消費税10%増税が迫ってきた今、住宅購入のタイミングを「増税前と増税後どちらにすべきか」で迷っている方もいるでしょう。また、マイホーム購入者への経済対策があるため、増税後に購入した方が得と思っている方もいるでしょう。実際には一般の所得者と高所得者ではベストな選択が変わるため要注意です。

高額所得者は住宅の経済対策を使えないことも

住宅購入のタイミングを増税前と増税後どちらにすべきか。これは、次の条件の違いによって結論が変わってきます。

  1. 一般所得者

  2. 高額所得者・住宅取得資金の贈与あり

  3. 高額所得者・住宅資金資金の贈与なし

(ここでいう高額所得者とは、年収目安775万円超の方)

上記のうち一般所得者は、消費税10%適用後にマンションや一戸建てを購入した方が得なケースが多いと考えられます(※)。理由は、増税後には「住宅ローン減税の延長」や「すまい給付金の拡充」などの経済対策が使えるからです。

対照的に、高所得者は年収要件によって経済対策が使えないため、消費税8%のうちにマイホームを買った方が得でしょう。ただし、父母などから住宅資金の贈与がある方は、消費税が10%に増税した後の方が贈与の非課税枠が広がるので有利です。

※経済対策が利用できるのは、取引時に消費税のかかる新築物件や不動産会社が売主の中古物件のみ(いずれも土地を除く建物部分)です。

住宅ローン減税は年間所得3,000万円以下の方が対象

消費税10%増税後の経済対策を詳しく見ていきましょう。この部分については、多くのメディアでも解説されているため、ポイントのみをざっとお話していきます。

1つめの経済対策である「住宅ローン減税」は、もともとあるもので年末のローン残高の1%を所得税や住民税から毎年差し引くものです(10年目まで。一般住宅の上限4,000万円)。消費税10%増税後、この減税期間が3年間延長されます。なお、この延長が適用されるのは、2020年12月末までに新居に入居した方だけです。

ただし、住宅ローン減税は、年間所得が3,000万円超の年は使えません。これは、自営業者や経営者だけでなく、サラリーマンも同様です。ちなみに、この3,000万円超という額は、年収ではなく所得です。

例えば、年商4,000万円の自営業者が経費を差し引いた結果、所得が3000万円以下になれば住宅ローン減税は使えます。同様に、サラリーマンの方も給与所得控除を差し引いた所得が3000万円以下になれば、住宅ローン減税は使えます。

すまい給付金は、年収目安775万円以下の方が対象

もう1つの経済対策「すまい給付金」も当初からある優遇策です。これまで最大30万円だった給付基礎額が、消費税10%増税後は最大50万円まで拡充されます。ただし、こちらも高所得者は恩恵がありません。

もともと消費税8%時は年収510万円以下を目安に、年収額に応じて10~30万円を給付するものでした。消費税10%増税後は対象の年収上限と給付額が拡大。年収775万円以下(目安)の方に対して10~50万円を給付します。それ以上の年収775万円超の方は対象外です。

高所得者でも購入資金贈与があるなら増税後の購入にメリット

ここまでお話ししてきたように、消費税増税のマイホームに係わる経済対策は、一般所得者を対象にしたものです。そのため高所得者にとっては、単純に消費税8%適用時の購入の方がメリットのあるケースも多くなります。

一方で、高所得者の中でも、父母や祖父母にマイホーム購入資金を援助してもらえる方は別です。「住宅取得等資金の贈与税の非課税」は、消費税8%適用時(契約締結期間:2019年3月まで)には最大1,200万円でした。この非課税額が、消費税10%適用時(契約締結期間:2019年4月~2020年3月)には最大3,000万円まで拡充されます。

これにより、まとまった額の贈与があるなら、消費税10%適用後に住宅を購入した方が、ファミリー単位で見た場合に大きなメリットがあるケースも出てきます。この制度についてはこちらの記事でくわしく解説しています。

文・J PRIME編集部

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