
モトリーフール米国本社、2020年1月5日投稿記事より
アマゾンの(NASDAQ:AMZN)Amazon Web Services(AWS)は、世界最大のクラウドプラットフォームです。
Gartnerによると、AWSは2018年にパブリッククラウド市場の48%のシェアを占め、世界的には22の地域にわたってサービスを提供しています。
多くのアナリストは、昨年16%のシェアで2位にランクされたマイクロソフトとAWSのライバル関係に注目しています。
しかし、8%のシェアで3位にランクされたアリババ(NYSE:BABA)との競合について議論するアナリストはほとんどいません。
実は、アリババのクラウド事業は2018年に売上高をほぼ2倍にし、アマゾンおよびマイクロソフトのクラウドプラットフォームの成長率を簡単に追い越しました。
アリババは、中国で最大のクラウドプラットフォームプロバイダーでもあります。
AWSのCEOであるアンディ・ジャシーが最近、日経新聞に「クラウド市場においてアリババが追いついてきている」と語ったのは驚くことではありません。
ジャシーは、アリババには「米国またはヨーロッパにおけるプレゼンスはない」けれども、中国ではライバルであると述べました。
Canalysによると、アマゾンは中国では9%のシェアで、同国のクラウド市場で4位にランクされています。
中国での状況を見ると、投資家はアリババがアマゾンよりも優れたクラウド株なのかと考えるかもしれません。
しかし、規模や収益性という単純な理由から、アマゾンがクラウドコンピューティング業界で長期的に覇権を握るものと思われます。
両社の違い:グローバル企業かドメスティック企業か
まず、AWSの先行者利益として、既に海外展開を果たし、その規模からコスト競争力を維持しています。
一方、アリババは、国内市場でテンセント、バイドゥ、AWSとの激しい競争に直面しており、海外に打って出る余力はあまりなさそうです。
第二に、アリババのクラウドビジネスは、中国の景気減速による影響を受けています。
アリババのeコマースビジネスは成長していますが、売上高の伸びは前四半期に減速しています。
この減速が続く場合、アリババはクラウドへの投資を抑える必要があるかもしれません。
一方、AWSは大規模投資を続ける余力があり、競争力をさらに伸ばしていけるでしょう。
文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
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