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(画像=G-Stock Studio/Shutterstock.com)

休暇の間に旅先で仕事をする「ワーケーション」や、出張の前後にレジャーを楽しむ「ブリージャー」など、新たなライフスタイルに注目が集まっています。長時間労働の是正や柔軟な働き方の推進を目指す「働き方改革関連法」が2019年4月に施行され、こうした多様なワークスタイルが生まれている中、働き方改革の具体的な実現方法として、実施の上での条件や環境整備について考えます。

「ワーケーション」で有給取得率向上

ワーケーションは、「ワーク」(仕事)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた米国発の新しいワークスタイルです。主に自宅で働く在宅勤務やリモートワークとは異なり、場所にとらわれず、旅行地や帰省先などで休暇を過ごしながら仕事をすることが認められます。有給休暇の取得を促す動きが活発化している日本でも、このような働き方が注目されるようになりました。

エクスペディア・ジャパンによる2018年の調査では、日本の有給取得率は世界最低の50%にとどまり、取得日数も世界で最も少ない10日間となっていました。ワーケーションで長期休暇が取りやすくなれば、有給取得率が向上すると期待されています。

ワーケーションには、旅行の機会とともに家族や友人と過ごす時間が増え、プライベートが充実するほか、容易にリフレッシュできる環境で仕事のオンオフをすぐに切り替えられ、仕事の効率が上がるといったメリットがあります。新しいアイデアが生まれやすいという効果もあるようです。

ワーケーションは、日本航空やマイクロソフトが導入して話題となり、大手企業やIT企業にも広がっています。地方自治体で受け入れを推進する動きもあり、地方創生につながるとの期待も高まっています。

「ブリージャー」でビジネスにもプラス

出張(ビジネス)の前後に周辺の観光やレジャーの日程を追加する新たな出張スタイル「ブリージャー」を認める企業も出てきました。出張する社員と企業の双方にメリットがあるようです。

出張者は出張先の知識を深めるきっかけを得られ、その土地の文化や観光地について取引先の相手と話がはずめば、ビジネスを円滑に進めることにつながるかもしれません。

また、多忙で休めないと考えている社員も、休暇を取るハードルが低くなるでしょう。出張と併せて休暇を取得し、観光できれば、プライベートな旅行より手軽でリーズナブルに楽しめるかもしれません。リフレッシュして出張から戻り、生産性高く働けるようになる可能性もあります。

必要な環境の整備

ワーケーションを導入する企業は、勤怠管理や就業規則を見直す必要があります。また、物理的に離れた環境でも社内と適切にコミュニケーションを取れるビデオ会議やチャットツールなどのシステムの整備も必要です。制度を活用する社員が、旅先で仕事に必要な環境を事前に確保したり、業務の進め方を決めておいたりする必要もあるでしょう。

ブリージャーを取り入れるには、出張や経費の規定整備のほか、社員の安全への配慮なども必要になります。

新たな働き方によって休暇が取得しやすくなる一方で、休みと仕事の区別をつけることや勤務時間管理の難しさがあるとの指摘もあります。かえって仕事の比重が高くなるなど、本末転倒にしないために、特に休みを重視する意識や仕組み作りが求められます。

働き方改革の実現手段としての展望

リクルートワークス研究所が、勤務日や勤務時間、働く場所を自由に選べる人の割合を調査したところ、2017年は勤務日が35%、勤務時間が28%、働く場所が21%となっていました。いずれも前年より上昇したものの、低水準にとどまっています。

本来は完全な長期休暇を取得できることが理想であり、ワーケーションやブリージャーはその過渡期の取り組みとの見方もあります。それでも、生産年齢人口が減少する中、長時間労働に依らず成果を上げる働き方を実現する有効な手段として、こうした新たなワークスタイルは今後さらに普及していく可能性があります。

文・J PRIME編集部

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