ノブレス・オブリージュ,公益活動
(画像=John Christian Fjellestad / Shutterstock.com)

社会貢献活動に取り組む富裕層は世界でも少なくありません。日本でもサントリーやベネッセの創業者などが芸術支援に取り組んでいます。そのときの母体となるのが「公益財団法人」で、税制優遇措置が設けられています。ただメリットはそれだけではありません。

公益財団法人は「公益性」の認定を受けた一般財団法人

日本で財団と言えば、「一般財団法人」と「公益財団法人」の2種類があります。

一般財団法人は事業に公益性がなくても設立可能な法人ですが、公益財団法人は事業の公益性が行政庁(内閣総理大臣か都道府県知事)に認定され、初めて存在できます。正確には「公益法人認定法」に基づいて公益性の認定を受けた一般財団法人のことを公益財団法人と呼びます。

公益法人認定法では、公益性があると解すことできる事業目的を23に分けて定義しています。1つ目から読んでいくと「学術及び科学技術の振興」「文化及び芸術の振興」と続いていき、全てに共通して「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するもの」であること求められています。

ノブレス・オブリージュ,公益活動
(画像=John Christian Fjellestad / Shutterstock.com)

5,000以上ある公益財団法人、目的は「児童育成」が最多

内閣府が2018年9月に発表した「公益法人の概況及び公益認定等委員会の活動報告」の2017年版によれば、2017年12月1日時点で公益財団法人は全国に5341法人あり、前回調査から33法人増えています。「サントリー芸術財団」や「ベネッセこども基金」も公益財団法人ですので、こうした中の一つに含まれます。

内閣府はこの報告で公益財団法人の事業目的についての統計も公表しています。事業目的として最も多く掲げられていたのは「児童等健全育成」で1,390法人という結果で、「文化及び芸術」が1,296法人、「地域社会発展」が1,242法人、「教育、スポーツ」が1,113法人と続いています。

公益財団法人設立のメリットは?

税制優遇を受けることができる

財団法人は個人や会社の財産を原資に設立され、その財産の運用や寄付金などで事業を行います。公益性の認定を受けて公益財団法人になった場合、税制上の優遇措置を受けることが可能になっており、税務・財務的なメリットとして挙げられます。

利子や配当などの分配を受ける場合には所得税が課税されなくなり、法人税が軽減される「みなし寄付金制度」も適用されます。また、個人や法人が寄付をした先が公益財団法人だった場合、その個人や法人の所得から寄付金の額に応じて一定額が控除されるようになります。

社会的信用を得やすく、ブランドイメージにも好影響

公益性が行政庁に認められていることから、社会的信用を得やすいこともメリットの一つに挙げられます。企業や個人からも協力してもらいやすくなり、寄付金なども集めやすくなるでしょう。

企業が公益財団法人を設立して活動する場合は、ブランドイメージに良い影響を与えることにもつながります。CSR(企業の社会的責任)活動の一環として財団を通じた取り組みを行っている企業も多くあります。個人の財産で公益財団法人を設立して公益事業に取り組む場合は、セルフブランディングにもつながるでしょう。

ノブレス・オブリージュという考え方、公益活動に使命感

「ノブレス・オブリージュ」という言葉をご存じでしょうか。日本語では「高貴なる義務」などと訳され、高い地位にいる人はほかの人々に対する責務を伴うという概念です。

こうした考え方から公益活動を「使命」ととらえ、社会貢献活動に取り組む成功者や富裕層は世界でも少なくありません。海外では、米マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏や米Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏の夫婦による社会貢献活動が知られています。

SNSなどの登場で、共感を呼ぶ取り組みの認知度は高まりやすくなりました。財団にとっては賛同者を集めやすい時代になったとも言え、こうした公益的な活動が日本で世界でより活発化することが期待されています。

文・J PRIME編集部

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