日本,現代アート,楽しみ方
(画像=Sweet Art/Shutterstock.com)

「アート」と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか。ピカソ、ゴッホ、ルノアール……といった海外の西洋画の巨匠を思い浮かべがちですが、アートは過去のものではありません。いまも新たな表現が提示され、アーティストたちの挑戦が続いています。とりわけ注目したいのは現代アートです。現代アートは“今”という時代を切り取った斬新な視点を私たちにもたらしてくれます。ここでは、市場価格も高まっている日本の新進気鋭の現代アートの画家たちについて見ていきます。

いま注目したい日本の現代アーティスト

知名度と作品の価値が急上昇しているのが、山形を拠点に活動する武田鉄平氏です。2016年に山形のギャラリーで行われた展示が話題となり、大きな注目を集めています。2019年には東京での個展も開催されています。武田氏の作品はすべてが抽象的な肖像画。まずスケッチを何枚も描き、そのうちのいくつかをパソコンに取り込み、加工します。さらに、それを参照しながら、絵の具を使って完成させます。鮮やかな色彩と力強いタッチが特徴で、今や新作を依頼しても入手に数年は待つと言われています。

日本の現代アートを切り開いてきた村上隆氏にその才能を見出され、勢いを増しているのがMADSAKI氏。幼少時に父親の転勤でニューヨークに移住。大学卒業後に国際的アーティスト集団「Barnstormers」のメンバーとして活動しました。現在は東京とニューヨークを拠点にし、緻密なドローイングから巨大なインスタレーションまで幅広く手掛けています。鼻血を出したスマイルマークや、「HOLY FUCKING SHIT」など文字を使った作品、ピカソやマティスの名画を再解釈して描いたり、安倍晋三首相をはじめとする政治家の肖像のスプレー絵画を描いたりと、近年は社会を風刺するような挑発的な作品が注目を浴びています。

新たな概念で現代美術をリードし、海外でも高く評価されているのが名和晃平氏。Pixel(画素)とCell(細胞・器)が融合した「PixCell」という独自の概念のもとに制作しています。作品にはビーズやプリズム・発砲ウレタンといった素材が用いられ、サザビーズ香港のオークションで5,000万円の値がついた「PIXCELL-GREATER KUDU」という作品にもビーズが使われています。

注目アーティストは、もちろん女性にも見られます。絹本に岩絵具という古典的技法による日本画で現代アートを描く松井冬子氏は、「美人すぎる日本画家」としても知られています。女性や幽霊、花などを描き、内臓など身体器官といったモチーフを得意とし、「痛み」を起点に、恐怖、狂気、ナルシシズム、性、生を絵画で追求しています。内臓がお腹からはみ出ていたり、骸骨に蛇が巻きついていたりと、その作風はグロテスクでありながら、多くの支持を集めています。

ユニークな自画像をテーマに、強烈なインパクトを持つ作品を手がけるのが松井えり菜氏。強烈な表情を画面いっぱいに描き(本人も頻繁に変顔を披露する)、顔のしわや吹き出物まで徹底的に描き、リアリティを追求するスタイルは、不気味なようでありながら、どこか可愛らしさを持ち合わせており、多くの人を惹きつけてやみません。積極的に個展やグループ展を開いているので、こまめにチェックしてみるとよいでしょう。

楽しみ、学ぶことが現代アートへの投資を成功させる第一歩

現代アートは投資の対象としても興味深いものです。新人や若手の作品なら、価格も比較的安めで、金融商品よりも平均してリターン率が高いともいわれます。先ほど名前を挙げたひとりである名和晃平氏の作品も、安定して価格が上昇しています。また、オークションではなく、ギャラリーやインターネットで気軽に入手できる点も魅力です。まずは有名なギャラリーに注目しておき、その中から有望なアーティストを見出すのがよいでしょう。

とはいえ、アートへの投資はかんたんなことではありません。アーティストへの投資という側面もあるので、損をすることもありえます。投資を成功させるには、まず現代アートに興味を持って、理解することが重要です。気に入った作品に出合い、アーティストのファンになり、応援しサポートする。このようなアートを楽しみ、学ぶ姿勢が、投資を成功させるポイントとなるでしょう。

「とっつきにくい」「わからない」と敬遠していた現代アート。しかし、私たちの世界観を一変させてくれる魅力をもっています。まずは楽しみ、親しむところから一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

文・J PRIME編集部

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