体,美容,油
(画像=jazz3311/Shutterstock.com)

「油=太るもの」と認識している人も多いでしょう。油のエネルギーは1グラムあたり9キロカロリー(kcal)。同量の炭水化物、たんぱく質がそれぞれ4キロカロリーですから、確かに重量あたりのエネルギーは高めと言えます。だからといって、油だけが太る原因と考えるのは間違いです。

油は消化吸収に時間がかかります。つまり「腹持ちがいい」ということ。適度に摂取すれば、逆にダイエットの味方にもなります。さらに最近では、体脂肪として蓄積されにくい油や、中性脂肪を下げる効果のある油など、体への嬉しい効果が期待されるものが一般的なスーパーマーケットにも並ぶようになりました。

体脂肪として蓄積されにくい油がある?!

一時期ブームとなったのが「ココナッツオイル」。文字どおりココナッツから抽出した油で、「中鎖脂肪酸」という成分を豊富に含みます。中鎖脂肪酸は分解されるスピードが速く、一般的な油の4〜5倍の速さでエネルギーになります。つまり、体脂肪としても蓄積されにくいということ。こういった背景から、モデルやハリウッドセレブなどが愛用していました。しかし、ココナッツオイルは香りに癖があるため、料理に使いにくく、摂取方法が限られてしまうのが難点でした。

そこで登場したのがMCTオイル。MCTとは「Medium Chain Triglyceride(中鎖脂肪酸)」の略で、同じくココナッツに由来する油ですが、ココナッツオイルには中鎖脂肪酸が約60%含まれるのに対し、MCTオイルは100%。また、製造過程で無味無臭になるため、どんな料理にも使えます。さらに、ココナッツオイルは、低温になるとバターのように固まってしまうのが欠点でしたが、MCTオイルはさらさらのまま。あらゆる面において、優れた油なのです。

このように都合のよい話ばかり聞くと、「逆に体にデメリットがあるのでは?」と不安になってしまいますが、MCTは40年以上にわたり、未熟児や消化器系の手術を行って油の消化吸収が低下した患者などへの栄養補給時に使用されてきました。また、高齢者の低栄養状態の改善にも利用されています。このように、医療・介護現場でも長年利用されているため、そのような心配はまず無用と考えてよいでしょう。

積極的に摂りたいオメガ3

体のために積極的に摂りたい油は他にもあります。数年前から「EPA(エイコサペンタエン酸」「DHA(ドコサヘキサエン酸)」という言葉をよく聞くようになったと思いませんか。

EPAは血液の流れをスムーズにし、DHAは脳や脳の神経の発達との関わりが研究されています。オメガ3と呼ばれる脂肪酸に分類されるα-リノレン酸から作られるもので、これらは体内で合成できず、食物から摂取する必要があります。さば、さんま、いわしなどの青魚に多く含まれますが、食生活の欧米化や漁獲量の減少などから、口にする機会が激減してしまいました。

そこで注目されているのが、オメガ3を含む植物由来の油。具体的には、アマニ油、エゴマ油、シソ油などです。たとえば、アマニ油には、小さじ1杯あたり約2.6グラムのオメガ3が含まれ、これだけで国が定める摂取の目安量(1日あたり成人男性が2〜2.4グラム、成人女性が1.6〜2グラム)をらくらくクリアすることができます。

近年、オメガ3に関する研究はどんどん進んでおり、「血中の中性脂肪を下げる」「血栓ができるのを防ぐ」「高血圧を予防する」などの報告が上がっています。ただ、オメガ3は不安定で、熱、光、空気などに触れると、すぐに酸化してしまいます。加熱調理に向かないので、サラダなどに直接かけて食べるようにしましょう。

目的に合わせて油を選ぶ

もちろん、油を摂りすぎれば太りますし、菓子、パン、カップラーメンなどに含まれるオメガ6系のリノール酸の過剰摂取は、血液をどろどろにし、がんや心筋梗塞などのリスクにもつながります。しかし、賢く選べば太ることなく、健康維持にもひと役買ってくれるものです。これから油は「選んで」食べる時代。目的に合わせながら、毎日の食事に上手に取り入れましょう。

文・J PRIME編集部

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