ウクライナ,投資
(画像=leg Totskyi/Shutterstock.com)

ウクライナに対する日本人のイメージは、美男美女のヨーロッパの国というのが多いです。

しかし、ウクライナは欧米とロシアの思惑に挟まれ紛争が起き、ヨーロッパの中でもかなり貧しい国となっているのはあまり知られていません。

そんなウクライナに対して、投資家の注目が集まっています。

なぜ、ヨーロッパの中で貧しいとされる国に投資家が注目しているのか、ウクライナの現状などを交えつつ解説します。

ウクライナの現状

東西で激しく対立

ウクライナはロシアの西側に位置し、ハンガリーやポーランド、ルーマニアといったヨーロッパの国々と面し、南側にある黒海を挟んだ向こう側にはトルコがあるという、複数の国家と距離が近い国家になります。

特にロシアの影響力は強いです。ウクライナの公用語はウクライナ語ですが、ロシアに近い東側はロシア語の方が通じやすいという状況になっています。

ウクライナの歴史を紐解くと、古くから西側はヨーロッパの諸国と通じ、東側はロシアに占領されたという過去があります。

現在のウクライナはヨーロッパやアメリカと親しくしたい西側が多数派となり、ロシアに近い東側は少数派となっています。

現在でも西と東の対立は根強く残っており、それこそ西側は独立してもおかしくない程の民族騒動が幾度も起きています。

しかしながら、ウクライナの西には負の遺産と呼ぶべきチェルノブイリ原子力発電所が残されています。

加えて、ウクライナの東側は地下資源が豊富で、農産地としても豊かな土地が広がっており、ウクライナの経済を支えています。

国家予算の1割を必要とするチェルノブイリ原子力発電所があるため、西は東を切り捨てることも、独立することも出来ません。

そこでウクライナ政府は欧米の支援を受け、新たな経済政策を用いて国を豊かにし、ロシアからの脱却を目指そうとしていました。

ロシアの反発と東部の抗議活動

ウクライナは脱ロシアに向けて舵を取り、欧米もウクライナを自分たちの勢力に引き込もうと画策します。

しかし、ロシアはこれらの行為を強く非難。2010年よりウクライナを舞台に、欧米派と親露派の対立が激化していきます。

ウクライナの東部都市ではデモが起こり、南東にあるクリミアではロシア編入を問う住民投票が実施。

一方で欧米の介入も本格化しており、2015年IMFは4年間で約175億ドルをウクライナ政府に供与。日本もこれまでに2,000億円以上の援助をしています。

2019年の大統領選挙

欧米とロシアの影響によって西と東で対立が激しくなっているウクライナですが、IMFを始めとした経済支援の影響もあって2016年には経済成長率がプラスになりました。

国内GDP成長率は3.3%、一人当たりGDPは3,095ドルとフィリピン並の経済状況までに落ち着きました。

そして2019年に大きなターニングポイントを迎えます。

過去最多となる44人の候補者による大統領選挙の結果、なんとタレント候補だったウォロディミル・ゼレンスキー氏が7割近い票を獲得して大統領に当選したのです。

ウクライナで大流行した政治風刺ドラマの主役が、本当の大統領になったというのは驚きの結果ですが、新大統領のスタンスは非常に現実的と言えます。

外交政策は親欧米路線を維持したまま、東部の紛争解決へ向けてロシアと協議する必要性があると政治姿勢を表明しています。

ウクライナ投資が活発な理由

ウクライナの現状は、東部で紛争が起き、一人当たりのGDPがフィリピンやベトナムと同程度のヨーロッパの中でかなり貧しい国となります。

しかしながら、街並みは清潔で、ヨーロッパの歴史を感じさせる建造物が数多く残っている美しい国です。

アジアの新興国に比べれば、条件さえそろえば何時でも観光都市として活躍できるだけのポテンシャルを秘めています。

紛争中とはいえ、基本的に紛争が起きているのはロシアに近い東側や南にあるクリミア半島あたりで、国の北にある首都キエフあたりは平和な場所となっています。

しかし、欧米のマスコミは紛争を過剰に取り上げており、ウクライナは危険地帯というイメージを植え付けてしまっています。

その影響は市場にもでており、通貨の価値が5年間で4分の1まで下落しています。

しかし、ウクライナが持つポテンシャルを考えれば、この下落は売られ過ぎた結果であり、いずれ元の価値まで戻ってくると予想できます。

たとえば、以前は5000万円で売られていた物件が、今では1500万円で売られているとします。

これを購入して、フリブニャ(ウクライナの通貨)が2倍になれば、1500万円の儲けとなります。

2倍になるといっても、以前の半分の価値まで戻っただけに過ぎないため、十分にあり得るケースです。

経済が健全化し、観光やIT関係の分野での経済政策が上手く行けばさらに上昇する可能性も秘めています。

以上の理由からウクライナへの投資が活発になりつつあるといえます。

ウクライナ投資は不動産投資がベスト

ウクライナで注目を集めているのは不動産投資です。

特に首都キエフはヨーロッパ然とした美しい建物が昔から非常に人気が高く、一室50平方メートルで6,000万円以上する物も珍しくありませんでした。

そんな高級住宅が、現在では4分の1の価格で購入できます。

不動産投資のため、購入した不動産を誰かに貸して家賃収入を得るという方法もあります。

キエフはウクライナの中で交通機関がもっとも発達しており、商業も活発。

人口が約20年間で30万人以上増えているため、空き室リスクは低い都市になります。

ウクライナ投資の注意点

ウクライナは紛争によってヨーロッパでも指折りの貧しい国となった一方で、これから価値を取り戻していく可能性のある国です。

しかしながら、それはあくまでも可能性に過ぎません。

ウクライナ投資を考えている方は、EU・ロシアの情勢を必ずチェックしましょう。

2018年までのウクライナは、東部の反発はあるものの、日本を始めとした国々と投資の協定を結び、ITや仮想通貨といった分野を伸ばそうとする経済政策を取ってきました。

新しい大統領もその路線を変更しないと思いますが、現時点でのウクライナ経済を支えているのはロシアです。

このままウクライナが欧米に組み込まれるのをロシアが黙って見ているとは思えません。何かしらの経済制裁、あるいは実質的な行動に出る可能性は十分にあります。

また、欧米もこれまでの支援を無駄にしないためにも、ウクライナから手を引くという可能性は少ないです。

しかし、経済の変化によってこれ以上ウクライナを支援できないという状況もあり得ます。

ウクライナが経済成長するかどうかは、欧米の支援にかかっている部分が大きいので、EUの方針も十分に注意しないといけません。

まとめ

以上が、ウクライナ投資に関する解説になります。

ウクライナ投資のリスクはアジアの新興国に投資するのと同程度ですが、リターンは非常に大きいです。

資産に余裕があり、興味がある方はチェックしてみましょう。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan

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