美術館,オープンラッシュ
(画像=Radu Bercan/Shutterstock.com)

もうすぐ2020年。東京オリンピック、パラリンピック開催の記念すべき年に、日本全国でたくさんの美術館がリニューアルや新規開館を迎えます。その中で、ブリヂストン美術館のリニューアルで2020年1月に開館する「アーティゾン美術館」と、石川県金沢に移転しオリンピック開幕前のオープンを目指す東京国立近代美術館工芸館を中心に紹介します。

老舗美術館が新時代へ:アートティゾン美術館

ブリヂストンの創業者、石橋正二郎が収集した美術作品を展示するため、1952年に開館したブリヂストン美術館が、「アーティゾン美術館」として2020年1月18日にオープンします。2019年7月に完成した「ミュージアムタワー京橋」の1〜6階に入居し、展示室は3フロアで、面積は旧美術館の約2倍となります。

60年以上の歴史を誇る旧美術館のDNAを引き継ぎながら、鑑賞だけではなく「創造を体感」する場を提供することを目指します。館名「アーティゾン(ARTIZON)」は、「ART」と「HORIZON」を組み合わせた造語で、「時代を切り拓くアートの地平を、世代や国境を越え、多くの方に感じ取ってほしい」との意味が込められています。コレクションはこれまでの日本近代洋画、印象派、20世紀美術に加え、新たに古美術、現代美術へと視野を広げたものとなります。

石橋財団コレクションの総数は約2,800点に及び、新収蔵作品は絵画など184点、芸術家の肖像写真約1,200点となっています。草間彌生やマルセル・デュシャンなどの現代美術、印象派ではベルト・モリゾやメアリー・カサットなど女性画家4人の作品が新たに収集されました。スイスの前衛画家パウル・クレー、抽象絵画の父、キュビスムの画家などの作品も加わっています。初公開作品も披露される開館記念展にも期待が高まります。

東京国立近代美術館工芸館が金沢へ:国立工芸館

東京国立近代美術館の分館として1977年に開館した東京国立近代美術館工芸館が、東京五輪開催前に石川県金沢に移転し、「国立工芸館」として開館します。日本海側初の国立美術館が誕生することになります。

現工芸館では、陶磁、ガラス、漆工、木工、竹工、染織、人形、金工、工業デザイン、グラフィックデザインなど、近現代の工芸、デザイン作品を展示していますが、所蔵作品の7割にあたる約1,900点が金沢に移されます。登録有形文化財の「旧第九師団司令部庁舎」「旧金沢偕行社」が工芸館として活用される予定です。

「ひまわり」のある新宿のランドマークがリニューアル:SOMPO美術館

日本初の高層階美術館として1976年に開館した新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館が、「SOMPO美術館」として生まれ変わります。損保ジャパン日本興亜本社ビルの敷地内に美術館棟が新設され、2020年5月28日にオープンする予定です。

1987年に当時の安田火災海上保険が、ゴッホの「ひまわり」を絵画取引史上最高額の53億円で購入し、同館はアジアで唯一「ひまわり」を鑑賞できる美術館として親しまれてきました。SOMPO美術館では、作品をより身近に感じられる方法で常設展示されます。

開館記念展がIとIIの2会期で行われた後、2020年10月より展覧会「ゴッホと静物画-伝統から革新へ-」が開催されます。

大阪の中心地に:大阪中之島美術館

大阪と世界の近現代美術をテーマとする「大阪中之島美術館」が、構想から30年以上を経て2021年度をめどに開館予定です。大阪の実業家による収集作品をはじめ、モディリアーニや佐伯祐三の作品など5,700点を所蔵します。

まちとのつながりを意識した同館の館内には、全フロアを縦に貫く吹き抜けや、パリなど欧米都市にみられるようなオープンな屋内空間「パサージュ」が設けられます。コレクション展示室には、戦後関西で生まれた「具体美術協会」の活動を紹介する「グタイピナコテカルーム」が設置される予定です。

文・J PRIME編集部

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