金融庁,金融サービス
(画像=GaudiLab/Shutterstock.com)

金融庁が8月28日に「利用者を中心とした新時代の金融サービス~金融行政のこれまでの実践と今後の方針~(令和元事務年度)」を発表しました。これまでも、金融庁は、国民の資産形成意識を高めるために、さまざまな取り組みを行っています。今回は、仮想通貨や金融デジタライゼーションなど、これまでになかった金融技術への対応も盛り込まれており、まさに「新時代」の言葉にふさわしい内容でしょう。新時代の金融サービスの概要を紹介します。

これまでも金融庁は、金融のデジタル化への対応や、国民の資産形成のためにさまざまな施策を実施してきました。令和へと元号が変わったことを機にこれまでの取り組みを踏まえ、より受益者・金融サービスの利用者の視点に立った、新たな方針を発表したのです。

金融庁が持つ問題意識とは?

このような発表をした背景には、金融サービスの構造が変わりつつあることに加え、金融庁が現在の金融機関のサービスに問題意識を持っていることがあります。

金融サービスの構造でいうと、FinTechの台頭が背景にあります。FinTechにより利便性は向上したものの、それに伴う事故や犯罪も増えているのです。これらに対応するために、新しい法制度や規制が必要になってくる可能性もあります。またFinTechによって金融のグローバル化が進めば、より精細なリスクマネジメントが求められるでしょう。

既存の金融機関でいうと、かんぽ生命の不適切販売を筆頭に多からず顧客本位でない営業がなされていることも問題です。背景には金融機関のモラルの欠如や、消費者の金融リテラシーの低さなどがあります。「老後2,000万円問題」があるように、これからの時代に向けて資産形成に対する意識を高めていくことが必要とされており、金融庁としては、金融機関の意識向上、消費者の金融リテラシー向上が欠かせないと考えているのです。

「新時代の金融サービス」の概要を紹介

新時代の金融サービスにはどのようなことがかかれているのでしょうか。特に私たちの生活に関連が深いものについて紹介します。

FinTech分野の一層の広がり

まず注目すべきは、FinTechと呼ばれる新しい金融サービスが今後さらに広がるということです。例えば、メガバンクとスタートアップ企業などがデータを連携して新たなサービスを開始するといった取り組みが、これまでよりもやりやすくなったり、支援が拡充していくことが予想されます。消費者にとっての利便性が上がるようなサービスが増える一方、サービスが乱立する可能性もあるため、適切なサービスを自ら選択することが必要になるでしょう。

貯蓄から投資への流れが進む

貯蓄から投資への流れが進むことも予想されます。これまで、高手数料で消費者のメリットが小さいような金融商品が販売されるケースも少なくありませんでした。しかし、金融庁の取り組みでそういった商品には是正が入ったり、NISAやつみたてNISAなど、投資を始めやすい環境づくりが形成されつつあります。今後も金融庁は金融リテラシーの向上のための取り組みを続けるとしており、貯蓄から投資への流れはさらに加速していく可能性があるのです。

地銀のビジネスモデルが変わる?

金融サービスがグローバル化する中で、苦戦を続けているのが地方銀行です。しかし、地方銀行は地域経済の活性化のために必要不可欠な存在です。

そこで金融庁は、地銀にかかる規制を緩和することを検討しています。これまで認められなかった地域商社への5%以上の出資などが、今後の緩和によって認められる可能性もあります。金融庁の進め方次第では、地銀のビジネスモデルは今とは異なるものになってくるかもしれません。

新時代の金融サービスに合わせて、自分の金融リテラシーを高めよう

新時代の金融サービスでは、金融市場の安定化等の国が行う役割に加えて、消費者に関わる金融サービスの規制の見直しや、新しい時代に合わせた法制度の見直しなど、金融にまつわる取り組みが網羅的に書かれています。金融リテラシーを高めるために、ぜひ一度目を通してみてはいかがでしょうか。

文・J PRIME編集部

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