徳仁親王雅子妃・楽天の三木谷浩史会長・新浪剛史サントリーHD社長といずれ劣らぬ著名人ですが、3名の共通点は何でしょう?実は全員、ハーバード大学出身なのです。8人のアメリカ大統領を輩出するなどアメリカ支配層を形成してきたハーバード大学、グローバル化の波に乗り日本でも卒業生が各界で活躍しています。

そんなハーバード大学、巨額の金融資産を運用しその手法にも定評があります。今回の記事では、大学における基金運用のトレンドを追うと同時に、個人の資産運用にも参考になるハーバード流ポートフォリオについて紹介します。

日本の資産運用トップは慶應

学校法人での資産運用に、ネガティブなイメージを抱く方はまだまだ多いでしょう。しかし最近の大学は、かき集めた学費や企業・卒業生からの寄付金でエンダウメント(大学基金)を組成し、運用益を叩き出そうと血道を上げています。

少子高齢化の中、学校間競争に打ち勝つカギとなる施設整備や特色ある教育施策のためにはお金がかかります。それをエンダウメントの運用益で稼ごうというわけです。

エンダウメントの国内トップは、慶應義塾大学の481億円です。慶應は、OB組織である三田会(35万人・862団体)をバックとした集金力が強みです。創立150周年で集めた300億円は語り草となっており、そのおかげで横浜初等部や医学部病棟新設が実現したと言われています。

ハーバードの運用資産はダントツ

そんな慶應も、英米の大学と比較すると大きく見劣りします。例えばイギリスの名門オックスフォードは0.7兆円、ケンブリッジは0.9兆円の基金を擁し、アメリカのアイビーリーグに至ってはプリンストン(2.5兆円)・スタンフォード(2.5兆円)・イエール(2.8兆円)と2兆円超えがずらりと並びます。

そしてダントツの3.8兆円の資産額を誇るのがハーバードであり、ずっとトップを維持しています。

こうした資金力は、教育の質にも響いてきます。英国の教育調査団体タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの大学ランキングによると、トップ10は米英の名門大学で独占され、資金力との相関がくっきり表れています。ちなみに日本のトップは東大の42位です。

高いパフォーマンスを生むポートフォリオとは

ハーバードの凄さは運用金額だけではなく、そのパフォーマンスにあります。ハーバード大学の過去20年間における年平均運用益は10.4%に達し、ベンチマーク(株式60/債券40)を大きく上回っています。

高いパフォーマンスを生む秘密は、そのポートフォリオにあるとされています。ここでは、ポートフォリオの特徴を4つ紹介します。

運用会社への外部委託

エンダウメントの運営機関は運用ポリシーの確立やリターン目標の設定には関わりますが、実際のポートフォリオ組成や組み替えなどは運用会社に外部委託します。

かつてはハーバードでも内部で運用に携わった時期もありましたが、お手盛りインセンティブなどが問題となり、現在では外部委託によりフェアな運用を目指しています。

長期投資

エンダウメントの原資は返済不要の寄付金であり、短期的なパフォーマンスにこだわらない運用が可能です。同時に、長期運用は手数料など売買コストの抑制にもつながります。

分散投資

ポートフォリオは、株式・債権・不動産などへの分散投資を資本とし、かつグローバルに展開しています。分散投資により、リスクを抑えつつリターンを最大化できるのです。

オルタナティブ投資

ハーバードのポートフォリオは、株式・債権といった一般的な金融商品だけでなく、ヘッジファンド・プライベートエクイティファンドといったオルタナティブ投資のウエイトが高いのが特徴です。そしてオルタナティブ投資こそが、ハーバードの高いパフォーマンスの最大要因です。

オルタナティブ投資はリターンの高さが魅力ですが、流動性が低く一般的な投資ファンドでは組み込むことが難しいのです。その点、エンダウメントは長期投資が可能なので、オルタナティブ投資を組み込めるのです。

ベンチマークを上回る運用ポリシーの確立、資産組成へのオルタナティブ投資組み入れなど、ハーバード流ポートフォリオには、見習うべき点がいくつもあります。みなさんも、ぜひ資産運用に活かしてみてはいかがでしょうか。

文・J PRIME編集部

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