
インデックス投資とは、単一の会社の株をそれぞれに選んで購入する、いわゆる個別株と違い、たくさんの銘柄を幕の内弁当のように詰め込んで、まとめてセットで購入できる商品のことです。
正解が無いと言われている投資の世界において、初心者にとって、インデックス投資は一つの最適解とも言われています。
特に、米国S&P500に連動した投資信託は非常に人気の商品です。
今回は米国株S&P500インデックス投資を例にして、インデックス投資の魅力を改めて確認し、インデックス投資を失敗させないために注意すべき点を、メリットとデメリットを解説しながら紹介していきます。
S&P500インデックス投資のメリット
日経平均やTOPIX、S&P500やダウ平均などの株価指数に連動した値動きを目指す投資手法のことをインデックス投資と言います。
インデックスの最大のメリットは、過去の株式市場の歴史を紐解いてみても、いわゆる個別株を売り買いするアクティブファンドよりも一貫して高いリターンをあげてきたことです。
インデックス投資とは平均的なリターンを狙う投資法です。
平均と聞くと、あまり大したことない印象を受けるかもしれませんが、過去の実績から分析するとS&P500連動の投資信託を20年間保有した場合、最低でも年利7%程度で、これは投資の世界では十分すぎるほどの利率です。
また、資産運用の世界では、この平均を上回る成績を残すのは至難の技と言われています。
なぜなら、平均を上回るためにはアクティブ運用をしなければならず、その場合高いコスト(運用手数料と取引手数料)がかかってしまいます。
そのため、全体として比較するとアクティブ運用はインデックス運用より利益率が劣る傾向があるのです。
米国においても、過去40年でアクティブファンドの7割は、S&P500インデックス投資よりも成績が悪かったという結果は残っています。
もちろん数少ないですが、インデックスに勝てるアクティブファンドはあります。
しかし、そういうファンドは少数であり、勝てるアクティブファンドを事前に予想するのは不可能とも言えるでしょう。
次に、インデックス投資は税法上有利、ということがメリットとして挙げられます。
アクティブ運用では、株を売り買いするときに利益が上がった場合は当然、税金がかかります。
しかし、S&P500をはじめとするインデックス運用では利益は再投資に回されるので、売り買いしないため運用中は無税になります。
また、少額で広範囲に分散投資が可能ということです。
以前は投資や資産運用は富裕層のためものでしたが、金融法制度が整備され、様々な金融商品が生まれる中で、少額から投資可能なインデックスファンドが生まれました。
例えば、日本の任天堂株を購入しようとすれば、最低でも400万円の資金が必要になります。
S&P500であれば米国の代表的な500銘柄をわずか百円単位から購入することができるわけです。
しかも500社に分散投資しているので、1社が仮に倒産してしまったとしてもリスクを軽減できているのです。
さらに、インデックス投資は難しい知識は必要ない、というメリットもあります。
個別株の売買や、不動産投資やFX取引など、専門的な知識が必要な投資に比べて比較的初心者でも参入しやすくなっています。
最後に、インデックス投資は時間を取られない、というメリットがあります。
個別株の売買であれば、日々株価チャートを分析したり企業の業績を調べたり大変な手間と時間が取られますが、S&P500インデックス投資であれば、ひたすら米国の代表的500社の企業に投資し続けるだけの、ある意味ほったらかしの投資手法になります。
S&P500インデックス投資のデメリット
ではデメリットはなんでしょうか。
一つは、S&P500インデックス投資は他のインデックス投資と比較するとリターンも大きいですが、リスクも大きい、ということです。
タイミングにもよりますが、最大で投資額の50%程度の減額は起こりえる可能性があります。
ですので、自分のリスク許容度(年齢、資産、収入、投資経験、生活レベルなど)を正確に把握しなければ、不況時にパニックになってしまう可能性があります。
毎年確実にリターンが得られるわけではなく、過去数十年で見た場合、トータルすれば7%前後の年利率があるということですので、年度によってはマイナスの年も十分にあり得ます。
資産が目減りする時期もあるので途中で売却したり、積立投資をしていた場合であれば積立を中断してしまったりすれば、利益を得られない可能性が高いのです。
そして、インデックス投資では日々のキャッシュフローが増えないという点です。
インデックス投資は配当金があるわけではないので、数字上の資産は増えていったとしても、生活が楽になる実感は得難く、豊かになるために投資をしているはずなのに資産の増額を実感しずらいというデメリットはあります。
しかし、これはメリットの部分で解説しましたが、増額分を再投資に回しているためであり、むしろ手数料や税金を考慮すると効率が良い、ということになりますので、きちんと理解していればデメリットに感じることはないかもしれません。
文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
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