5G,社会,到来
(画像=TippaPatt/Shutterstock.com)

次世代ネットワーク5Gがネットワークの世界を大きく変えようとしています。現在の通信規格である4G LTEではインターネットやゲーム、動画の視聴など、使用範囲は個人にとどまっていましたが、5Gではそれに医療、自動車など、業務用機器にまで影響が及びます。いよいよ本格スタートが2020年に迫った5Gは現在の社会にどんな変化をもたらすのでしょうか。

5Gは次世代ネットワークとされ、1G、2G、3G、4Gに続く、第5世代移動通信システムになります。4Gの通信速度が225Mbps〜。5Gは3.2Gbpsと20倍。超高速通信に加え、5Gは低遅延と多数同時接続という特徴も持ちます。低遅延では4Gに比べ10分の1、同時接続数では10倍という驚異的な進化を遂げます。

高速、大容量、低遅延という特徴を持つ5Gは、あらゆるジャンルにおいて活用が期待されています。その1つが自動運転です。自動運転では、運転状況や、周囲の環境、交通情報など、車に関するさまざまなデータが送られます。サーバではそれらのデータを統合し、判断して、個々の車にフィードバック。この流れからもわかるように膨大なデータのやり取りが発生します。

5Gでは、大容量の高速通信をいかして膨大な量のデータのやりとりをサポート。KDDIが実施した5G自動運転車の実証実験では、自動運転車に遠隔監視と遠隔制御のために必要となるカメラも、4Gの通信環境では映像伝送が約5Mbpsに制限されていたのに対し、1台で4Mbps相当のフルHDカメラを5台、30Mbpsの4Kカメラを1台搭載。従来比で10倍となる大容量映像を、短い時間で伝送することに成功しています。

5G時代を見据え、大きな変化を遂げようとしているのが、放送環境です。日本では2018年末に4K、8Kによる高精細放送が開始されました。高解像度化とともにデータ量も増加。新4K8K衛星放送では、今までとは異なる「高度広帯域伝送方式」と呼ばれる方式を用い、送信しています。伝送に新たな方法が用いられるのはライブ伝送も同様です。ソフトバンクとシャープは、5Gを活用してマルチアングルライブ配信する実験に成功しています。

これは、2台の8Kカムコーダで撮影されたバスケットボールの試合映像を、ソフトバンクの光回線と5Gネットワークを通して遠隔のスタジオにリアルタイム伝送し、高精細8Kモニターを接続したパソコンで視聴するというもの。試合映像をよりリアルタイムに配信できるほか、視聴するデバイスで視点を選択するマルチアングルにも対応できたとしています。

大容量、超高速の5Gは人手不足にも一役買う

企業向けの分野での活用も5Gは期待されています。KDDIとパナソニックでは、駅のホームにおける5Gの活用を検討中です。4K映像をリアルタイムに伝送、収集、分析し、早期に危険を察知できるというわけです。現在のモバイル環境では、大容量データの伝送が難しく利用は困難でしたが、5Gの大容量、超高速伝送を使うことにより、今までできなかったことが可能になります。すでに実証実験も終えており、ロボットに搭載した4Kカメラの映像を、5Gを通じてモニターやVRゴーグルに送信したり、2K映像では発見できなかった刃物を検知したりといったことを実現。駅ホーム全体の安全安心を効率的に見守れます。

同様に、建設現場における安全活動にも5Gが役立つようです。大成建設とソフトバンクは、建設機械の自動運転と精細映像伝送の実証実験を実施。建設現場での省人化を見据えています。建設機械の自動運転では、制御システムとの間で映像データや操縦指示など、多くの情報が送受信され、無線通信システムの構築が必須。

今まではその多くでWi-Fiを活用していましたが、通信速度、容量不足、限定されたカバーエリアと課題が残りました。大成建設とソフトバンクは、ソフトバンクが開発した、局地的に電波品質の高い5Gを提供できる可搬型設備「おでかけ5G」を使い、建設機械の連携を実現しています。

開始を目前に控えた5G。スマートフォンで映像配信サービスなどが見やすくなるといった個人レベルの有益性はもちろん、社会インフラを便利に、安全に、使いやすくすることに役立てられる日が近づいています。

文・J PRIME編集部

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