
モトリーフール米国本社、2019年10月9日投稿記事より
リセッション(景気後退)がいつ来るか、どれほど悪いかは誰にもわかりませんが、経済の減速を示す兆候が見られます。
投資家にとっては、長引く不況にも耐えられるポートフォリオを構築することが重要です。
リセッションに耐えられる業界があります。
それらの企業は通常、消費者が必要とする低コストの製品とサービスを提供しており、リセッションの時期においても安定的な利益をあげます。
そのような銘柄を紹介します。
なお、特に明記のない限り、数値は執筆時点のものです。
ダラー・ゼネラル
小売企業は全般的に「小売業の崩壊」に直面していますが、ディスカウントストアのダラー・ゼネラル(NYSE:DG)は例外です。
テネシー州を本拠地とするダラー・ゼネラルの本店は、30年近くにわたり売上が伸びています。
同社は、2019年だけで975の新しい店舗をオープンする予定であり、さらに1,000店舗を改装します。
第2四半期決算はアナリスト予想を上回り、既存店売上高が4%増加しました。
不況下でダラー・ゼネラルが好調を維持できる原因は、その低価格と品揃えです。高価なスニーカーや最新の家電製品は常に必要ではありませんが、石鹸、歯磨き粉などは生活するうえで必要なものです。
不況下でダラー・ゼネラルがさらに魅力的なのは、消費者が大量購買しなくて済むことです。コストコなどのホールセール・クラブでは、一括購入する必要があります。ダラー・ゼネラルでは、少量で購入できます。これは、リセッション時において、大きな差別化要因となります。
ダラー・ゼネラルの株価は予想PER(株価収益率)21倍で推移しています(12月24日時点)。
テラドック・ヘルス
ヘルスケア株は、不況時に持ちこたえられる傾向があるセクターです。
経済動向にかかわらず、医療サービスや医薬品の需要は底堅く推移します。
とはいうものの、医療費の上昇に伴い、雇用主と消費者は低コストの代替品を探しています。
そこで、オンライン診療サービスのテラドック・ヘルス(NYSE:TDOC)が登場します。
ニューヨークを本拠とするテラドック・ヘルスでは、患者は40ドルの定額料金でバーチャルドクターの診察を受けることができます。
患者はお金を節約することができ、医師の待合室で待つ時間を無駄にする必要もありません。
テラドックは遠隔医療市場で唯一のプレーヤーではありませんが、業界のリーダー的存在です。
同社の第2四半期の売上高は前年同期比38%増と好調でした。
バーチャルドクターへの合計訪問者数も増加しており、第2四半期には70%増加して90万人になりました。
不況下では、消費者と企業は、医療を含むすべての費用を節約したいと思うでしょう。
これはテラドックとその投資家にとって追い風になるでしょう。
テラドック・ヘルスの株価は、PSR(株価売上高倍率)11倍で取引されています(12月24日時点)。
マクドナルド
米国人はファストフードが大好きです。それは健康的であるとは限りませんが、安く、早く、簡単です。
不況下ではファストフードはより好まれる傾向にあり、マクドナルド(NYSE:MCD)はその恩恵を大きく受けるでしょう。
同社はアメリカ全土に14,428店舗、米国外に23,000以上の店舗を展開しています。
同社は、デジタルメニューボードを含め、より多くのテクノロジーを店舗に取り入れており、これらの投資が奏功しています。
第2四半期決算発表によれば、デジタルドライブスルーメニューが平均注文額を引き上げました。
そして、既存店売上高が前年同期比6.5%増加しました。
マクドナルドの株価は予想PER23倍で取引されています(12月24日時点)。
文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
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