住宅購入時に多くの方が利用する住宅ローン、貸出件数は日本全国で896万件、累計残高は160兆円に達します。つまり1,000万人近くが、平均約2,000万円を借りている計算です。そして契約数の実に8割が団体生命信用保険、いわゆる団信に加入しています。

ローン契約時以外には意識することの稀な団信、この記事ではその機能・保障内容・保険金支払い条件、他の保険と比較したメリット・デメリット等について解説します。

意外と充実している団信の特約

団体生命信用保険とは、ローン契約者が不幸にも亡くなった場合またはガン・心筋梗塞・脳卒中などの高度障害に陥った場合に、住宅ローンの残高に相当する金額を保険金として金融機関に支払い、その後の弁済を免除する保険です。

特約に関しては、ガンのみを適用範囲としたものから、3大疾病を含むもの、さらには8大疾病(3大疾病&糖尿病・高血圧・腎不全・肝硬変・膵炎)による就業不能をカバーしたものまで、さまざまなバリエーションが用意されています。

団信と聞くと、「保険金はローンの弁済免除だけ」というイメージを描きがちです。実際以前はそうでした。しかし最近の特約ではそれだけでなく、入院一時金給付までメニューに加えています。

さらに最近は、一部の金融機関で既往症(現在は治っているが以前かかったことのある病気)でも加入できる保険商品を取り揃えています。

ここ数年、各金融機関は保険会社と連携して、団信の特約内容充実を競っているのです。

保険料は金利に上乗せ

一般的な生命保険は、保険料を毎月または一括で支払いますが、団信の場合は金利に上乗せされます。上乗せ幅は金融機関や保険内容によっても異なりますが、0.20%~0.30%といったところです。

借入金額3,000万円・借入期間35年として、上乗せされる保険料相当分は月額3,000円から4,500円です。

一般の生命保険と比べると、どうでしょうか?保険会社・保障内容・加入時期等によってばらつきはありますが、3大疾病特約付保険(診断一時金1,000万円)の掛け捨て型なら、月額8,000~12,000円ほどです。

単純な比較は難しいですが、団信は比較的「お得な保険」と呼べるのではないでしょうか。

団信加入の注意点

団信加入に当たっては、いくつか注意しなければならないポイントがあります。

既往症がある場合

以前は既往症があると、団信に加入できないケースも少なくありませんでした。最近は多くの金融機関が既往症の特約を用意しているので、心配せずに済むようになりました。

ただし、既往症は必ず告知しましょう。借入金額が5,000万円以下なら医師(保険会社指定)の診断書不要のケースは多いですが、あとでウソがばれると保障を受けられない可能性があります。

団信保険で保険金が支給されないケースのカバー

団信でも3大疾病特約だけだと、他の疾患(成人病など)やケガにより就労不能に陥った場合には保険金が支払われません。

こうしたケースについても、最近の団信は特約を用意しています。ただし、付保範囲を広げれば当然上乗せ金利も増えます。金利負担と将来保障のバランスに関しては、家族ともよく話し合ったうえで判断しましょう。

加入済み生命保険・医療保険を見直す

住宅ローン契約時点で、既に一般の生命保険・医療保険に加入している場合、団信は加入済み保険に上積みされることになります。例えば住宅ローンが4,000万円で団信契約、その他に2,000万円の保険に加入している場合、保険金額は合計で6,000万円にもなります。

これからは住宅ローンを返済していくわけですから、ここは加入済み保険を見直し、保険料負担を抑えるべきでしょう。

金融機関が用意している特約をじっくり確認する

例えば団信の3大疾病特約も、金融機関によって保障内容は微妙に異なります。例えば脳梗塞・心筋梗塞について、金融機関の多くは「所定の症状が60日以上続くこと」を支払い条件としていますが、三菱UFJ銀行は「入院した」ら保険金が支払われます。

こうした補償内容を確認しておくことは、大切です。

マンション探し、家具購入、ローン契約とあわただしい中で団信は見落とされがちですが、生命保険の1つであることに変わりはありません。住宅ローン契約にあたっては、団信もしっかり吟味することをおすすめします。

文・J PRIME編集部

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