ターゲット・イヤー型,投信
(画像=Dragon Images/Shutterstock.com)

老後の投資信託を調べていると「○○ファンド2030」、「○○ターゲットイヤー2025」という感じのラインナップが登場します。

金融機関の窓口ですすめられたり、投資信託の宣伝で見たことがある人も多いのではないでしょうか。

ターゲット・イヤー型の投信のセールストークでは、

  • 忙しくて時間のないお客様にピッタリ。プロが運用してくれます!
  • 年代ごとに適したリスク配分で運用するので安心です!

という旨のことを言われるかもしれません。

確かにセールストーク通りではあるのですが、デメリットや落とし穴があります。

本記事ではターゲット・イヤー型投信のデメリットにスポットを当てます。

ターゲット・イヤー型ファンドとは?

ターゲット・イヤー型ファンドとは、目標とする年に向かって最初はリスクをとった積極投資を行い、少しずつ安定運用の割合を高めていくファンドのことです。

一般的には退職する年代をターゲットにしたファンドを買い、老後に向けて資産形成を目指します。

若いうちはリスクをとれるけど、シニア世代に近づくに連れてリスクをとるのは危ないから安定運用に切りかえていこうという性質です。

確かにターゲット・イヤー型ファンドは手堅いファンドのように思えます。

ターゲット・イヤー型ファンドは年々本数が増えており、注目されてはいますが、中身をしっかり見極めデメリットを理解してから買っても遅くはありません。

ターゲット・イヤー型ファンドの中身

ターゲット・イヤー型ファンドの中身はファンドによって異なりますが、一般的には、

  • 国内債券
  • 国内株式
  • 外国債券
  • 外国株式

これらを中心に構成されています。

ただしポートフォリオの比率がターゲットイヤーに近づくほど、比率がリバランスされ、日本株・外国株が多めの比率から国内債券の比率を引き上げていきます。

わかりやすく言えば「株投資」から「債券投資」に移行していくのがターゲット・イヤーファンドの特徴です。

ターゲット・イヤー型ファンドの4つのデメリット

ターゲット・イヤー型ファンドは、株投資から債券投資にターゲットの年が近づくとリバランスしていく性質があります。

しかし、ターゲット・イヤーを固定的に決めてしまうことで、市場に合わせた柔軟な運用ができないという弱点があります。

また長寿社会で老後が想定より長くなる可能性もあり、10年後、20年後を現在の常識で決めつけてしまっているところにも問題があります。

リスクをとるべきときにリスクをとれない

ターゲット・イヤー型ファンドはリスクをとるべき時にリスクをとれません。

例えばシニア世代だった時期がたまたま市場の上昇相場だとしたら、債券ばかりのポートフォリオではインデックスファンドの方が資産を伸ばせます。

市場は誰かのライフプランに合わせて都合よく動きません。

若い時が株の暴落期でシニア世代になって株価が上昇してしまうこともあります。

リスクの高い運用をしている若い時期に株価が暴落して大きな含み損を抱えてしまうと、後の債券中心のポートフォリオでは損を取り返すことも難しいでしょう。

ターゲット・イヤー型ファンドはリスクをとるべき時期にリスクオン、とるべきではない時期にリスクオフと柔軟に動けません。

老後が想定通りに訪れるとは限らない

ターゲット・イヤー型ファンドでは10年後、20年後とかなり先を目標の年に設定して運用を行います。

ですが、現役時代が想定以上に長くなることもあれば、転職や失業など思わぬライフイベントが突発的に起きることも考えられます。

ターゲット・イヤー型のファンドは、株中心のポートフォリオが債券中心に設定された年に向けてリバランスされていくだけです。

インデックス投信に比べ信託報酬が高め

ターゲット・イヤー型ファンドは、インデックス・ファンドよりも信託報酬、つまり持っているだけでかかる手数料が高めに設定されています。

インデックスファンドならば、信託報酬は安いもので0.1%台のものもあります。

一方、ターゲット・イヤー型ファンドの信託報酬は、安くなってきたとはいえ0.3%以上から1%台とインデックスファンドに比べると高めに設定されています。

長期運用のつもりで買っても償還される可能性もある

ターゲット・イヤー型ファンドは長期保有が前提です。

しかし過去には2030年をターゲットにしたファンドが繰り上げ償還されてしまったケースもあります。

ファンドが資金を十分に集められず採算があわないため、ファンドそのものが清算されてしまうこともありえます。

逆に言えばターゲット・イヤー型ファンドを長期保有したい場合は、受益権口数を見比べてみて極端に少ないファンドは避けておいた方が無難です。

株投資は長期投資をしてこそ複利の力が働く

ターゲット・イヤー型ファンドは設計上、株を債券にリバランスしていきます。

しかし国内の債券の利回りが2%もいかないのに対して、アメリカの市場平均株価は1年で平均6.5%〜7%のリターンが期待されています。

そして株投資は複利の力で時間をかければかけるほどリターンが大きくなる性質があります。

ターゲット・イヤー型のファンドでは債券にリバランスしていくため、株投資の長期運用の強みを生かせないという弱みがあります。

ターゲット・イヤー型ファンドを放ったらかしにしない

ターゲット・イヤー型ファンドのデメリットに本記事では焦点を当てました。

放ったらかしにしておけるのがターゲット・イヤー型ファンドのメリットではありますが、定期的に自分で確認することをおすすめします。

例えばターゲットの年に到達して定期預金になるタイプのファンドならば、信託報酬を無駄に負担して銀行に預けているのと同じ状況になりかねません。

放ったからかしにせずに毎年1回でもいいのでポートフォリオの見直しをしましょう。

自分の預けた大切なお金がどうなっているのかは最低限、把握しておくべきです。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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