米国株
(画像=Stuart Monk/Shutterstock.com)

米国株の代表的な株価指数であるNYダウ平均株価は2月12日に史上最高値である29,551ドルを記録し、ますます順風満帆な調子を見せています。

足元では、コロナウイルスへの感染警戒などで、いったん調整を見せていますが、依然として、歴史的な高値圏であることは間違いないところです。

さて、相場が高値圏に突入すると、投資家の間で必ずささやかれるのは、この株価は果たしてバブルなのか?ということです。

株式の歴史の中で、バブルは必ず存在し、そして必ずはじけてきました。

今回の米国株の歴史的な株高は、バブルの真っただ中なのか、それとも正当な成長に裏付けされた株価なのか、考察していきます。

PERで見た米国株

現状の株価がバブルか否かを語る際に、真っ先に登場する指標が株価収益率(PER)でしょう。

PERは現在の株価を一株当たりの当期純利益で割ったものです。

純利益に対する株価を見ることで、持続不可能な株価になっていないか(割高か否か)を判断することが出来ると言われています。

現在のダウ株価の平均PERは22倍程度で、2002年のドットコムバブル崩壊時のPERは24倍だったため、水準的には、まだまだ上昇の余地を残しているように見えます。

「「米国株はバブルだ!」と主張する人が多いが全くの間違いだ!」と主張するアナリストたちは、現在のPERが、ドットコムバブルに対する割安さからバブルではないと主張しています。

ですが、ダウのPERは歴史上18倍程度で推移してきており、ここ10年では15倍程度です。

22倍のPERは間違いなく割高と言えるでしょう。

ドットコムバブルたった一回の際のPERより、現在の株価の平均PERが低いため問題ないという論理は、いささか強引すぎる主張です。

また、リーマンショック前の株価最高値を記録した2007年10月ごろのPERは15倍程度です。

この観点からみれば、PER22倍でも十分にバブルになりえることが分かります。

米国株はニューノーマルに突入した?

米国株は、ニューノーマル(新常態)に突入したという主張も多くなってきています。

これは簡単に言ってしまうと、リーマンショック後に世界的な金利低下により、債務バブルを引き起こしているので、バブルを起こしている債務に比べれば株価は割安になっているという主張です。

この主張を鵜呑みにすれば、高いPERも正当化されるということになります。

この主張は興味深い主張ですが、債務バブルがはじければ、株式も同時にはじける可能性について、触れられていません。

異なるリスク資産同士は、複雑に絡み合っているため、債務バブルの崩壊と同時に米国株の崩壊を引き起こす可能性が高いと言えます。

つまり、「米国株はバブルではないけれども、債務バブルがはじけたため、米国株も影響を受けて暴落した。しかし、あくまで、バブルだったのは債務であって米国株ではない」ということになりかねませんが、これではまるで言葉遊びです。

また、多額の債務による投資に裏付けられて、企業価値の上昇と株価の上昇があるため、結局の所、債務が増大し続けなければ現在の株価水準は持続不可能です。

こういった意味でも、持続不可能な株価と見た方が自然と言えます。

バブルを助長するFRB

2019年、FRBは3度の利下げを実施しました。

金融緩和の縮小から、段階的に利上げをしてきたFRBは、景気悪化を未然に防ぐとの名目で、利下げに踏み切ったのです。

景気後退が起こる前に、事前に利下げを行うという政策によって、景気をコントロールしているとの主張が繰り広げられていますが、これは、バブルをさらに養成するのに申し分ない条件です。

高すぎる資産価値を正当化するためには、さらなる資金投入が必要になり、際限なく債務の総量を増加させていく必要があります。

利下げ→債務量の増加・資産価格上昇→利下げ→債務量の増加・資産価格上昇というとめどないサイクルの中で、米国株の資産価格は、想像できないほど膨れ上がって行く可能性があります

すでに世界の債務の総量はリーマンショック時を上回っており、その資金が株価に投入されていく、もしくはすでにされていると考えると、米国株はバブルと見ることは、正当でしょう

米国株はバブルなのか?最新の主張から読み解く・まとめ

ここまで、米国株がバブルなのか否かを最新の主張を通して、分析してきました。

  • 決して割安ではないPER
  • 債務バブルとニューノーマル
  • 好況下でのFRBによる利下げ

これらから得られる結論は、決して、米国株の株価の正当性を助長する物ではなく、逆に米国株がバブルの可能性が十分にあるというに他なりません。

市場関係者の一部は、決してバブルではない、正当な株価だと主張します。

もちろんその可能性もあります。

バブルであるか否かは、終わってみなければはっきりとは分からないのです。

とはいえ、日本の資産バブルをはじめとする多くのバブル崩壊の際にも、同じような言論が繰り広げられていたということを我々は肝に銘じ、濁りない目で株価を分析するべきでしょう

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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