芸術都市,バルセロナ
(画像=Mapics/Shutterstock.com)

スペイン屈指の美術館から130点が出品される「奇跡の芸術都市バルセロナ展」が、2020年2月8日~4月5日まで東京ステーションギャラリーで開催されます。アントニ・ガウディをはじめラモン・カザス、ピカソ、ミロなどカタルーニャが生んだ芸術家の作品が多数展示される予定です。こうした芸術家をはぐくんできた土壌は何だったのでしょうか。近代カタルーニャの歴史や芸術運動をひも解いていきましょう。

バルセロナ出身の芸術家は多い

カタルーニャ地方の中心都市で地中海に面するバルセロナは19世紀後半~20世紀前半にかけて数多くの芸術家を輩出してきました。例えば以下のような芸術家がいます。

建築家

・アントニオ・ガウディ
・リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネー
・ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルク

画家

・パブロ・ピカソ
・ジョアン・ミロ
・サルバドール・ダリ
・ラモン・カザス
・サンティアゴ・ルシニョル

こうした芸術家たちは、カタルーニャで高まったラナシェンサやムダルニズマ、ノウサンティズマといった文化・芸術運動のうねりの中で輝きを放ちました。

カタルーニャ文化の復興運動、そして近代主義へ

19世紀前半に自治権を失ったカタルーニャでしたが、その後交易や産業革命を通じて勢いを取り戻していきました。19世紀後半には街を取り囲む壁を取り払い都市整備と街の近代化が進展。その隆盛は豊かな中世の復興だと位置づけられカタルーニャ語や文化の復興運動ラナシェンサ(カタルーニャ語でルネサンスの意)が高まりました。

1888年には万国博覧会も開催。ラナシェンサで中世の懐古的な建築が出現する中、欧州で広がった植物模様や曲線美を特徴とする「アール・ヌーボー」の影響も受けた建物が登場してきます。そうした芸術運動をカタルーニャ語で近代主義を意味する「ムダルニズマ(Modernisme)」と呼んでいます。バルセロナ中心部グラシア通りにあり現在も人気の観光スポットとなっている建物はこのころに建設されたものです。

例えばガウディが手がけたカザ・バッリョー、ムンタネー設計のカザ・リェオー・ムレラ、カダファルク設計のカザ・アマッリェーなど、中世様式を模したりカラフルな外壁が特徴の建物が並んだりなど、今でも人々の目を楽しませています。

カフェ「四匹の猫」が芸術家の集う場に

19世紀末はパリが多くの芸術家を引きつけていました。カザスやルシニョルもパリで数年過ごした後バルセロナに戻りムダルニズマを盛り上げていきます。さらにパリにあったカフェ「シャノワール」に発想を得てバルセロナのムンシオー通りにあるカダファルク設計のカザ・マルティーの1階にカフェ「四匹の猫」をオープン。

そこでは展覧会や音楽会、雑誌の発行なども行われ芸術家が集う場となっていきました。あのピカソもカフェを訪れ個展を開きました。

ノウサンティズマへの移行

19世紀末以降、スペインの中央政府との対立が増したカタルーニャでは、自分たちの民族性を重視する思想が強くなりました。他の地域の影響を受けたムダルニズマから、この地域がかつて有していた地中海文明に回帰する「ノウサンティズマ(1900年代主義)」へ移行していきます。アンリック・クリストーフォル・リカルトやジョアキン・スニェールといった芸術家が、この運動を推進しました。

一方、ピカソやミロ、ダリはパリに進出しシュルレアリスムを主導する芸術家として活躍していきます。

当時のカタルーニャを感じよう

「奇跡の芸術都市バルセロナ展」では、ガウディのデザインした椅子、ルシニョルやルマー・リベラの絵画、リュイス・マスリエラのペンダントなど19世紀後半~20世紀前半のカタルーニャ出身芸術家の絵画や彫刻、家具、宝飾品など約130点が展示されます。会場は東京ステーションギャラリーで東京駅の丸の内北口ドームのそばにあり、アクセスは非常に便利です。

長崎、姫路、札幌、静岡と巡回してきた本展のフィナーレに足を運び、カタルーニャ芸術の魅力を実際に見て楽しんでみてはいかがでしょうか。

文・J PRIME編集部

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