ETF
(画像=Panchenko Vladimir/Shutterstock.com)

米国の株式ETFはS&P500などのインデックスをベンチマークとするETFや、環境重視の企業株などを集めたようなテーマ性のあるETFなど実に選択肢が豊富です。

その中でもより高い配当金が得られる銘柄を中心に構成されているETFが、今回ご紹介する米国の高配当株式ETFになります。

その特徴やメリット・デメリット、さらに米国の高配当株式ETFなら外せない注目のETFについてお伝えしていきます。

米国の高配当株式ETFの特徴

まずは米国の高配当株式ETFの銘柄構成や投資戦略上の特徴について解説していきます。

何と言っても高配当

米国の高配当株式ETFを構成する企業には「高配当」や「連続増配」を出すものが多く、そのような銘柄を中心に取り込んでいるのが、最大の特徴となっています。

一般的な米国株ETFの平均的な配当利回りが多くても「2%程度」であるのに対し、高配当な米国株ETFの場合はおよそ「3%~4.5%」と大きな違いがあります。

そのような高い配当金によってリタイヤ後の配当金生活を目指すのにも適していますし、再投資してより大きなリターンを狙うのにも有効なETFといえるでしょう。

業績安定し、成熟したディフェンシブ銘柄で占められている

米国の高配当株式ETFは主にエネルギー・ヘルスケア・生活必需品・公共事業といった比較的業績が安定し、成熟しているセクターに属する銘柄で構成されています。

ITセクターなどのような高い成長力や市場を積極的に牽引していくような力強さはあまりありませんが、安定した利益率や売上を誇り、高いブランド力のある企業もたくさんあります。

代表的な銘柄としては、衣料用洗剤などで有名なP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)やコカ・コーラなどがあり、グローバルに展開している巨大な企業が多い点も特徴となっています。

また、グローバル企業だけでなく、電気やガスなど公共インフラを提供している企業の銘柄も多く含まれています。

「インカムゲイン」重視でコツコツ利益を積み上げる投資戦略

株式やETFでの投資戦略としては、株価上昇によるリターンを狙う「キャピタルゲイン」重視の投資と配当金の分配によるリターンを狙った「インカムゲイン」重視の投資があります。

米国の高配当株式ETFの特徴は、株価上昇からの値上がり利益よりも高い配当金を重視して選んだ銘柄から構成されているETFであるという点になります。

株式やETFの投資戦略を考えた場合、キャピタルゲイン狙いとインカムゲイン狙いのいずれにも一長一短あります。

ただし、キャピタルゲイン狙いといっても、相場環境の変化や購入するタイミングなどによって、必ずしも当初の投資目標を達成することが困難になったり、想定したシナリオ通りにいかないこともあります。

その点、余程の業績不振に陥らない限りは高配当を出す銘柄を中心にポートフォリオを組んだETFなら株価のアップダウンに関わらず、比較的安定してリターンを積み重ねていくことができます。

しかも、配当金額が下がっていく銘柄は定期的に見直され、ポートフォリオから外されていきます。

常に高配当な銘柄だけに運用資金を回していくのが、多くの米国の高配当株式ETFのポリシーとなっているのです。

長期保有にも向いているETF

米国の高配当株式ETFを構成する企業の業績が安定している理由は、これらの企業が生活に欠かせない商品やサービスを提供しているためです。

そのような企業は景気が後退する局面でも業績が落ちにくく、そのためリーマンショックのような暴落時も含めて株価も下がりにくく、安定しているという特徴があります。

長期保有を目的とした資産運用にとても向いているETFであると言うことが言えるでしょう。

米国の高配当株式ETFから得られるメリットは?

高配当な米国株式ETFには様々なメリットがあります。

以下にそのメリットをまとめてご紹介していきましょう。

高い配当金を再投資して複利効果を得られる

高い配当金をそのままリタイヤ後の配当金生活に活用したり、配当金を使わずに再投資に回すことで複利効果を得ながら、さらに大きなリターンを狙えるのが最大のメリットとなります。

特に長期投資を念頭に置いた場合、キャピタルゲイン狙いで配当が少ない企業の銘柄よりも着実に投資元本部分が大きくなり、リターン部分の上昇率もアップしていく傾向があります。

ボラティリティを抑えた長期投資が実現しやすい

マーケットで何か大きな材料が出た場合などに上昇して大きなキャピタルゲインが狙えるITセクター株などに比べると、米国の高配当株式ETFの値動きは比較的小幅で派手な値動きがあまり見られません。

これは別の言い方をすれば、市場の急な上げ下げといったいわゆるボラティリティが低く、株価が比較的安定しているということにもつながっています。

そのような特徴のあるETFは長期保有の比較的安定した投資に非常に向いているというメリットが得られます。

もちろん、市場が大暴落すれば当然のことながら、このETFの銘柄にも影響があることは避けられません。

しかし、ボラティリティが低いために他のセクターよりも下げ幅自体もそれほどきつくないというメリットもあります。

米国の高配当株式ETFから考えられるデメリットは?

次に米国の高配当株式ETFのデメリットのご紹介です。

高い配当金と税金

インデックスファンドやグーグルなど配当金を出さずに企業のさらなる成長のために企業内で再投資にまわす成長株に比べ、高配当ETFの場合には配当を受けるたびに税金が発生してしまいます。

税金については米国内の源泉税分10%と日本国内の源泉税分20.315%がかかってきます。

このうち米国内の源泉税分10%については、確定申告することで還付されることになります。

ただし、配当のたびに税金が発生することは投資効率という面からはデメリットになります。

大きな成長力を望むには限界がある

これは既にご紹介した安定的な長期運用が期待できるというメリットと表裏一体ともいえる特徴となります。

市場が成熟した中で活動している企業の銘柄であることから、不況などには強い反面、大きな成長余力はITなどのセクターほどはありません。

ただし、この点は投資戦略ともかかわってくるために一概に欠点と断定することはできないとも言えます。

まとめ

今回の記事では、米国の高配当株式ETFの特徴やメリット・デメリットについてお伝えしてきました。

米国の高配当株式ETFの代表的な銘柄にはSPYD(SPDR S&P500高配当株式ETF)、HDV(iシェアーズ 米国高配当ETF)、VYM(バンガード米国高配当株式ETF)などがあります。

これらのETFも比較してみると同じ高配当な米国株式ETFでありながら、銘柄選定などでそれぞれに違いがあります。

それぞれの特徴をよく比較検討しながら、自分の投資戦略にあったETFを選ぶことが大切になってくるでしょう。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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