メガギャラリー,楽しみ方
(画像=Denis Linine/Shutterstock.com)

日本におけるギャラリーや画廊は雑居ビルの一室のこぢんまりとしたスペースをイメージするのではないでしょうか。しかし、世界にはメガギャラリーと呼ばれる美術館級の広さや内容を持つギャラリーが存在します。メガギャラリーと小規模ギャラリーはどちらにも魅力があります。それぞれの特徴と楽しみ方を紹介します。

作家と会える小規模ギャラリー

ギャラリーや画廊は美術作品を展示するスペースを言います。美術館は入場料を取り作品の販売を行わないのに対し、ギャラリーに入場料はありませんが作品を販売します。

日本最大のギャラリー街といわれる東京銀座には、小規模の貸しギャラリーが多数点在します。歴史ある老舗ギャラリーでは、有名作家の個展が催されます。また、若手の作家たちが数人で出展するグループ展も小規模のギャラリーや画廊ではよく目にする光景です。

個展やグループ展では、タイミングが良ければ作家本人に会うことができるのが小規模ギャラリーの魅力です。美術館で開催される一方通行のギャラリートークとは違い、作家との会話で制作過程の裏話や作品に込められた思いなど、興味深い話が聞けるかもしれません。世にまだ発表されていない新作が購入できるのも、お金に変えられないメリットと言えます。

また、偶然立ち寄った若手作家の展示で好みの作品との出会いがあるかもしれません。
このように、美術館では味わえない、作家と生の交流をうむのが小規模ギャラリーの醍醐味です。また、若き才能を発掘する楽しみもあります。

今や規模も内容も美術館化のメガギャラリー

世に作品が豊富に出回っている有名アーティスト「ブルーチップアーティスト」を多数抱え、国内外に多数拠点を持ち、年間の売上額が5,000万ドルを超える財力をもつ有名ギャラリーを通称「メガギャラリー」と呼ばれます。

主なメガギャラリーは、ニューヨークを拠点とした「ガゴシアン」「ペース」「デイヴィッド・ツヴィルナー」「ハウザー&ワース」などです。近年、世界主要都市への拡大を続けるとともに、ギャラリーの面積が美術館並みに巨大化しています。

スペースだけではなく、展示の面でも美術館化が進んでいます。近年は、有名美術館で活躍したキュレーターや美術史家が手がける企画展を開くことが、ひとつの潮流となっています。

ベテランキュレーターは、美術業界での信頼と人脈を武器にハイクオリティな作品を借りることができます。ギャラリーは、借りた作品の販売よりもハイレベルの展示で評価を上げることを目的とし、それを後のビジネス構築につなげています。

ブルーチップアーティストを取り扱うことは、ギャラリーにとって大きなビジネスになることは言うまでもありません。しかし、取り扱うにはアーティストの作品を管理する財団などと契約を交わす必要があります。その際に、美術館レベルの施設と企画展や教育的なコンテンツが、アーティスト側の信頼を獲得する重要な材料となります。

その他の特色として、ウェブサイトで取扱作家の周知活動やキュレーターや美術史家の寄稿記事など、ウェブ上でも内容の濃いコンテンツの導入や教育プログラムへ注力するギャラリーがあります。

また、展示作品のオンライン販売をするメガギャラリーもあります。デイヴィッド・ツヴィルナーギャラリーの、オンラインのプラットフォーム「ビューイング・ルーム」は、名前とメールアドレスの登録によって一部の作品の値段と販売状況を閲覧できます。2017年に開催した日本人アーティスト草間彌生氏の版画セールスでは、1万5,000から2万ドルの価格帯の作品が1週間で完売しました。

以前は、新規の客が作品の値段を聞き辛い雰囲気が強く、ギャラリーとのコネクションがなくては作品の購入が難しいとされていました。このようなメガギャラリーのオンライン販売の試みにより、ブルーチップアーティストなど有名作家の作品の購入ハードルが下がりました。かつては買えるチャンスがなかった人にも、買えるチャンスが広がりました。

あなたも未来のギャラリストへ

外国で活躍されている方やトップクラスの方は、必ずと言っていいほど家やオフィスにアートを置いているといいます。教養の一部としてアートに詳しい方が多いのです。そんな方々と接する中で会話が成り立つように、積極的にアートに触れる機会を取り入れてみてはいかがでしょう。

変わりつつあるアートビジネスの展開を踏まえ、あなたもアートコレクターへの道を目指してはいかがでしょう。

文・J PRIME編集部

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