ファツィオリ
(画像=lev radin/Shutterstock.com)

スタインウェイ&サンズをはじめ老舗がひしめくピアノ業界で現在、多くの音楽家の支持を集め、注目されている新興ピアノメーカーがあります。1981年創業の「ファツィオリ(Fazioli)」です。3大ブランドに比べ歴史が浅いファツィオリですが、音色は超一流。今回は、その魅力に触れていきましょう。

老舗がひしめくピアノ業界

ピアノ業界では、スタインウェイ&サンズ(アメリカ)、ベーゼンドルファー(オーストリア)、ベヒシュタイン(ドイツ)が世界3大ピアノブランドと呼ばれています。いずれも19世紀に創業された長い伝統と実績を誇る老舗です。

1828年創業のベーゼンドルファーや1853年創業のスタインウェイ&サンズとベヒシュタインといった老舗は、長きにわたって改良を重ねた結果、名だたるピアノコンクールの公式ピアノに採用され、確固たる地位を築いていきました。

ファツィオリの誕生

ファツィオリ
(画像=Rugged Studio/Shutterstock.com)

ファツィオリの創業者であるパオロ・ファツィオリ氏は家具工場の家に生まれました。幼少のころから高い音楽の才能を示し、特にピアノに強い興味を示していたといいます。

家業を継ぐためローマ大学で工学学士の学位を取得後、ロッシーニ音楽院でピアニストとしての学位も取得しますが、卒業後は家業へ。設計・製造技術に自信をつけ、グランドピアノを作るプロジェクトに乗り出します。

研究の結果、最先端の音響と素材の研究から考案したさまざまな設計の改良を加えることで最高の楽器が作れると確信し、工場の一角にピアノ製造施設を設置しました。そして1981年にファツィオリ社を立ち上げ、音響学や木材加工の専門家らとともに実際の製造に乗り出しました。

ファツィオリのグランドピアノのラインアップは6種で、最も小型ながら力強くクリアな音質を誇る「F156」、低音域と高音域の絶妙なバランスでどのピアノ曲にもしっくりくる「F183」、演奏活動や指導活動などに理想的なサイズの「F212」、中規模のコンサートホールに適した深く力強い低音域を持つ「F228」、格別な低音域と高音域のバランスを誇り大規模なコンサートホールやレコーディング・スタジオなど万能にカバーする「F278」、大規模なコンサートホールのために設計された最大級の「F308」があります。

ファツィオリの信念は? 「4番ペダル」は特許を取得

ファツィオリはコンサート用のグランドピアノのみを作り、生産量を増やすよりも最高のクオリティを目指すこと、他の現存するピアノを真似ずに独自のサウンドを作ること、伝統的技術と最新鋭の技術を組み合わせて一つ一つ手仕事で作っていくこと、そして常に最先端技術を駆使してピアノの改良に励むことを信念に掲げています。

ファツィオリのピアノは35人の熟練した職人により手作りで製作されています。ピアノのケースである「リム」は高品質な無垢板のメープルやマホガニーを何枚も重ね合わせ、長い時間をかけてプレスすることで安定した品質を保っています。

また響板に使用する木材には、一般的なスプルースではなく、振動伝達に最も優れた赤トウヒが使用されています。特許を取得している「4番ペダル」は音色を変えることなく音量のみを小さくすることを可能にするなど、品質からメカニズムに至るまで随所にこだわりの製法や技術が盛り込まれています。

国際的なピアノコンクールでも公式ピアノに続々認定

こうして丁寧に作られたピアノからは、しっかりとした低音域を持ちながらも中音域も高音域も全くひけを取らない、上品で透明感のある音色が奏でられます。手作りによるきめ細やかな少数生産が個体差によるばらつきを生み出しにくいのも特徴と言えるでしょう。

国際的なピアノコンクールの公式ピアノにも続々と認定され、その評価は今なお上がり続けています。音楽家の方はもちろん観客の皆さまも、コンサートに使用されるピアノブランドにも注目すると、音楽の楽しさが一段と増すこと間違いなしです。

文・J PRIME編集部

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