酉の市,浅草
(画像=PIXTA)

酉の市は「酉の日」に行われる祭りで、酉の祭(とりのまち)、大酉祭(おおとりまつり)、お酉様(おとりさま)とも呼ばれます。神社には縁起熊手を売る露天が並び、購入時の手締めは年末の風物詩ともなっています。特に、浅草酉の市は、インバウンド観光客も相まって、国際色豊かになりそうです。

酉の市が立つ「酉の日」

酉の市は11月の酉の日に立つ市です。「酉」は十二支の一つで、年単位で巡るのと同様に日単位でも割り当てられているのをご存じでしょうか。暦の関係で11月の酉の日が 2回ある年と 3回ある年があり、2019年は11月8日が一の酉、20日が二の酉となり、計2回の年に当たります。

東京やその周辺地域にある日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀る神社で行われ、縁起を呼び込む熊手を売る露店が並びます。江戸時代から続く酉の市で有名な浅草の鷲神社では、午前0時の一番太鼓とともに市が始まり、終日お祭りが続きます。

熊手、八つ頭――神社に伝わる様々な縁起物

社伝によると、日本武尊が東夷征討を遂げた帰り道、神社前の松に武具の「熊手」をかけて勝ち戦を祝い、お礼参りをしたのが11月の酉の日だったそうです。この日を例祭日と定めたのが酉の祭、「酉の市」となりました。

一方、東京目黒の大鳥神社の酉の市も、浅草と並んで江戸時代に始まりました。神事では、熊手のほかに「八つ頭の芋」も供えられます。これは里芋の一種で、子芋が分球せず頭が8つ固まっているような見た目から付いた名称で、日本武尊が東征の際に八族の各頭目を平定した業績を具象化したものだそうです。また、熊手は焼き討ちの災難を防いだ道具として使われたと伝えられています。

こうした起源を持つ熊手や八つ頭が、縁起物として人気を集めてきました。

華やかな熊手、昔は違った?

現在の露店に並ぶ熊手は、福の面をはじめ様々なデザインが施された華やかなものです。しかし鷲神社によれば、江戸時代の縁起熊手は今ある形とは大分違ったようです。

安藤広重の錦絵をみると、竹がすっと伸びた大熊手が描かれていて、しめ縄などに垂らす紙「四手(しで)」が付いていて、神仏がやどるお守りとしての性格が強く出ていたそうです。さまざまな飾り物がない分、熊手のツメの部分がはっきりと見えて、しっかりと運を取り込む力強さが感じられる形状となっています。

買い方の「粋」を楽しむ

酉の市での買い物と言えば、やはり店の人との掛け合いが醍醐味でしょう。熊手なら数多くの熊手屋さんが様々なデザインを競っていて、小ぶりのものから大きなものまで、価格も1,000円程度~数十万円まで色々とそろっています。じっくり眺めて狙いをつけてから、最初は予算より少なめの金額を伝えるのがいいでしょう。
そこからはお店の人との丁々発止のやりとりを楽しみながら、駆け引きです。うまく値切れれば御の字ですが、昔は値切った金額を店側に祝儀として渡すと粋だとされてきました。

商談が成立すれば、家内安全、商売繁盛を祈ってお店の人が手締めをしてくれます。店によって手締めのやり方も異なり、さまざまな店を巡りながらその声と手拍子を聞くのも楽しみの一つ。

新しく買った熊手は神棚などの高い位置に祀りましょう。

外国人向けの情報も充実

こうして日本人が昔から楽しむ酉の市ですが、今は日本政府観光局から民間企業のガイドまで、酉の市を紹介する外国語ページが増えてきました。開催場所や熊手の露店の紹介、酉の市の起源まで、ありとあらゆる情報が海外に発信されています。

訪日外国人客の数は2018年3,100万人を突破し、外国人の目は日本古来の祭りや市にも向き始めています。威勢のいいかけ声が昼夜を通して響き、華やかな熊手のみやげに店の人との掛け合いも楽しめる酉の市。今後さらに多くの外国人観光客を惹きつけていくことでしょう。

文・J PRIME編集部

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