
モトリーフール米国本社、2019年12月12日投稿記事より
経済は最近好調に推移しているように見えますが、常に好調であるとは限りません。
数週間、数ヶ月、さらには数年後にリセッション(景気後退)に備える必要があるかもしれません。
次のリセッションに備えてポートフォリオを準備するためのいくつかの方法を見ていきましょう。
1.完全に不況向けのポートフォリオは優れたポートフォリオとはなりません
完全に不況に強いポートフォリオ構築の唯一の方法をお教えします。
まず、株式、社債、さらにはミューチュアルファンドを売却します。
そして、マネーマーケットファンド(MMF)、譲渡性預金、および国債を積み上げます。
そうすれば、年率2%のリターンが期待できるポートフォリオを構築できます。
不況のときに2%のリターンはありがたいものです。
しかし、このポートフォリオにした場合、その後長期間にわたって歴史的にパフォーマンスの低い資産クラスで運用することになり、リセッション後の株価上昇の恩恵を全く受けられなくなります。
2.不況下で成長する株とトレンドを探す
ほとんどの株は景気後退時に下落します。
しかし、その中でも上昇する銘柄があります。
多くの株は、2008年のリーマンショック時に大きく下落しました。
2008年に上昇した珍しい銘柄としては、ネットフリックス(NASDAQ:NFLX)とベーカリーカフェレストランチェーンのパネラ・ブレッドが挙げられます。
ネットフリックスの上昇は理解できます。市場の低迷により人々は外出を控えます。
同社は、映画館やその他の娯楽で夜にお金を使うことが出来ない消費者にとって、魅力的なエンターテイメントを提供しました。
パネラ・ブレッド(現在は非公開)の好調は、ある意味不思議でした。
レストランは一般的に不況時にうまく行かないものだからです。
しかし、同社の焼きたてサンドイッチと温かいスープは、人々がそれを必要としていたと思われます。
次の不況時に消費者がどこでお金を使うのかをじっくり見てみましょう。
不況時には、エンターテインメントのために家にいる傾向が高くなります。
今回は、ストリーミングTVプラットフォームのRoku(NASDAQ:ROKU)が個々のストリーミングサービスよりも良い選択肢のように思えます。
Rokuは、2008年の不況時のネットフリックスのような存在になる可能性があります。
企業でレイオフが行われると、ギグエコノミー(インターネットを通じて単発の仕事を請け負う働き方やそういった経済形態)が活発化します。
そして、スーパーマーケットなどの小売店は、飲食店などの外食チェーンから顧客を奪います。
これらの他にも、様々な可能性を考えることが出来るでしょう。
3.リセッション下で配当を考慮
成長株投資家や割安株投資家は、好況時には配当利回りに必ずしも大きな注意を払うわけではありません。
筆者は最近、配当利回りが4%を超えるいくつかの魅力的な銘柄を調べましたが、それらは消費者向けの会社であり、市場低迷時にはそれほど配当が支払われない可能性があります。
しかし、堅実な配当がある場合、不況の打撃を和らげるのに役立ちます。
配当株投資を成功させる鍵は、配当よりもはるかに多くの利益を稼いでいる株を見つけること、つまり配当性向の低い株を探すことでしょう。
そして理想的には、何年にもわたって年間配当を引き上げてきた企業に投資することと思われます。
文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
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