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(画像=Ink Drop / Shutterstock.com)

「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業が注目を浴びています。そのGAFAの1つである、Facebookも、インスタグラムの成長、広告収益の成長など、堅調にビジネスを成長させています。しかしながら、個人情報漏えい問題など、Facebookの事業基盤も盤石ではありません。Facebookのビジネスモデルに潜む死角について解説します。

逆風の中、最高決算を出した2018年

Facebookにとって、2018年は激動の1年だったと言えるでしょう。トランプ大統領の大統領選挙で、ケンブリッジ・アナリティカが不正にデータを取得した問題や、5000万人分の情報漏えいが起こった問題など、個人情報の問題について、常に逆風が吹いていたような1年でした。実際、Facebookのビジネス自体に疑問が上がり、株価は、最高値の217ドルから、最大で40%近く下落しました。

しかし、そういった逆風の中、Facebookの2018年第4四半期(Q4)の決算は、素晴らしいものでした。売上高は169.1億ドル、前年比30%で、アナリスト予想を超えました。また、1株あたり利益も2.38ドルと、アナリスト予想を上回っています。DAU(Daily Active User:1日当たりのユーザー数)、MAU(Monthly Active Users:月間アクティブユーザー数)も前年比9%の伸びを見せており、順調にビジネスが伸ばしていたのです。マーケットもこれを好感し、株価は決算後上がっています。

Facebookが抱えている課題とは?

しかし、やはりビジネスという観点でいうと、Facebookにも死角がないわけではありません。どういった部分が課題となるのか、見ていきましょう。

個人情報をベースにしたビジネスモデル

Facebookの1つの特徴として、高い営業利益率があります。2018年Q4の利益率は46%と、2017年の57%と比べると少々低下したものの、それでも高い水準を保っています。ユーザー数の伸びが9%に対し、売上が30%伸びているということは、客単価も上がっていることになります。

しかし、この高い利益率は、Facebookが、個人のつながりや行動から、最適な広告を提案している、という、個人情報をベースにしたビジネスモデルを提供しているからです。これは、今のところプラスに働いていますが、大きな脆弱性を持っています。

2018年のニュースもそうですが、デジタル化が進むと、個人情報の取り扱いに総じてセンシティブになっていきます。今後、インターネット企業が扱える個人情報が、いつ限定されるかはわかりません。仮に、使える個人情報に制限がかかったとすれば、Facebookにとっては大きな打撃となります。現状、広告ビジネス以外で収益を稼げないFacebookにとって、こういった法的なリスクが常に付きまとうことが一番の課題と言えるでしょう。

ヨーロッパなどで始まった「Facebook離れ」

また、ユーザー数についても、安心できる状況ではないでしょう。MAU、DAUともに伸ばしていると書きましたが、伸ばしているエリアはアジアなど新興国が中心です。ヨーロッパ、アメリカではユーザー数はほとんど伸ばすことができていません。しかも、単価が高いのは、アメリカ、ヨーロッパなのです。逆に言えば、「儲かる地域でほとんどユーザーを獲得できていない」という状況になっています。

日本でも「Facebook離れ」という言葉があるように、先進国でのFacebookの伸びは鈍化しています。また、TikTokなど、新しいSNSも出てきており、競争環境も厳しい状況にあります。現状、成長しているアジアなどで単価を上げることができるかどうかが、次にFacebookが成長するかどうかのカギになるかもしれません。

Facebookの先行きは不安定。目先の数字でなく、長期的に判断したい

Facebookは、直近の決算こそ良かったものの、ビジネスモデルを見てみると、現状は、個人情報をベースにした広告ビジネスでしか収益を稼げていないことがわかります。このビジネスモデルは、当局などから個人情報規制に関わる法案が出た時のリスクが常に付きまといます。さらに、SNS自体は参入障壁が小さいため、常に新しいSNSと競争をしていかなければなりません。北米・ヨーロッパの成長鈍化も気になるところです。

今後、Facebookが乗り越えるべき課題は多くあります。彼らが成長するかどうかは、長期的な目線で判断したいところです。

文・J PRIME編集部

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