環境保護
(画像=Pakhnyushchy/Shutterstock.com)

2019年度は「サンマが北上してこない」「イカが深刻な不漁」など 海に異変が起きていることを伝えるニュースが増えています。1990年ごろから2016にかけて世界の漁船漁業生産量は横ばい状態ですが、日本では減少傾向です。国内での漁業・養殖業の生産量は、1990年ごろのピーク時に比べて約3分の1までに減少しています。

環境や生態系に配慮

2015年に国連で、経済・社会・環境面で持続可能な開発のための国際目標として「SDGs」が採択されました。「SDGs」とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略です。全部で17項目あるうちの一つに「海の豊かさを守ろう」という目標があります。

これを機に「海のエコラベル」がついた食品をたびたび目にするようになりました。これらは「サステナブルシーフード」と呼ばれます。環境や生態系を壊すことなく「獲り過ぎない」「自然を傷つけない」方法で獲った水産物のことです。ラベルには、水産資源と環境に配慮した漁業で獲られた天然の水産物の証である「MSCラベル」と、環境と社会への影響を最小限に育てられた養殖の水産物の証である「ASCラベル」の2種類があります。

大手スーパーであるイオンでは、生鮮品だけではなくソーセージやちくわ、惣菜などの加工品でも、これらのラベルのついた商品を多数取り扱っています。サステナブルシーフードへの取り組みは世界各国で行われており、筆頭として挙げられるのがノルウェーです。漁師のライセンスの数を制限するとともに、科学的に割り出した漁獲量を漁船ごとに割り当てる制度を整えました。

また枯渇が危ぶまれていた大西洋クロマグロやミナミマグロは、国際間で漁獲枠を厳しく設定した結果、その数を大幅に増やすことができました。その一方で根強いマグロ信仰から、産卵期前のマグロを獲ってしまうなど日本の取り組みはまだまだ遅れているのかもしれません。大西洋クロマグロの数は規制によって回復しましたが、太平洋クロマグロは絶滅危惧種に指定されてしまっています。

広がる「サステナブル」な動き

「サステナブル」な取り組みは、水産物だけにとどまりません。楽天は2018年にサステナブルな商品のみを取りそろえた「EARTH MALL with Rakuten」をオープンしました。生産、流通、販売、使用、廃棄、リサイクルに至る過程で環境や社会、経済などへの影響に配慮して作られた商品やサービスを購入することを「未来を変える買い物」と定義し優先的に紹介しています。

またアディダスでは、2019年に「テイクバックプログラム」を開始しました。ドイツ・カナダに続き3ヵ国目の導入です。全国の直営店に「コレクターズ・ボックス」を設置し、使用済みの衣類やシューズ、バッグなどを回収しています。ポリエステル製品の再利用の他、セルロースは燃料、マイクロファイバーは断熱材に変えゴミの削減に取り組んでいるのです。

さらにアディダスでは、年間で約480万トンにも及ぶといわれる海洋プラスチックゴミを再利用した糸を材料に、スニーカーやスポーツウェアの製造も行っています。

企業でできること、個人でできること

サントリーホールディングスでは「サステナビリティ推進部」を設け、飲料メーカーとは切っても切り離せないペットボトルのリサイクルに取り組んでいます。同社では、2011年に日本で初めてペットボトルからペットボトルへリサイクルする技術を確立し業界全体をリードしてきました。

そしてプラスチック問題への関心が世界中で高まっていることを受け、2019年5月には「2030年までにグローバルで使用する全ペットボトルの100%サステナブル化を目指す」ことを発表しています。

企業や業界単位でサステナブルな取り組みを行っていくことはもちろん重要です。しかし個人で努力できることもたくさんあります。イオンやアディダス、サントリーホールディングスといった企業の取り組みから学び、消費者側の意識も変えていくことで、次世代に受け継ぐことができるようにしていきたいものです。

文・J PRIME編集部

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