米国株医薬セクター
(画像=Valentyn Volkov/Shutterstock.com)

米国には最先端のテクノロジーで医療業界をリードするバイオ関連企業の投資先も豊富にあります。

近年のゲノム配列解析によって、従来の化学合成や漢方でつくられた医薬品では成し得なかった治療が実現できるようになりました。

副作用も少なく、病気の原因にもなるタンパク質に直接結合できる性質もあり、バイオ医薬品は急成長しているセクターのひとつです。

バーテックス・ファーマシュティカルズ(NASDAQ:VRTX)もバイオ医薬品関連の銘柄で急成長しています。

C型肝炎ウイルスの治療薬開発から嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)という難病の治療薬開発に力を入れたことで成長。

さらに新しい分野の治療薬開発にも乗り出し、近年注目されています。

バーテックス・ファーマシィティカルズとは?

バーテックス・ファーマは難病に特化した治療薬の開発をしている米国拠点のバイオ関連企業です。

特に嚢胞性線維症(以下、CF)の治療薬開発に力を入れています。

CFとは全身の粘膜の塩化イオンの輸送能力が遺伝的に弱いことから、生まれてまもない頃から、気管支、消化管などが粘り気の強い分泌液で詰まりやすくなり、多様な症状を表す病気です。

指定難病299とも呼ばれており、粘り気の強い腸液のため便が出ずに体調が悪くなる、気管支炎、肺炎を繰り返すなどの症状がでます。

日本では60万人に1人の割合で診断されますが、ヨーロッパでは3000人に1人が発症します。

参考:難病情報センター

CFの医薬品(Kalydeco、Orkambi、Symdeko)は2018年に30億ドルを越える売上を達成しており、この分野では大き存在感があります。

CF以外の炎症性腸疾患、自己免疫疾患、および神経疾患の治療薬も開発しており、バイオ関連銘柄でも特に成長株として市場関係者からも期待られている銘柄です。

バーテックス・ファーマシュティカルズは成長株なのか?

バーテックス・ファーマシュティカルズが成長株として注目されている根拠をストーリーと決算から説明します。

2017年度の株価は80USDでしたが、2020年度に入り240USD台に突入しています。

この3年で株価は約3倍まで伸びています。

米国のみならず、イギリスやフランスでもCFの治療薬が認可されたことで市場が拡大。

バイオテック企業には追い風が吹いており成長株としてのポテンシャルが見込めます。

バイオテック系の企業が成長する理由

米国のバイオテック企業は希少疾病薬、難病の薬を開発するインセンティブがあります。

米国では治療法がない薬や、かかる患者が少ない疾病の薬を開発すると、7年間の排他的先発販売権が与えられます。

言い換えると難病や少数疾病に対する薬ができれば、独占的に薬を販売できるため、高価格で販売でき企業としても採算のとれるビジネスとして成立します。

そのためバーテックス・ファーマシュティカルズに限らず、米国のバイオテック企業は積極的に難病、少数疾病に効く治療薬を開発します。

実際に難病、希少疾病薬の薬が必要な人の絶対数が少ない分、薬の価格も治療費も一般的に個人で気軽に負担できるほど安くはありません。

しかし治療費を実際に負担するのは患者の保険会社などで、治療費が高すぎるから医療費を負担しないとなると問題になります。

そのため開発した薬代が高額でも患者に必要ならば売ることができます。

また医療支出も先進国の高齢化や新興国の医療需要から構造上、拡大しやすいためバイオテック企業の市場は拡大傾向にあります。

バーテックス・ファーマの売上・利益は年々上昇

YahooFinance
(画像=YahooFinance)

Revenue(売上)とProfit(利益)の数字を2016年から追ってみると、売上・利益は共に上昇し続けていることがわかります。

またCitiのアナリストによると、バーテックスは2020年度のトップのバイオテック企業という評価を受けています。

ディフェンシブセクターでもあるVRTX

バイオテック企業は成長株であると同時にディフェンシブセクターとしての側面もあります。

景気の動向が悪ければ住宅や車などは買い控えの対象になりがちです。

しかし医療は人の生命、健康に関することです。

景気が悪いからといって治療を受けない訳にはいきません。

VRTXはある種の成長株であると同時にディフェンシブセクターとしても機能するのではないでしょうか。

一般的にはバイオテック企業は馴染みがないセクターの銘柄だからこそ、分散投資のポートフォリオに入れる余地もあります。

個別でバイオテック株への投資が難しいなら、ETF投資という手もある

バイオテック企業の個別銘柄の研究が難しいと感じる方は、バイオテック企業だけを集めたETFに投資をするのもおすすめです。

例えばNASDAQ上場のバイオテクノロジー企業の銘柄を集めた「iシェアーズNASDAQバイオテクノロジーETF」(XNBI)に投資をするのも手です。

XNBIはバーテックス・ファーマシュティカルズをはじめ、アレクシオン(ALXN)やギリアド・サイエンシズ・インク(GILD)など主要なバイオ関連銘柄で構成されています。

バイオテック企業に注目する場合、どんな疾病の治療薬を開発しようとしているのか、どのような市場で認可されるのかなど気をつけないといけないこともあります。

しかし一般的な投資家には、イメージが湧きづらいことも多いのではないでしょうか。

もしも米国のバイオテック企業の個別株投資に挑戦するならモトリーフールの情報を小まめに確認するのもおすすめです。

バーテックス・ファーマシュティカルズ以外にも米国本土で話題になっているバイオ関連の個別銘柄が紹介されています。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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