著名投資家ジェレミー・シーゲル,シーゲル銘柄
(画像=SFIO CRACHO/Shutterstock.com)

シーゲル銘柄とは、1957年からの米国株・運用成績ランキングベスト20の企業で、50年以上の長期にわたって分析している銘柄です。

今回は、シーゲル銘柄の業種と特徴について解説します。

ジェレミー・シーゲルとは

ジェレミー・シーゲルは、ペンシルバニア大学ウォートンのファイナンスの教授。

「証券投資の大家」と呼ばれ、マーケットにおける有名人の一人です。

ジェレミー・シーゲルが書いた「株式投資の未来」(原著「The Future for Investors」)や「株式投資」(原書「Stocks for the Long Run」)は、長期投資のバイブルといわれています。

資産運用は株式がもっとも優れている

「株式投資」では、米国の株式・債券・短期国債の各200年における実績リターンの最高値と最低値を分析しています。

1年や2年といった短期では、株式の最高値と最低値の幅(ボラティリティ)は債券や短期国債よりもずっと大きくなります。

大きな利益が狙えますが、損失も大きくなる可能性があるのです。

ただし、10年・20年といった長期の期間で見れば、株式の方が債券よりも高パフォーマンスを出しています。

株式は長期で見た場合、もっとも優れている投資先なのです。

米国株パフォーマンス上位銘柄はオールドエコノミー

「株式投資の未来」では、1957年~2003年までのリターン上位20銘柄が記載されています。

1957年とは、米国の代表的な株価指数である「S&P500」の算出が始まった年です。

ただし、これは2008年のリーマンショックが含まれていません。

そこで、英語版では続編の「Stocks for the Long Run 5/E」が出版され、2012年までのランキングが掲載されています。

ランキング上位5銘柄と業種は以下の通りです。

  1. フィリップモリス(PM)タバコ
  2. アルトリア(MO)タバコ
  3. アッヴィ(ABBVバイオ・ヘルスケア
  4. アボット・ラボラトリーズ(ABT)ヘルスケア
  5. コカ・コーラ(KO)食品・飲料

シーゲル銘柄とは、過去のリターンが優れている米国株。

ブルーチップと呼ばれる優良銘柄が多く、生活必需品やヘルスケアセクターなどが多くなっています。

これらの産業は「バリュー株」として知られています。

バリュー株とは、割安株とも呼ばれ、その会社の利益や資産など本来持っている価値に比べて、株価が低いと思われる銘柄のことです。

バリュー株はPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が低く、配当が高い傾向にあります。

しかし、近年はグーグルやアマゾンなどIT企業が米国産業の中心です。

生活必需品やヘルスケアなどのオールドエコノミーを保有していても大丈夫なのでしょうか?

S&P500指数の推移

米国の代表的な株価指数であるS&P500指数で考えてみましょう。

S&P 500指数とは、スタンダード&プアーズ社が選んだアメリカを代表する500社の株価指数です。

実は、S&P500指数の開始時(1957年)に選ばれていた銘柄を持ち続けると、途中で銘柄を入れ替えたS&P500指数よりもリターンが高くなると「株式投資の未来」では書かれています。

それまで、インデックス(S&P500などの株価指数)を超えるような投資手法を探すのは難しいと言われていました。

しかし、S&P500に最初から含まれていた銘柄に投資してずっと持ち続けていれば、現在の S & P 500に連動するインデックスファンドよりも、リターンが高くなるということが分かったのです。

米国のオールドエコノミーとして生き残った企業は、収益力と成長力が優れ、高い配当を維持してきたことが原因です。

このことは、ハイテク企業ではなく、オールドエコノミーとして昔から存続してきた高収益企業の方が、投資対象として優れているということになります。

株式投資の未来では、1957年から2003年までのセクター別リターンについても記載されています。

  • ヘルスケア…14.19%
  • 生活必需品…13.36%
  • 情報技術…11.39%
  • エネルギー…11.32%
  • 一般消費財…11.09%

セクター別リターンで見ても、ヘルスケアや生活必需品など人間が生きていくために必要なセクターが上位になっています。

これは、業績が安定しているオールドエコノミー企業に投資しておけば、株価が一時的に下がっても、その後回復する可能性が高くなることが背景にあります。

また、オールドエコノミー企業は、株主還元として「配当」を重視する傾向があります。

さきほどの上位5銘柄の連続増配年数を見てみましょう(2016年時点)。

  1. フィリップモリス(PM)46年
  2. アルトリア(MO)46年
  3. アッヴィ(ABBV)44年
  4. アボット・ラボラトリーズ(ABT)44年
  5. コカ・コーラ(KO)53年

いずれの企業も40年以上増配を続けていることが分かります。

米国では25年以上連続して増配している銘柄を「配当貴族」と呼びます。

シーゲル銘柄の上位5銘柄はすべて配当貴族で、毎年配当を増やしていることから、株主重視の企業だといえます。

シーゲル銘柄は、業績が安定していて、連続増配を続けているオールドエコノミーが中心なのです。

まとめ

今回は、シーゲル銘柄について解説しました。

ヘルスケアや日常生活品など、人が生きていくために必要なオールドエコノミー銘柄を長期で保有することが、好パフォーマンスを生むとシーゲルは主張しています。

そのようなオールドエコノミー銘柄は、高配当で連続増配を続けている企業が多いのが特徴です。

株式投資というと値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うのがメインと考えてしまいがちですが、低成長でも高配当で下落リスクが少ない銘柄を長期で保有することが、結果的に資産運用では良い結果が生むということが過去の検証からわかります。

シーゲルは過去200年という長期の過去データを分析しました。

この考え方は、世界一の投資家であるバフェットにも通じるところがあります。

長期投資をする際の参考にしていただければ幸いです。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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