
中国のBATHと呼ばれる、百度、アリババ、テンセント、ファーウェイは、今や時価総額世界ランキングトップ10に入る企業も生まれるなど、GAFAの次の企業として大きく注目されています。そして今、次のBATHとして、中国のユニコーン企業が注目されています。中国のユニコーン企業について、そのビジネスモデルを解説します。
ユニコーン企業とは何か?
まずユニコーン企業とは何か、あらためて定義を確認しましょう。ユニコーンとは非上場であること、そして時価総額が10億ドル以上であること、この2つを満たした会社がユニコーン企業と呼ばれます。めったに見られないことから、伝説の動物であるユニコーンにたとえられるようになりました。
増える中国ユニコーン企業
とはいえ、世界ではユニコーン企業というのは増えています。特に増えているのが、中国のユニコーン企業です。中国のHuran研究所のレポートによると、2018年9月末現在、中国のユニコーン企業は181社に上ると言われています。2018年6月からは34社新しくユニコーンが生まれており、2.6日に1社のペースでユニコーン企業が生まれているのです。実際中国はアメリカに次ぐユニコーン大国になっているのです。
注目すべき中国ユニコーン企業5選
では、実際に、中国のユニコーン企業として、特に注目度が高い企業を5社、ビジネスモデルや特徴を紹介しましょう。
Ant Financial(金融)
中国で最も時価総額が大きいユニコーンが、このAnt Financialです。アリババグループの会社であり、決済サービスの「アリペイ」を展開しています。中国はキャッシュレス比率が60%にまで進んでいるキャッシュレス先進国で、アリペイはその最大シェアを誇っています。時価総額が大きいのも頷けるのではないでしょうか。時価総額は約16兆円程度と言われています。
Toutiao(メディア)
2位のToutiaoは、ニュースアプリを運営する企業です。ここ数か月で、大きく時価総額を伸ばした会社と言われています。その大きな要因は、同社が運営している会社のサービスである動画投稿サイトTik Tokが大きく成功したからです。時価総額は、ここ3ヵ月で倍以上伸び、現在は8兆円程度だと言われています。
Didi Chuxing(配車サービス)
3位のDidi Chuxingは、中国では、「滴滴出行」と書かれる配車サービス最大手。もともと、テンセント系の「滴滴打車」とアリババ系の「快的打車」が合併してできた会社であり、さらに2016年にはウーバー・チャイナを買収しています。
日本でも、ソフトバンクの出資を受けながら、大阪でサービスを開始しています。時価総額は約5兆円程度と言われています。
Lufax(金融)
Lufaxは、中国でP2Pレンディングと呼ばれる、個人間融資サービスを運営している企業です。最近は、個人間融資サービスに加え、フィンテックに関する様々なことに取り組むフィンテック総合企業になりつつあります。過去、何度か上場の話はあったもののまだ上場していません。時価総額は約1兆6,000億円程度と言われています。
DJI(ロボット)
DJIは、ドローンを製造・販売する企業。世界三大ドローンメーカーの1つに数えられ、ドローンの世界シェアの7割を占めている企業です。今後のドローン需要が伸びるにつれ、DJIの存在感も高まっていくことが予想されます。時価総額は約1兆6,000億円程度と言われています。
中国発のユニコーンが、世界を席巻する日が来るかもしれない
中国のユニコーン企業は、今のところアメリカや他の国で生まれたサービスを中国向けに展開している企業がほとんどです。しかし、DJIのように中国にとどまらず、世界でもNo.1シェアをとるような企業も生まれています。
今後、中国発のユニコーン企業が世界を席巻する日が来るかもしれません。今、最も注目していたい企業であることは間違いないでしょう。
文・J PRIME編集部
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