永遠,命,ミイラ
(画像=Jaroslav Moravcik/Shutterstock.com)

エジプトやヨーロッパ、南米など、さまざまな場所にミイラは存在しています。ミイラは永遠の命を願う人類共通の願いが結実した姿ともいえるかもしれません。

国立科学博物館(東京都台東区)では2019年11月から特別展「ミイラ~永遠の命を求めて」がスタートします。人工的に作られたミイラから自然にミイラとなったものまでさまざまなものを展示。ミイラの文化的・学術的な価値を伝えるために、世界各地のミイラをはじめ、その背景にある文化も紹介します。

ミイラづくりは古代エジプト以外に日本や南米でも

一般的にミイラとは、自然に、もしくは人工的な防腐処理などが施されて乾燥した死体を指します。死体の腐敗が始まる前に体内の水分量が50%以下となると細菌の繁殖がおさえられてミイラ化するとされます。ミイラ化した死体は、乾燥した状態で保管されれば、筋肉や皮膚、血管などが長期間にわたって原形をとどめるそうです。人工的にミイラを作り出す場合、死体から脳や内臓といった水分の多い部分を取り出し、空いた空間には樹脂やおがくずなどを詰めて、死体を乾燥させる手順が取られます。

人工的なミイラ作りは古代エジプトが有名ですが、ヨーロッパや南米アンデスなどでも行われていました。日本でいえば、岩手県にある中尊寺に安置されている藤原清衡ら藤原四代のミイラが有名でしょう。

また、ミイラとは少し違うかもしれませんが、日本ではかつて、即身成仏という「行」によって即身仏となった仏教の修行僧もいました。こちらの場合は、食事制限などを行って体内の脂肪や水分を減らした後、土の中に生きたまま入って、そこで断食をしながら瞑想を行い、最終的に死を待つというものです。

そのほか、社会主義国の指導者のなかには、エンバーミング(死体防腐処理)を施され、今でも霊廟などに安置されている人たちもいます。旧ソ連の指導者のレーニンやスターリン、北朝鮮の金日成総書記や金正日総書記、ベトナムのホー・チ・ミンといった人々は今でもその姿をこの世にとどめています。

ミイラを調べて数千年前の死因も判明

ミイラ化した死体は生前に筋肉につけられた傷などもそのままの状態で保存されるため、ミイラを調査すると死因が判明することもあります。例えば、2012年には、古代エジプトのファラオだったラムセス3世の死因が数千年の時を経て判明しました。紀元前1155年ごろに暗殺されかけたなどと伝わるラムセス3世ですが、本当の死因などははっきりわかってはいませんでした。

しかし、コンピュータ断層撮影(CT)を使って死体を調べたところ、喉の部分に鋭利な刃物によるものとみられる傷があることがわかり、この傷がもとで即死したのではないかとの見通しがたったそうです。

ちなみに、古代エジプトでミイラになったのはファラオや高級官吏に限りません。プトレマイオス朝時代のものとみられる墓からはミイラ化したネコやネズミも見つかったそうです。

ミイラを通じて見える時代や地域を超えた死生観

特別展のスペシャルサポーターにはビートたけしさんが就任しました。ビートたけしさんの就任メッセージによれば、「ミイラといえば、やっぱり最初に思いつくのは……。権力者や人々の神や自然に対する畏敬の念、そして再生や生活の維持を願ってきたこと。イギリスの大英博物館で実際のミイラを目の前にしてみると何とも言えない何かが語り掛けてくるんだよね。ミイラとなった人が生きていた当時の歴史や価値観、死生観など知れば知るほど面白くなる。今からご対面するのが楽しみだ」とのことです。

開催期間は2020年2月下旬まで。ミイラを通じて、時代や地域を超えた死生観などについて考えてみるのはいかがでしょうか。

文・J PRIME編集部

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