VISA
(画像=Tada Images/Shutterstock.com)

2020年1月にVISA(NYSE:V)がFinTechのユニコーン企業Plaidの買収を発表しました。

買収にかけた額は53億ドルです。

国際的なカードブランドのVISAは日本人にも馴染みがありますが、Plaidのサービスについてはご存知ない方も多いのではないでしょうか。

Plaidはアメリカ人の4人に1人が利用する便利なFinTechサービスを提供しており、銀行や証券会社、決済など様々な金融サービスと利用者をつなぐサービスで、APIを提供している企業です。

しかし、これだけではイメージがわかないと思います。

  • Plaidとはどのようなサービスを提供しているのか。
  • Plaid買収でVISAが今後、どのような展開になるのか。

この2点を解説します。

VISAが買収したユニコーン企業「Plaid」とは?

Plaidは簡単に言えば金融機関と個人をつなぐネットワークを提供している企業です。

例えば、複数銀行口座を開いている方や証券会社の口座、海外送金の決済口座など個人でお金を様々な口座に入れている人も多いのではないでしょうか。

しかし口座が増えすぎると、どこの口座にいくらお金が入っているのか管理が面倒になります。

このような管理を簡単にできるのがPlaidの提供するサービスです。

Plaidのアプリを使えば複数の口座管理が簡単になる

Plaidはアメリカで有名なお釣り投資アプリのAcornsや、コストを抑えて海外送金ができるTransferWiseなどのデジタル金融アプリや大手銀行口座を繋ぐサービスを提供しています。

便利な金融アプリを自分の銀行口座に接続することで、お金の管理がしやすくなります。

モバイルアプリで支払いをする際に銀行口座から支払う処理をPlaidのアプリを使うことでシームレスに行えます。

Plaidのアプリだけで送金・決済などの面倒な処理を完結できるため、複数の口座や金融モバイルアプリを使う人にとって便利です。

PlaidのAPIの主な機能

PlaidのAPIを使うことで取引履歴の管理、本人確認、口座残高の確認などが行えます。

アプリ上で支払いや送金をする際、自分の銀行口座の本人確認認証などの手続きはとても煩雑です。

自分の銀行口座とアプリをシームレスにつなぐために必要な機能がPlaidには揃っており、口座やサービスが多様化する時代背景の需要にこたえています。

Plaidの機能は複雑化した現代の金融サービスを有機的につないでいます。

VISAがPlaidを買収する3つのメリット

VISAの展開する決済サービスは、Plaidの提供するFinTechのサービスと隣接しており買収することで相乗効果が期待できます。

Plaidの買収はVISAの企業価値やサービスの展開でポジティブに働くことが予想されています。

VISAのもつネットワークで世界にPlaidのサービスを売りこめる

VISAには世界中をつなぐグローバルな決済ネットワークがあります。

東南アジアの田舎でもVISAのロゴが入ったATMが設置されています。

アフリカ旅行でもVISAのクレジットカードは決済に使えます。

Plaidは現在、米国だけではなくカナダや欧州の金融機関にも接続されています。

Plaidがカバーしきれていないアジアやアフリカなどのエリアも、VISAのもつ国際ネットワークがあれば展開しやすくなります。

つまりPlaidのサービスのグローバル展開につなげられます。

VISAがPlaidの機能を有効活用したサービス展開ができる

PlaidのインフラをVISAが使うことで、不正請求への対応やアカウント認証、セキュリティ対策などサービスの幅が広がります。

VISAの既存サービスをPlaidのサービスで補完することで、エンドユーザーにも企業にも便利なサービスが提供できます。

FinTech企業同士でサービスの質が向上

VISAもPlaidも決済インフラのFinTech企業で近い事業内容でした。

両社の技術がひとつになることで、FinTech企業としての企業価値も高まります。

VISAのFinTech事業がPlaidの技術と結びつくことで、結果的に質の高いサービスを提供できるようになるでしょう。

MastercardがPlaidの同業他社の買収を仕掛けるのかに注目

VISAはPlaid買収で同業他社のMastercardとのサービスの差別化を加速できる可能性があります。

Mastercardも自前の国際的な決済プラットホームを構築している成長株ですが、VISAもPlaid買収でさらに伸びる余地があります。

Mastercardが今後、VISAのPlaid買収からのビジネス展開に対してどのような動きをするかも注目しておくとよいでしょう。

例えばPlaidと似たようなサービスを提供しているYoldee、Finicityといった企業・サービスとの提携や買収などの展開もあるかもしれません。

MastercardもVISAに遅れはとっていません。

Mastercardはクロスボーダー決済に強いTransFastや、ブロックチェーンソフトウェアのR3の買収を発表しており、高速決済インフラのサービス構築を包括的に進めています。

むしろVISAよりもブロックチェーンの利用ではMastercardが先行しています。

直近ではMastercardの方がVISAよりも売上の増加率に関しては上回っています。

VISAもMastercardも成長に向けて新しい事業展開や買収で、それぞれの個性がでてくるでしょう。

VISA、Masterそれぞれの動向を追っていきましょう。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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