自動運転時代,モビリティライフ
(画像=metamorworks/Shutterstock.com)

自動運転が注目されて久しいですが、日本では2019年5月に道路交通法が改正され、基準となる「自動運転レベル3」の実用化に向けて土台が整ってきました。日本ではトヨタ、ホンダ、日産などが、Googleが保有するWaymo、海外勢のテスラに負けじと開発を進めています。

ここでは、米国のSAE Internationalという非営利団体が策定した自動運転レベルの意味を紹介し、これからの私たちの生活がどう変わっていくのか解説します。

自動運転が夢ではなく現実に

改正道路交通法により、自動運転の定義が整備されました。「自動運行装置」を使用する場合も道路交通法上の「運転」に含まれることが規定されたのです。

日本において、自動運転レベルは1~5の段階が設定されています。このレベル分けは米国の非営利団体であるSAE Internationalの定義が採用されています。レベル0は通常運転、レベル1は1つの機能のみ自動化、レベル2が複数機能の自動化、レベル3は緊急時の運転手による操作などの条件つきによる、一定条件下での自動運転機能です。さらに、レベル4は限定地域や高速道路になど、特定条件下での完全自動運転機能、レベル5は完全自動運転機能と定められています。

レベル3では、高速道路において運転手がハンドルを握る必要がなく加速、旋回できます。しかし、天候が変化したり、一般道に入ったりするなど定義した条件から外れたり、システムが自動運転できない状況と判断したりすると、人が運転を代わる必要があります。

もちろん自動運転の間にテレビを見たり、スマホを見たりすることは禁じられていますが、長時間運転において運転手がリラックスした状況で乗車できるなど、自動運転が現実に近づきつつあります。

実現する自動運転「レベル3」は、運転手が対応しなければ大事故も

ただし、まだまだ完全に安心できる状況ではありません。米国ではテスラのハンズフリーを利用していた運転手が死亡事故につながったケースもあります。テスラのケースでは、高速道路で横切ったトレーラーが衝突して死亡した事故や、中央分離帯に衝突して死亡する事故が発生しています。

しかし、このケースで状況の6秒前ごろから運転手への対応が求められていましたが、運転手が対応しなかったといったことや、ハンドルを握らなければならなければいけない中で37分間のうち26秒しかハンドルに触れていなかったなど、運転手側の過失も原因とされています。このように現状の自動運転では、運転手がしっかり対応することが求められています。

レベル3では、状況に応じて操作が人とシステムとで入れ替わります。そのため、事故が起きた際に、責任の所在を適切に切り分けられるようにしなくてはなりません。

国土交通省が定める保安基準の改正案では、自動運転機能をオン、オフした時刻の記録装置などの搭載を義務付け、6ヵ月の記録保存を求めています。認められた走行条件以外では起動しない機能や、居眠りの監視システムなども必要としています。

2020年、まずは富裕層アーリーアダプターのモビリティライフが変化する可能性

自動運転はまだ完全ではありませんが、私たちの生活を少しずつ変えていくかもしれません。テスラが開発した「Smart Summon(スマート・サモン)」機能では、200メートル以内であれば駐車場のクルマを自分の元まで呼び寄せられます。駐車場まで歩くわずらわしさから解放されるだけでも、日常のストレスが減ります。

今後、技術が発達することにより、クルマでの時間の過ごし方自体も変わるでしょう。電車よりもマイカーでの通勤がしやすくなるため、通勤時間を優雅なものにできるかもしれません。

日本政府は2020年に自動運転を実用化するという目標を掲げ、道路交通法など法整備も進めています。ホンダは2020年夏を目途に、レベル3のクルマを発売する予定で、価格は1,000万円を超えるといわれます。日産は市街地で走行できる技術の実用化を2020年以降に見込むなど、急ピッチに開発が進んでいます。

米国ではテスラが高級車として新興富裕層のステータスシンボルとなっていることから、まずは日本でも富裕層のアーリーアダプターがターゲットになりそうです。会社経営に注力する富裕層が口をそろえるのが「何よりも時間が大事」という言葉。自動運転により、1日の「可処分時間」を増やしたいと考える富裕層は確実に存在しているからです。

自動運転がいよいよ実現する2020年、業界動向と私たちのライフスタイルの変化に注目していきましょう。

文・J PRIME編集部

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