなく、赤潮など海の生態系を悪化させる海洋汚染を引き起こす可能性もあります。AIによって最適に管理された養殖魚へのエサやりは海洋汚染の防止にもつながっています。

UMITRONCELLは日本だけでなく海外での導入実績があり、ウミトロンは世界市場を視野に入れています。

GoogleがSDGsのスタートアップ支援に本腰

Googleは、持続可能な未来を目指し、社会起業家のコンテストを主催するなど、SDGsに本気で取り組む姿勢を見せています。2019年11月には、SDGsに取り組むスタートアップを支援すると発表しました。ヨーロッパ、中東、アフリカの新興企業に研修、製品、技術支援の利用機会を提供するとしており、2020年に始まる予定です。

Googleが持つ世界的に優秀な人材やネットワーク、高度なテクノロジーとSDGsを組み合わせることで、スタートアップが優れた製品やサービスをつくり、世界に展開していくことを目的としています。

日立造船がごみ焼却発電でクリーンなエネルギーをつくり出す

日立造船は、SDGsの目標の1つに掲げられている「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に貢献するごみ焼却発電施設を運営しています。ごみ焼却による発電は、焼却のみでは無駄に捨てられるはずのエネルギーを電気として回収できるため、温暖化ガスの削減につながるのです。

一方で、ごみ焼却は、大気汚染を引き起こす可能性があります。日立造船は、日本IBMと共同開発したAIのシステムを駆使し、燃焼の異常を検知するといった機能により、大気汚染の発生を抑えています。

ごみ焼却発電施設に関連する事業は今や日立造船の連結売上高の6割を占めるまでに成長しています。

巨大市場創出のキーワードとして期待されるSDGs

SDGsは、世界共通の重要な目標であると同時に1,000兆円の市場を創出します。多くの企業がすでにSDGsをビッグなビジネスチャンスと捉え、事業をスタートしています。アイデア次第で大企業だけでなくスタートアップ企業にもグローバルな成功を期待させるものです。SDGsは、富裕層にとって、今後の有望な投資先を検討する際のキーワードになるかもしれません。注目していきましょう。

文・J PRIME編集部

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