空飛ぶクルマ,浮くバイク,実用化
(画像=Pavel Chagochkin/Shutterstock.com)

空中を自在に移動する乗り物が街を行き交う「エアモビリティ社会」。このエアモビリティ事業の一端が、早ければ3年後にもスタートするとみられています。実現すると社会はどのように変化するのでしょうか。続々と発表される業界プレーヤーの提携や、コンセプトモデル、実証実験の動きについて、見ていきましょう。

2022年には都市部でもドローン配送が当たり前に?

日本では2019年6月に閣議決定された「成長戦略実行計画」で、ドローン(無人機)による、都市部など有人地帯での目視外飛行(レベル4)の実現時期について2022年を目途とすることが決まりました。機体の安全性をはじめ、操縦者や運行管理者の技能確保、運航管理システムなど、エアモビリティ社会の実現に向けた各種制度設計の整備が進められています。こうした取り組みが進むと、まずはドローンによる配送が実社会で実現することになりそうです。

実際に各社がドローンによる配送業務の実現に取り組んでいます。楽天は2016年に千葉県のゴルフ場で配送サービスの提供を始めました。専用アプリで欲しいものを注文すれば、ドローンがゴルフボールやお菓子、飲み物などを指定した場所に届けてくれるというサービスです。楽天は2019年には西友と提携して、東京湾にある無人島「猿島」への配送サービスも開始しています。

ANAホールディングスも2019年にLINE FukuokaやNTTドコモなどと組んで、ドローンの配送サービス実現に向けた実証実験を福岡市西区の玄海島で、2路線同時に補助者なしの目視外飛行が行われました。

こうしたキャンプ場やゴルフ場、山間部などの無人地帯を中心とした配送サービスを通じて技術開発が進展すれば、都市部の有人地帯での利用も進むでしょう。そしてその先には品物ではなく人間を運ぶドローン「空飛ぶタクシー」が登場する見通しです。

開発進む「空飛ぶタクシー」

米航空・宇宙大手ボーイングは2019年1月に無人で飛行する航空機の試験飛行に成功しています。また、同社はドイツの自動車メーカー、ポルシェと組んで、垂直に離着陸する電気自動車のコンセプト作りを行うことを明らかにしています。米ラスベガスで今年1月に開催された世界最大級の技術見本市「CES」では、韓国の現代自動車と米ウーバーが提携して「空飛ぶタクシー」の実現に向けて協力することが明らかになりました。

日本でも、空飛ぶクルマや空飛ぶバイクの開発進む

日本でも、こうした空飛ぶクルマの開発は進んでいます。自動車や航空業界、スタートアップ関連の若手メンバーが集まった有志団体「CARTIVATOR」は「モビリティを通じて次世代に夢を提供する」ことを掲げて活動を行っており、活動の中には空飛ぶクルマの技術開発も含まれています。この団体から生まれたスタートアップが「SkyDrive(スカイドライブ)」で、2019年12月に有人機での飛行試験を実施しました。2023年の有人機の販売開始を目指しているそうです。同社の空飛ぶクルマは全長3,600ミリで定員は2人。バッテリーで稼働し、飛行速度は最高で時速100キロとのことです。

東京のスタートアップ企業、A.L.I. Technologiesは昨年の「東京モーターショー2019」で空飛ぶバイクともいえる「XTURISMO」を公開しました。スポーツカーを意識した形状ということで、滑らかな曲線で作られた車体が浮力や推進力を生み出すプロペラを包み込んでいるような外観です。同社は、会社の目標として、クルマやバイク、UAV(無人小型飛行体)が自由に空を飛び交うエアモビリティ社会の実現を掲げています。今回発表された空飛ぶバイクで、道路や山道はもちろん、水の上なども飛行することができれば素敵な体験となりそうです。

このように国内においても、ドローンや空飛ぶ車両の開発が着々と進んでいます。荷物の運搬はもちろんのこと、空中を自在に飛び回る乗り物が当たり前となる「エアモビリティ社会」の実現は、すぐそこにまで来ているのかもしれません。

文・J PRIME編集部

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