再生可能エネルギー
(画像=Blue Planet Studio/Shutterstock.com)

モトリーフール米国本社、2019年12月11日投稿記事より

再生可能エネルギーの問題点は発電出力が一定ではないことでした。

太陽光発電は夜間は使えませんし、風力発電は無風では動きません。

このため、安定的な電力供給のためには、化石燃料などを使った発電所が欠かせませんでした。

しかし、過去数年間で蓄電設備の改良が進み、電力供給の一部を担うと考えられる水準まできています。

米国の電力会社や規制当局が蓄電設備を活用して収入を伸ばすことができれば、金融機関も資金を投じることができます。

遠くない将来、蓄電設備によってエネルギー業界が大きく変わる可能性があります。

蓄電設備で電力ピーク時の利用を低減

電力会社はピーク時の高コスト発電に頭を悩ませており、蓄電設備がそれを低減させる可能性があります。

たとえば、南カリフォルニア・エジソンの地域の場合、夏のピーク時の料金は1キロワット時0.38ドルですが、オフピーク時の料金は同0.13ドルです。

蓄電設備を使ってオフピーク時に充電してピーク時に利用すれば、0.25ドルの節約になります。

蓄電池の大きさにもよりますが、消費者にとって一日数ドルの節約になり、電力会社もピーク時の稼働率を低下させることができます。

その他にも、消費者や企業は蓄電設備を活用して電力料金を減らすことができます。

サンパワー(NASDAQ:SPWR)、サンラン(NASDAQ:RUN)、テスラ(NASDAQ:TSLA)は、家庭や企業の社屋に蓄電設備を設置して、電力料金を減らしたり、また、電力を送電網に売ることもできます。

以上の結果、蓄電設備のコストが十分に安ければ、蓄電設備への投資から利益を得ることも可能となるでしょう。

蓄電設備のコストも大幅に低下へ

蓄電設備のコストが1メガワット当たり数千ドルもかかる場合、巨額の設備投資が必要になり、電力会社や送電網は導入出来ませんでした。

しかし、ネクステラ・エナジー(NYSE:NEE)によれば、この10年でコストは10分の1になっており、来年には1メガワット時当たり8~14ドルに低下すると見込まれ、1キロワット時では約1セントほどです。

なお、現在の1キロワット時の平均発電コストは約13セント(一般消費者向け)です。

風力発電や太陽光発電と組み合わせることで、蓄電設備は大きな効果を発揮します。

ネクステラ・エナジーの推定では、2023年以降、風力発電と蓄電設備を組み合わせた場合の発電コストは1メガワット時20~30ドルで、太陽光発電と蓄電設備を組み合わせた発電コストは30~40ドルと予想しています。

なお、天然ガスの発電コストは30~40ドル近くと予想されています。

蓄電設備コストが低下して再生可能エネルギーとの合計コストが化石燃料発電コストに対して競争力を持った場合、蓄電設備への需要が高まります。

そして、電力企業やインフラ投資企業にとって、蓄電設備が投資対象になっていくとみられます。

電力会社など蓄電設備で収益化の方策を追求

電力会社やインフラ投資企業などが蓄電設備への投資に乗り出しつつあります。

ネクステラは、2019年から2022年にかけて、700~1400メガワットの蓄電設備を計画しています。

ブルックフィールド・リニューアブル・パートナーズ(NYSE:BEP)はかなり小規模にはなるものの10メガワットの蓄電設備への投資を開始しています。

風力発電および太陽光発電関連企業は、過去20年間の低金利(資本コスト)の恩恵を大きく受けてきました。

蓄電設備への投資も当面は低金利の恩恵を受けられるため、蓄電設備への投資が世界的に拡大すれば、電力業界の構造が大きく変わる可能性があります。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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