人工肉
(画像=Brent Hofacker/Shutterstock.com)

昨今のビーガンブームや地球温暖化の深刻化によりESG投資が重視されるにつれ、動物性食品を一切使わない食用の肉「代替肉」をはじめとする「代替たんぱく源」の需要が広まっています。

この記事では、「代替肉」や「代替たんぱく源」の将来性と合わせて、注目されるビーガン関連の国内上場企業を紹介します。

2040年には食用肉の60%が代替肉になる

動物愛護や地球温暖化の深刻化により、世界的にビーガンやベジタリアンが増えている中で、動物肉を使わない「代替肉」や「培養肉」、動物性たんぱく質が使用されない「代替たんぱく源」の需要が拡大しており、今後も将来にわたって需要が拡大していくことが予想されます。

米国の大手コンサルティング会社「A・Tカーニー」の調査によると、2040年の世界の食肉需要のうち6割が、大豆などの植物から作られた「代替肉」に置き換わると予想されています。

また、米国では食肉代替ベンチャーはベンチャーキャピタルにとって有望案件とみなされており、 2018年まで に植物肉のベンチャーには累計 900万ドル、細胞培養肉ベンチャーには50万ドルが投資されています。

さらに、「A・Tカーニー」の調査によると肉・魚・乳製品などの動物性たんぱく質のうち、2030年には3分の1が「代替たんぱく源」に置き換わるとも予想しています。

以上のように、「代替肉」「代替たんぱく源」は将来に渡って需要が拡大すると予想されており、米国では関連ベンチャー企業への積極的な投資が行われています。

また、日本国内でもオリンピックの開催や観光インバウンドの増加政策の推進により、今後さらに代替肉や代替たんぱく源の需要が増えることが予想されます。

ESGの側面から考えるビーガン関連銘柄

投資先を選ぶ指標として重視される「ESG」の「Environment(環境)」の側面から考えると、よりビーガンの関連銘柄が魅力的であることが分かります。

2020年に発生した「オーストラリアの大規模火災」や、「南極で史上初の20℃越え」などの原因として挙げられる「地球温暖化現象」には畜産業が大きく関わっています。

FAO(国際連合食糧農業機関)によると、畜産による温室効果ガスの排出量は、人為的な活動による排出量のうち14.5%を占めています。

これは車の排気ガスよりも大きな割合です。

そのため、深刻化する温暖化を抑えるために、畜産の規模を小さくして食用肉を「代替肉」に置き換える事が検討されています。

このように「ESG」、とりわけ「環境問題」の側面でも「代替肉」や「代替たんぱく源」は需要拡大が予想されており、ビーガン関連の銘柄も注目されているのです。

「代替肉」の今後の課題は?

代替肉の最も大きな課題は「コスト」です。

代替肉の原料である培養液は「大豆」や「豆」「とうもろこし」「てんさい」などから作られるのですが、その成長因子成分が高額だと言われています。

数年前に出始めた当初は、代替肉のハンバーグは1つ3000万円、現時点では大幅にコストダウンできていますがそれでも数千円といわれ、商業化までにはまだまだコストダウンに励む必要があります。

また、生産、流通など全て新業態に対応するために早期の投資が必要になるとも言われています。

今後は「代替肉」のコスト削減と、新業態がスピーディーに確立されるかが、ビーガン関連銘柄が成長するか否かのカギを握っています。

ビーガン関連の銘柄

それでは、ここからはビーガン関連銘柄を3つ紹介します。

2902 モスフードサービス

株式会社モスフードサービスが運営する「モスバーガー」は、代替肉などを使った植物性100%のハンバーガーを2020年夏ごろに全国販売すると発表しました。

モスバーガーは以前から大豆ミート「ソイパティ」を使ったバーガー等を販売していましたが、今回は代替肉に加えバターや卵などの動物性エキスのないパンやソースを使用します。

代替たんぱく源の食品を国内企業と共同で開発しており、今後ビーガン関連銘柄として注目される可能性が高いです。

2264 伊藤ハム株式会社

食肉業界2位の伊藤ハムは2019年秋に、業務用の大豆ミート商品で代替肉市場に参入しました。

店舗で揚げずにそのまま提供できる商品など、幅広く飲食店のニーズに対応した商品を開発しており、今後もさらにビーガン関連銘柄として成長する可能性が高いです。

8043 スターゼン

スターゼンは2020年3月2日、大塚食品と共同して大豆を原料にした「業務用ゼロミート ハンバーグ」と「業務用ゼロミート ソーセージタイプ」の2商品を発売します。

2019年に行われた記者会見では、共同開発者である大塚食品新規事業企画部の嶋裕之部長が「日本で代替肉を普及させるには他メーカーとも連携し、認知度を高めていく必要がある」と強調しており、今後も代替肉の開発に力を入れて取り組むことが期待されます。

4578 大塚ホールディングス

スターゼンと共同で代替肉を開発している「大塚食品」の持ち株会社である「大塚ホールディングス」もビーガン関連銘柄として注目される企業の1つです。

まとめ

今回は「代替肉」や「代替たんぱく源」の将来性と、今後注目されるであろう国内のビーガン関連銘柄を紹介しました。

代替肉や代替たんぱく源は、大手コンサルティング会社「A・Tカーニー」の調査や環境問題などの側面からも分かる通り今後需要の拡大が予想されます。

ただ、現段階ではコストが高いという課題がありますので、今後は研究開発によるコストダウンや、新事業形態の確立により「代替肉」や「代替たんぱく源」が普及するかが注目されます。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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